【2017.10.08(日)-09(月)】

 
久しぶりに山を休んだ前週は
保育園に通う孫ちゃんの運動会の応援に。
 
毎週山で遊んでばかりいるので
こういう時は爺ちゃんに徹しておかないと
孫ちゃんに遊んでもらえなくなる。
息子と孫ちゃん
 
 
 
しっかり爺ちゃんの役目を果たしたので
翌週体育の日の三連休は山へ。
 
9月まで岩稜バリエーション三昧だったので
10月はのんぴりテント泊登山でも、
なんて考えていたけど
連休二日目と三日目は
晴天かつ9月中旬の陽気になるとあらば
やっぱり岩稜ルートに心惹かれる。
 
ここはやっぱり北アだよねって
チビさんと意見が一致。
 
ということで、またもや北アへ。
 
今シーズン挑んだ岩稜ルートの中から
最も面白かった前穂北尾根−明神主稜を
チョイス。
 
前穂北尾根には過去三度登っているが
いずれも5峰からの登攀。
北穂東稜から見た前穂北尾根8峰~1峰
 
 
 
 
今回はまだ歩いたことのない
末端の8峰から挑んでみることに。
 
前穂北尾根8峰 + 明神主稜5峰
合計13峰の岩稜バリエーション縦走。
 
こりゃいい案だって二人で納得。
 
 
日曜朝一で上高地入りし
キリリと冷えた梓川沿いの道を進む。
 
明日挑む明神5峰がカッコいい。
 
 
 
 
徳沢まで歩いて一休み。
ここで嬉しい出会い。
 
山友の風花さん、ムサママさん、Yuさんと
突然の再会。
 
北アのスペシャリストの風花さんと
徳沢で会えるなんてなんか素敵。
 
これから
奥又白池に行くとのことで
途中までご一緒させていただく。
 
 
 
久しぶりの再会で話も弾む。
 
以前と変わらず山を楽しんでいる皆さんの姿が
なんだかとても嬉しかった。
 
中畠新道分岐で風花さん達と別れたあと
最後の沢となるポイントで水を補給。
 
この先
北尾根、明神主稜を縦走するルートに
水場はない。
 
二日分の水5Lを汲む。
 
 
 
 
 
水にテント泊装備に登攀道具で
かなりの重量。
 
こんなに重い荷を背負って
岩を登れるの?
 
不安を抱きつつ紅葉ロードを登り進み
屏風のコルに到着。
 
 
 
 
目の前には前穂北尾根末端の8峰。
 
 
 
 
ここから一般道を外れ
バリエーションルートに入る。
 
いきなり藪漕ぎの急登。
 
木や草を掴んでの四つ足登攀。
 
 
 
 
道は悪いが
今年はこんなとこばかり歩いてるから
慣れたもんだ。
 
藪を漕ぐこと1時間で
 8峰ピークに到着。
 
 
 
 
広々としたピークからは
北尾根の全容を見渡すことができた。
 
その大きさ、遠さに目がくらむ。
ここまでも厳しかったが
まだ13峰中の1峰目。
 
 
 
 
 
次の7峰目指して先へ進む。
 
相変わらずの藪漕ぎ。
 
 
 
 
道は悪いが槍穂の展望は抜群。
 
更に1時間ほど進み7峰ピークに到達。
 
 
 
 
藪漕ぎはここで終了。
この先はお楽しみの岩登りの始まり。
 
岩稜ルートをたっぷり楽しんでやる。
足元には涸沢カール。
 
 
 
 
6峰の登りから岩場となり
面白さがグッと増した。
 
但し
岩は脆いのでかなり気を使う。
 
 
 
 
 
6峰ピーク下のタヌキ岩まで上がってきた。
 
間近でみるタヌキ岩は結構な大きさ。
大ダヌキだ。
 
 
 
 
更に登り進んで6峰ピーク。
 
未踏だった前穂北尾根の 8峰から6峰の
ピークを取った喜びに浸る。
 
だが今回の目標は
明神主稜を含めた全13ピーク越え。
 
残りは10ピーク。
まだまだ。
6のつもりらしいが、
どう見てもウルトラマンのシュワッチ
 
 
 
 
 
今日はこの先
5峰のピークまで上がる予定だったが
疲労が大きいためコルでビバーク。
 
重い荷を降ろし
地べたにひっくり返る。
 
頑張って担いできた水をがぶ飲み。
 
目の前には穂高の大展望。
キツかったけど最高の気分。
 
山登りで一番楽しい瞬間。
気持ちいいわ!
 
