【2017.08.26(土)-27(日)】

 

この週末の北アは、

土曜の昼から日曜にかけ高気圧に覆われ

登山日和になるとのこと。

 

今夏の週末では最もいい予報。

これを逃す手はない。

 

早速チビさんにLINE。

でもって二人で鼻息荒げながら山行計画を練り

岩稜バリエーションの剱岳源次郎尾根をやろうということに。

 

チビさんは2年ぶり2回目

私は初めてのルート。

 

事前に様々なレポを読みあさり

ルート状況をイメージする。

 

こういうのって楽しくてたまらない。

初めての岩稜帯をやるときは特に。

 

 

土曜の朝、都内を出発し扇沢へ。

 

この日は午後から天気が良くなるとのことで

ゆっくり目のスタート。

扇沢10時スタート。

 

 

 

 

アルペンルートのバスやケーブルカーを乗継ぎ

昼前に室堂に到着。

 

レストハウスを出ると

快晴の立山が目の前にドカン!

いきなりこの景色からスタート

 

 

 

 

面倒な乗継ぎの多いアルペンルートだが

これだけの景色を眺められるのだから

その利用価値は大きい。

 

 

 

 

 

今日は室堂から剱沢まで行ってテント泊。

 

明日はテントを残したまま源次郎尾根に挑み

10時に山頂に達する予定。

 

その後下山し

テントを撤収して室堂へ戻り

再びアルペンルートで扇沢に戻る計画。

 

室堂発16時半の最終トローリーバスに

間に合うかどうかがちょっと心配。

 

 

 

 

 

晴天の立山の景色を楽しみながら雷鳥平を過ぎ

 別山乗越まで登ると

目の前に目指す剱の勇姿が現れる。

 

この景色は何度見ても感動しちゃう。

 

 

 

 

ここから直接テン場へは行かず

剱山荘を経由するルートを歩く。

 

テン場までは遠回りになるが

このルートから見る剱の景色がたまらない。

 

 

 

 

 

明日挑む源次郎尾根を目で捉えた。

 

剱沢から山頂まで

標高差1000m弱の長く急な尾根。

 

その途中には

ラクダのコブのようなⅠ峰、Ⅱ峰のピーク。

右下の剱沢から山頂へと続く源次郎尾根

 

 

 

 

明日はあそこを登るのかと思うと興奮する。

 

あんな急な尾根、登れるの?

って思ったけど、チビさん曰く

「一般ルートの別山尾根の方が急だよ」って、

確かに見た目はそうだけど...

 

 

テン場について荷を降ろしたあと

明日歩く剱沢雪渓の状態を

下見しに行ってみる。

 

明日は3時半スタート。

 

真っ暗な雪渓を歩く事になるので

取り付き点などを予め確認しておく。
 
バリエーションルートなので
こういった準備や確認は怠らない。
 
今年の雪渓の状態や取り付き点を確認し終え
陽が沈む前にテン場に戻った。
 
 
 
 
別山のアーベントロートを見ながら夕食。
 
いやこれ最高!
 
カップ麺もやたら美味く感じちゃうし。
 
 
 
 
その後シュラフに潜り込むと
その暖かさが気持ちよくて
あっという間に夢の中へ。
 
 
翌朝、3時前に起床。
 
既に多くのテントに灯りがついている。
 
剱岳の下りの渋滞を避けるため
一般ルートのハイカーもスタートは早い。
 
準備を済ませ
3時40分に源次郎尾根を目指して出発。
 
一般ハイカーが
剱岳に向かって登って行くのに対し
我々は剱沢を下っていく。
 
40分ほどで
昨日確認した雪渓取り付き点に到着。
 
ここで軽アイゼンを装着し
雪渓を更に下る。
 
 
 
 
しばらく下ると平蔵谷と出会う。
ここが源次郎尾根の取り付き点とのこと。
 
チビさんに案内してもらわなかったら
ここが取付き点だって分からなかっただろう。
 
アイゼンを外し、ハーネスを装着すると
緊張感がグッと高まった。
 
怖さと楽しみで心臓バクバク。
痺れるわ。
 
少し明るくなり始めた4時40分
いよいよ源次郎尾根登攀スタート。
 
ヘッデンの灯りに薄っすらと浮かぶ
踏み跡を辿る。
 
途中二つの大岩を乗り越えたり
ハイマツの根をかいくぐったりしながら
軽快に尾根を登り進んだ。
出だしは、岩登りというより木登り感覚。 
 
 
 
 
ようやく開けたところに出ると
そこからは高度感あるクライミングの始まり。
 
これが面白いのなんの!
 
 
 
 
岩登りはレベル的に難しくはなく
快適なクライミングを楽しめる。
 
だけど高度感はたっぷり。
 
怖いけど楽しいってやつ。
ルーファイしながら痛快なクライミング!

