子供を産んで、育児をして、初めて知る社会が沢山ある。
いかにこれまで私が、自分のことしか考えず、自分の楽しいと思うことしか興味を持たず、世間知らずであるか、ボッコボコに凹むほど思いしらされる日々だったが、その中のひとつのことについて書こうと思います。
「フェアトレード」
この言葉は、恥ずかしながらまめを産んでから知った言葉です。
フェアトレード(公平貿易)とは、発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組みです。
2001年に西アフリカのギニア湾で子供139人を乗せた船が消息を断った事件が報道されました。
船に乗っていたのは近隣の国から連れて来られた子供たちで、ベニンからガボンに入り、そこからコートジボワールなどのカカオ農場で働くために売り渡されるところだったといいます。
報道によると…
船は目的地であるガボンの港で上陸を拒否され、ベニンへ引き返したのですが、船には23人の子供しか乗っていなかったそうです。
船長が子供を「処分」するため、子供を投げ捨てたと疑われていましたが真相は解らないまま。
このニュースがきっかけで、欧米を中心に労働者として人身売買される子供がいること、そしてカカオの栽培に児童労働が使われていることが世界中に知れ渡りました。
IITA(国際熱帯農業研究所)が実施した西アフリカのカカオ農場で働く子供の64%が14歳以下と報告され、他国から誘拐され奴隷として売られて強制的に働かされているという報道や文献の指摘もありその事実も裏付けされています。
体罰を受け、劣悪な環境下で過酷な労働を強いられた子供たちがいるから、チョコレートが市場に出回って私たちがチョコレートやコーヒーを買えているという事実。
この事実を知った時に、私は何も知らないでチョコレートを美味しいと食べていた自分を恥じました。
だからと言って、これからはその子供たちに感謝をしてチョコレートを食べるようにする?
そんなわけない。
今後チョコレートを食べても幸せな気持ちになんてなれないと思ったし、二度とチョコレートなんて食べられなくてもいいと思いました。
無知な私がチョコレートを一口食べることによって、その児童労働を認めてしまうことになる恐怖を感じました。
そして、私はチョコレートが買えなくなりました。
「無知」というのはこんなにも罪なことなのかと本当に恐ろしくなってしまって。
バレンタインdayなんて、チョコレート売り場の店員全員に「あなたが売っているこの商品がどういう経緯で作られた物なのかを理解して、それを承知で売っていますか?」と聞いて回ろうかと思ってしまうほど。
でも、世界中の人がチョコレートを食べなくなったらカカオを生産している人たちは失業してしまうというのも現実で(アフリカの国では自給自足体制が崩れ、換金作物を生産してそれを売ったお金で食料を輸入する構図になってしまっているため先進国の人がチョコレートを食べなくなったらそれを生産している国の人たちは餓死ということになる)、なのにもう私の思考は極論しか出てこない。
そして、まめももうチョコレートが大好きなのです。
児童労働問題を、遠い国の顔も見えない子供たちの話だと忘れたふりをして、我が子にはチョコレートを食べさせるのか。
チョコレートの原料のカカオを作っている子供たちは、この豆がどんな美味しい物に形を変えているのかさえ知らないで、今も過酷な労働を強いられているのに。
忘れたふりなんて出来ない。
どうすればいいのか、何が出来るのか、
そこで出会った言葉が↑フェアトレードでした。
開発途上国の原料や製品を適正な価格で継続的に購入することによって、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自律を目指す「貿易のしくみ」
私はいつも思う。
産まれた国や環境によって、こうも子供の幸せが変わるのかと。
暴力や命の危険に怯え、心休まる瞬間もない子供たちがいるなんて。
他人事だなんて、思ってはいけない。絶対に。
私はたまたま日本に生まれたというだけなのだから。
フェアトレード商品を買うことで私は生産者たちへの支援に直接繋がることが出来るのです。
今年はまめが初めてバレンタインのチョコレートをお友達に渡しました。
勿論、フェアトレードのチョコレートを。

皆さんも見たことがあると思います。
ピープルツリーのチョコレート。
カカオバター100%だからとっても美味しいこのチョコレート、ファンも多いですよね。
乳化剤が入っていないから子供に安心して食べさせられるという理由で購入されている方もいらっしゃるかもしれません。
このチョコレートの背景を知ることで、このチョコレートをもっと美味しく食べられると思います。
1年中売られている商品ではないので、我が家ではこの時期にちょっと多目に購入します。
材料だけではなく、その商品の背景にも安心して子供に食べさせられる。
こんな幸せがもっともっと増えて欲しいと願って、今日のブログを書きました。
アメリカのチョコレート市場におけるフェアトレード商品の売り上げはまだ1%にもみたないそうです。
日本のでも、フェアトレードカカオを使っている会社はあるんですよ。
興味を持たれた方は、是非調べてみてください。
私の日常の何かを変えるだけで、世界が変わることもある。
フェアトレード商品は、自分は無力じゃないと思わせてくれました。