 
 
早めに夕食をとり17時半に就寝し
翌朝5時前までグッスリ。
 
いやよく寝たもんだ。
 
真夜中に物音で目が覚めた。
テント周りを何かが歩いてる。
 
人の靴音のように聞こえたが
きっとクマか鹿だろう。
 
靴音だったらちょっと怖い。
ビバークテント泊ではよくあること。
 
 
見事な雲海を眺めながら
出発準備を整える。
 
 
 
 
抜群の天気の下
6時前に登攀開始。
 
 
 
 
朝日を浴びて
北アの真ん中でクライミングなんて
超気持ちいいし!
 
 
 
 
振り返れば
歩いてきた北尾根が雲海に浮かぶ。
 
景色はいいし、岩登りは楽しいし
ここはホント極上のルート。
 
 
 
 
5峰ピーク手前まで登ってきた。
 
巻道があるが
全13ピーク越えを目標とする我々は
もちろん巻かずにピークを直登。
 
 
 
5峰ピーク到達すれば
目の前には朝日に染まる奥穂
迫力ある北尾根4峰。
 
何とも素晴らしい景色。
 
 
 
 
続いて4峰。
5峰より少し難度が上がる。

 

 

 

 

本来ここはルーファイを楽しむところだが
流石に3度目ともなると
迷うことなく4峰ピークに到達。
 
 
 
 
お次の3峰は
ロープクライミングを楽しめる
北尾根の最も面白いところ。

 

ザイルをつないで登攀開始。

 
 
 
 
いつもは軽く上がれる岩場だが
今日は荷が重いのでちょいと苦労。
 
バランスに注意しながら慎重に。
 
 
 
1ピッチ目を
いつになく冷や汗かきながらやり終える。
 
2ピッチ目からはコンテで
快適クライミング。
 
やっぱりここは最高!
 
 
 
 
高度感と展望を楽しみながら
3峰ピーク。
 
振り返れば
登ってきたピークが並ぶ。
 
この気持ち良さといったら..
 
 
 
 
ここまで来ると
前穂山頂はもうすぐそこ。
 
3峰から少しの登りで2峰ピーク
 
 
 
 
2峰ピークを懸垂で下り
ひと登りで前穂山頂に到達。
 
 
 
 
前穂北尾根の全8ピークを制した快感に浸る。
 
 
 
最高の達成感&やり切った感。
 
でもまだまだ。
 
お次は明神岳主稜の5峰。
 
 こちらも
北尾根同様カッコいい尾根。
 
 
 
 
 
前穂北尾根と明神岳主稜を合わせた
この縦走路は
たっぷりと岩登りを楽しめて
 ほんと最高。
 
早速明神岳主稜へ。
 
 
 
 
 
山頂下の大岩を越えると本峰ピーク。
 
山頂であることを示すものは
何もないシンプルさがいい
 
 
 
 
続いて2峰へ。
 ここは明神主稜の核心部。
 
難度的には前穂北尾根の3峰程で
快適なロープクライミングを楽しめる。
 
 
 
 
 疲れが出始めた体に気合いを入れて
登攀開始。
 
 
ホールドとなる岩に指を掛け
バランスを保ちながら体を引き上げる。
 
 
 
 
これくらいの岩場が
我々が最も楽しく登れるレベル。
 
これ以上の難度になると
泣きが入る。
 
 
 
 
2ピッチ目からはコンテで上がり
スラブを這って上がると明神2峰に到達。
 
 
 
残りは3峰。
 
既に昼を過ぎているため
ガスが広がる。
 
ガスから逃げるように3峰へ。
 
岳沢側のザレた岩壁をよじ登って
3峰ピーク。
 
 
 
 
 
ガスが飛ぶように流れ
慌ただしく晴れたり曇ったりを繰り返す。
 
 
 
 
コルに下って振り返ると
3峰の岩壁と2峰のピラミダルなピークが見事。
 
 
 
 
 
4峰ピークは歩いて登り
いよいよ最後
5峰ピークにあるピッケルを目指す。
 
全13峰のゴールに古びたピッケルがあるなんて
なんかいい感じ。
 
疲れた体に鞭打って
最後の岩壁を登る。
 
 
 
 
大岩を超え空が大きく広がると
ピッケルが現れた。
 
前穂北尾根8峰、明神5峰、
計13峰全部越えのゴール。
 
 
 
 
たっぷりクライミングを楽しめ
最高の達成感を味わえるこの二つの稜線は
極上の岩稜バリエーションルートであり
素晴らしい縦走路。
 
今回もホント楽しかった。
 
 
 
 
身も心も充実感に満たされ
最高の気分。
 
 
今年の北アの岩稜バリエーションは
今回で終了。
 
シーズン最後に相応しい
最高のバリエーション縦走で〆ることができ
大満足。
 
 複数の岩稜バリエーションを
テン泊しながら繋いで縦走する楽しさに
気付けた、いい山行だった。
 
来シーズンも楽しみだ。
 
 
 
お次は
いずこの山へ...