 

 
 
 
青空の下
剱岳を手足を使ってよじ登るって
ほんと楽しくてたまらない。
 
 
 
 
 
最初のピーク
Ⅰ峰のてっぺんに立てば
剱岳本峰と八ツ峰の迫力ある景色。
 1峰ピーク
 
 
 
いつの日かあの八ツ峰にも挑んでみたい。
 
 
 
 
この先のⅡ峰が目の前に立ちはだかる。
 
この急峻な岩壁の
一体どこを登るんだか...
II峰、その奥に剱岳本峰 
 
 
 
 
一旦下ってⅡ峰に取り付く。
 
岩やハイマツの手掛かり足がかりを探しながら
急斜面を登攀。
 
やっとの思いでII峰のてっぺんに到着。
本峰はもう目の前。
 
これぞ剱って景色。
 
本峰にしろ、八ツ峰にしろ、
とにかく大迫力。
 
 
 
特に八ツ峰のギザギザは
登攀欲を誘う見事な岩峰。
 源次郎尾根から見る八ツ峰、素晴らしい岩峰
 
 
 
 
Ⅱ峰からの下りは
このルート最大のお楽しみ
25mの懸垂下降。
 
下降ポイントまで行き
ビレイを取って下を覗き込むと
かなりの高さ。
 
怖いけど楽しい感MAXのポイント!
 
 
 
 
ロープを出して早速準備。
 
ロープダウンしATCをセットしたら
ビレイ解除し下降スタート!
 
 
 
 
怖いのは最初だけ、
降り始めてしまえば
アトラクション感覚で楽しめる。
 
あっという間にテラスに到着。
 
剱岳で懸垂下降してるっていう
シチュエーションに痺れた。
 
それに
25m一本だけだけど
ロープ山行ってやっぱり楽しい。
 最下部のテラスまでは50mロープで丁度の距離
 
 
 
 
懸垂を終えたあとは
ガレた急斜面を一気に山頂まで。
懸垂下降したⅡ峰を振り返って
 
 
 
 
青空に向かってビクトリーロードを進む。
 
ここまで出会ったハイカーは一人のみ。
一般ルートのような混雑とは無縁の源次郎尾根。
 
いやこれ最高!
ホントいいわ。
 
 
 
 
だが、
意外とビクトリーロードが長くて一苦労。
 
40分ほど登り進むと
山頂にいるハイカーの声が聞こえてきた。
 
山頂はもうすぐそこ。
 
 
 
 
そして8時50分に
「源次郎尾根、この先キケン」の
プレート裏手から山頂に到達。
 
4時間10分で源次郎尾根を登りきった。
源次郎尾根を完登し剱岳山頂に到達
 
 
 
 
バリエーションルートで達した剱岳山頂、
 
いやもう最高!
 
 
 
 だが
この好天だけに山頂には沢山のハイカー。
 
居場所ないし。
 
極上の源次郎尾根を登りきったことで
達成感&満足感は既に十分。
 
ということで
山頂は写真を数枚撮ってスルー。
薬師、黒五、笠に穂高などなど、北アが丸見え 
 
 
 
 
山頂にあれほどのハイカーがいるということは
別山尾根の下りは既に渋滞していそう。
 
しばらく下ると
案の定、カニの横ばい手前で渋滞。
 
晴天の剱岳だけに、これも想定内。
 
行動食を取ったり、
風景を楽しんだりっていうのは
このアトラクション渋滞に並びながら。
 
 
 
 
2時間半かかって
ようやく剱山荘まで下山。
 
渋滞のおかげで
たっぷりと北アの大展望を楽しむことができた。
 
小屋で買ったコーラを一気に飲み干し
更に先の剱沢のテン場へと戻った。
 
 
 
 
テン場に着き
冷たい雪解け水で顔を洗い
喉を潤し一休み。
 
その後、サッとテントを撤収し
12時半にテン場を出発。
 
室堂最終バスには充分間に合う。
 
 
 
 
別山乗越まで登って剱岳を振り返る。
 
剱岳の全景を楽しめるのはここが最後。
 
源次郎尾根を登って
別山尾根を下山。
 
剱岳をひと山まるごと登りきった感じがして
充実感たっぷり。
 
 
 
 
今日は一日見事な快晴で
剱岳にガスがかかることは全くなかった。
 
というか
天気良すぎて暑くてヘトヘト。
 
室堂に着いたらまずアイスだねって。
 
室堂に着く前のみくりが池山荘の売店で
アイスを見つけて早速。
 いや美味いこと
 
 
 
 
これで
今夏狙っていた岩稜ルートをまた一つクリア。
 
やっぱり岩場は楽しい。
 
我々のレベルでも挑める
北アの岩稜ルートは他にもある。
 
さて、
夏が終わりいよいよ秋山。
山が最も色っぽくなる季節。
 
 残り一ヶ月となったアルプスシーズンだけど
あの尾根、あの岩場などなど
お楽しみはまだまだ続く。
 
 
 
お次は
いずこの山へ・・・