スラムダンクの名言
「左手は添えるだけ」。
なぜか、最近我が家で流行ってます。
この言葉の価値は、
「左手は添えるだけ」が、
バスケの技術として本当に有用なのかとか、
そんなのとはまったく関係ないところにある。
ひたすら 演出の凄さ
なんだよね。
山王戦で、桜木花道が打った起死回生のジャンプシュート。
集中力を高めて打つ瞬間に花道が自分に言い聞かせた言葉が
「左手は添えるだけ」
だったわけだけど、
何がすごいって、
あの一言で、それまでの花道のすべての努力を
読者が一瞬で想起しちゃうところ。
花道が、あり得ない体力と気力で馬鹿みたいにジャンプシュートを練習し続けてた、あの努力が、今、ここで、この一投に、全て込められて放たれるんだ、って
たった一言で読者に全部伝わるわけ。
すごいよね。
そうやって私たち知らないうちにイノタケに誘導されちゃってるわけよ。
とんでもない演出力
こういう、ありきたりの一言を
みごとな演出によって
印象深い「名言」に仕立てちゃう感じ、
井上雄彦のお家芸だよね
三井の「安西先生! バスケがしたいです」も、そう。
文字に書いたらどうってことないのにね。
あのシーンを知ってる人からしたら、
「バスケがしたいです」だけでうるうるしちゃう。
あれは、あのシーンが感動的なんじゃなくて、
あのシーンを感動的に見せるために
ちまちまと積み上げてきた戦略あってこその結果なんだよなあ、ってつくづく思う。
こういう積み上げって、先を見通してブレずに進めていかないとできないから、昨今のマンガ業界ではなかなか難しいのかなぁ、とか、勝手に想像したりしてます。
古き良き時代よね……
で。
こういう名言は、
内輪で使うと楽しくなりがちだよね
ウチの娘とか。
遊びに行きたいけど、金欠で困ってるときに、
「お母さん! 遊びに……行きたいです……」
とか言ってくる。
いや、それは感動しねーよ。
で、我が家では
現在ちょっとした「添えるだけ」ブーム。
この前、呪術廻戦の第2期を見ながら。
「なんか、悟より夏油メインって感じしない?」
「あー、たしかに。五条は添えるだけ?」
とか。
ゴーヤーチャンプルー作ろうと思ったんだけど、ストックの豚肉がほとんどなくて、
「今日のゴーヤーチャンプルーは、お肉少なめでもいい?」
「いいよ。豚肉は添えるだけ。」
とか。
なかなか汎用性が高い。
イノタケ天才!
と、我が家ではゆるく盛り上がってます
