【エピソード:1】
全国行脚での話。
とある工場で本田宗一郎が握手を交わそうとした時に走り去ろうとする者がいた。
本田宗一郎は呼び止め,訳を聞くと『手が油まみれだったため』という。
本田宗一郎は「いいんだよ,その油まみれの手がいいんだ」と言って,その真っ黒な手を握りしめた。
この行為に社員は涙を流した。
【エピソード:2】
警備員の話。
警備員の前に黒塗りの車がやってきた。
警備員は「通行証をお願いします」と言った。
黒塗りの運転手は「関係者だから通すように」と言った。
警備員は「通行証がないと通せません」と言った。
黒塗りの運転手も負けずに「だから関係者だからすぐに通しなさいっ!!」と言った。
警備員は「関係者でも通行証がないとお通しする事は出来ないことになってるんです」と言った。
すると,後部座席から「通行証を忘れたのは我々のミスだから,今日は引き返しましょう」と声がした。
後日,警備員の前に黒塗りの車がやってきた。
警備員は「通行証をお願いします」と言った。
黒塗りの運転手は「はい」と通行証を差し出した。
警備員は「どうぞお通りください」と言った。
車が過ぎる間際に後部ドアの窓が開いた。
本田宗一郎「貴方のようなちゃんとした方が警備してくださって,心強く思います。ありがとう!」
【エピソード:3】
とある工場の視察の話。
冬の寒い季節だったため,本田宗一郎はツナギのポケットに手を突っ込んで歩いていた。
若い作業員から「おい,そこのおっさん!ポケットに手を突っ込んでこけたら危ないだろっ!」と注意された。
その後,ホンダのツナギからはポケットがなくなった。
【エピソード:4】
勲一等瑞宝章受賞授賞式での話。
皇居で行われた勲一等瑞宝章受賞授賞式に出席した際,本田宗一郎は真っ白なツナギで出席しようとした。
周囲に止められる際も「技術者の正装は真っ白なツナギ(作業着)だ」と言った。
最終的には社員が持っていた礼服で出席した。
【エピソード:5】
本田宗一郎の葬儀の話。
本田宗一郎の葬儀は近親者のみで行われた。
遺言に「自動車会社の創業者が,渋滞を起こしちゃいけない」とあったためである。
社葬は行われなかった。
【名言・格言】
自分の力の足りなさを自覚し,知恵や力を貸してくれる。
他人の存在を知るのもいい経験である。
失敗が人間を成長させると,私は考えている。
失敗のない人なんて,本当に気の毒に思う。
伸びる時には必ず抵抗がある。
成功は99%の失敗に支えられた1%だ。
悲しみも,喜びも,感動も,落胆も,つねに素直に味わうことが大事だ。
もったいないようだけど,捨てることが,一番巧妙な方法だね。
捨てることを惜しんでいるヤツは,いつまでたってもできないね。
我々は,最初から苦しむ方向をとったから,あとは楽になった。
真似をして楽をしたものは,その後に苦しむことになる。
会社の為に働くな。
自分が犠牲になるつもりで勤めたり,物を作ったりする人間がいるはずない。
だから,会社の為などと言わず,自分の為に働け。
失敗と成功は裏腹になっている。
みんな失敗を恐れるから,成功のチャンスも少ない。
こちらが悪ければ,悪い人間が寄ってくる。
こちらが信用することによって,信用される人間が生まれる。
チャレンジして失敗を恐れるよりも,何もしないことを恐れろ。
その他,数多くの名言・格言あり。
【オススメの本】
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会社のために働くな
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