入院の準備をすませ、病室へ。
小児病棟だと思っていたら、赤ちゃん病棟だった。
私は個室を予約していたので、私、まめ、ジィジ&バァバで病室に入る。
この部屋で明日を迎えるのかーと思いながら、ベッドで楽しそうに遊んでいるまめを見つめる。
まめは病室やベッドを嫌がることもなく、新しい環境が新鮮なのかキャッキャと遊んでいた。
今晩、私大丈夫かな…。
それだけが心配。
まぁ、なにかあればここは病院だ。
倒れようが、何しようが、ここは安心。
バァバに、病棟のプレイルームにまめを連れていってもらう。
今日は思う存分遊ばせてやろう。
荷物を片付け、私もプレイルームに行く。
そこには、この病棟に入院している赤ちゃんとそのママ達。
ご挨拶させていただき、まめを一緒に遊ばせてもらう。
世間話をしながら、と言ってもやはり話題はそれぞれの子の病気や手術の話になる。
もう手術が終わっている赤ちゃんばかりだったので、ママ達は私にとって先輩。赤ちゃん達はまめにとって先輩。
手術のお話を聞かせてもらう。
「うちの子、その日の夜から食事してたよー。」
「うちも、うちもー。」
え。そうなの。
「麻酔からさめて大暴れする子もいれば、ぐっすり寝てる子もいるみたい。うちの子大暴れだったー。だから、私もベッドに上がって抱っこして、ガラガラ引かれて病室戻って来たんだけど、なんかの檻に入れられたみたいで恥ずかしかったー(笑)」
「形成外科の手術した子は、けっこうその日の夜からこの部屋で遊んでるよ。」
「赤ちゃんって凄いんだよ。まるで手術がなかったことのようにけろっとしてる。グズるとしても普段のグズりと同じで、
お腹すいたとか眠いとか。傷が痛くて泣くことないんだよ。」
先輩ママ達、皆明るい。
そして、優しい。
それぞれ詳しいお話を聞くと、皆さん手術にたどり着くまで相当な思いをしながらやって来られた方ばかり。
そんなママ達のお話を聞いて、そして、ママ達のしっかりと前を見つめている意志の強さを感じて、
「私、大丈夫だ!」
と、思えた。
同じ様に、悩み、苦しみ、同じ種類の涙を流してきたであろうママ達。
今までは、我が子を抱きしめ、孤独な戦いをしてきたママ達が、ここで同士と出逢えて笑顔になれている。
私は、手術の前日にこんなに晴れやかな気持ちになれるなんて予想もしていなかった。
まめは大丈夫だ!
私も大丈夫だ!
乗り越えた仲間がこんなにいる。
まめの手術は、幸いにも一か八かの手術ではない。
終われば、綺麗になるだけなのだから。
出逢ったばかりで、初めましてのママ達なのに、大きな大きな共通の気持ちを言葉にしなくても感じられる人達。
自分が本当に苦しい思いをしたから、相手を思いやれる人達。
プレイルームは、私の心の休息場所になった。
一人じゃないって思わせてくれた。
私の人生最大の不安の日になる覚悟をしてきたのに、前向きな気持ちで明日に迎えるのは、病棟で出逢えた先輩ママ達のお陰。
あぁ、神様はちゃんといて、私のこともまめのことも、ちゃんと出逢うべき人達のところに導いてくれるんだなと思った、手術前日。
まめ、今一緒に遊んでいるお友達は、あなたの一生のお友達だよ。
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