さてさて、愛染、ギン、要が火の中からでてきたし、一護もウェコムンドから帰って来るみたいだし、しかも一護と一緒に4番隊隊長の卯ノ花さんが一緒にくるってことは、負傷者もみんな治して復活するんだろうから、とうとう空座の最終決戦だね。
アランカル篇 最後の3人
一気に見ましたよ。
東仙、ギン、愛染との戦い。
市丸ギンの最期
最初にネタバレしますけど。
ギンが死んじゃったよおおおおお。
ギンには生きててほしかったよおおおおお。
ずーっと何かありそう、きっと愛染を裏切りそうって雰囲気あるのに、ぜんぜん何もしないし、最終決戦になって、エスパーダがみんなやられちゃっても、まだ普通に愛染に付き従ってるから、どうなのどうなの、え、ほんとにただの悪者なの?ってドキドキしてたんだよね。
そしたら、本当に最後の最後。愛染と2人でホンモノの空座町に来たときに、不意打ちで愛染を攻撃! すごいよね、何十年もかけてやっと、愛染の口から、彼の「鏡花水月」を防ぐ方法を聞き出して。自分の卍解の本当の力も隠しておいてね。愛染を刺したときに、愛染の心臓に刀の破片を残しておく。その破片には細胞を壊す毒が仕込まれてて、内側から愛染を壊すという作戦。愛染のほうも、ギンを疑ってはいたんだけど、体内からの攻撃まで予想してなかったので、本気でやばかった。完全に1回死んだのよ。だから、ギンの作戦は成功したの。でもね。そこで愛染と一体化した宝玉の力が発揮されちゃって、なんと生き返ってしまうのよ。羽つきの蛾みたいな異形になってパワーアップ。ギン、あっさり返り討ちにあっちゃった。
とにかく、ギンの辛抱強さには感服する。ずーーと、確実に愛染を殺せる機会を狙ってて。100年以上だよ! それもこれも全部乱菊のためだったなんてね。愛染に奪われた乱菊の魂魄を取り戻そうとしてたんだよね。もうどれだけこじらせてます?って感じ。愛情深過ぎて怖いレベル。でも、それが湿度の高い嫌な感じじゃなくて、さらりとしてるところがギンのいいところなんだな。
ギンのそういう情みたいなものは、実は一護に対しても発揮されてて。一心、喜助、夜一の三人が愛染と戦ってるシーン。3人がかりでもどうにも歯が立たないのを見ていた一護が、すっかり怖気づいてしまったとき、ちょうどそばにいたギンが一護に「もう帰り」って言うのよ。死にたくなかったらもう戦うのやめろ、って挑発してくる。一護は、いつものお約束的に「もうダメだ」モード全開なんですけどね。それでも、ギンは言いつづけるの。初めて戦ったときはいい目をしてたのに、お前の今のその弱気な目はなんだ、がっかりしたと。
そうなのよ。よくよく聞いてると、あれは挑発じゃない。先輩とかお兄ちゃんとかが叱咤激励してる感じ。しっかりしろよ、っていう心の声が聞こえてくる。これって、元気づけてるんじゃないかなぁって思ってたら、案の定、ギンの最期のとき。ギンが瀕死の中、特訓して強くなった一護が愛染と決着をつけるために現れたんだけど、その姿をうっすらと横目で見ていうのよ。「強い目になった。これなら任せて逝ける」って。
いやいやいや。待って待って。死なないで。これは、死なないよ。大丈夫。きっと助かる。だって、はらわら半分えぐられた乱菊さんが生きてるんだから! って言い聞かせたんだけどダメでした。死んじゃった。死神側は滅多なことじゃ死なないのに、愛染側はバッタバッタ死んじゃったよね。まあ、生き延びても、犯罪者だし、その後どんなスタンスで生きさせりゃいいのかわからないから、ギンと東仙は死ぬしかなかったんだと思うけど。
でもさ、ギンも乱菊も想い合っていながら、長い時間寂しい思いしてきたんだから、幸せになってほしかったよ。乱菊さんなんてさ、まだ治療中で内蔵ぐちゃぐちゃなはずなのに、ギンを追って走ってきて。最後の最後、ギンの死に際には間に合うんだけど、ほんと悲しい最後だったよ。ギンもさ、乱菊のために愛染を殺すっていう思いを果たせなくて悔しかっただろうと思うとホントつらい。
愛染たちとの戦いがすべて終わった次の回で、みんなが日常に戻っていく中、乱菊さんがギンのことを思い出すシーンがあるんだけどね。私の手元に何も残さずいなくなってしまう……そんなあんたが嫌いだ、って言うの。もう切なくて泣きそう。
でも、周りのみんなが新たな1歩を踏み出しているのを見て、ああ、何か残ってたら、あたしは、ここから進めなかった。だから何も残してくれなかったのね、って思って。で、言うのよ。「そんなあんたが……好きだった」ってね。泣ける。
終わってみると、私の中でギンはけっこう高順位に位置してましたね。目がないキャラデザだから、重要なところで目を開くんだろうと思ってて、でも目を開いてショボかったらどうしよう、と心配してたんですけど、取り越し苦労でしたわ。目の色が髪の色と合っててめっちゃかっこいい。あっさりあの目にやられてしまいましたよ、あたし。
目といえば、BLEACHぼ登場人物は、印象的な目の人が多いね。プリメーラアランカルのスタークの目の色もグレーがかっててすてきだった。愛染の目もいい感じだし、東仙の目が開いたときの目の色もきれいだった。マユリさまの目も、ある意味個性的だよね。
脱線したわ。
とにかく残念だけど、さようなら、ギン。
東仙 vs 狛村・檜佐木
東仙は、元親友&元部下との戦い。東仙のビジュアルも、個性的でいいよね。レゲエな髪型に細マッチョ&精悍な顔つき。盲目で目隠ししてるのもかっこいい。ちょっと縦に長いビジュアルとか、見えてないのに完全に見えてる動きとか、全体的に呪術の悟を思わせるね。あ、逆か。こっちが先だから
ま、ビジュアルはおいといて。とにかく、なんとか東仙の目を覚まさせようとする狛村と檜佐木の願いも虚しく、ホロウ化してしまう東仙。虫の格好もキモいけど、なにより目がちょーキモい。肉感的でグロテスクにも程がある。なんやかんや言って「見えない」ことに強い負の思いがあったんだね、東仙は。ホロウ化して「見えるぞ、見える!」って喜んでたけど、あんた、自分で狛村とかに言ってたじゃん。お前たちの見える目より、目の見えない私の方がずっとよくものが見えている、って! それが強みだったんじゃん、見えたらダメじゃん!
で、予想通り、狛村にも檜佐木にも「見えなくなってる」って言われてね。結局背後から近づいた檜佐木に気づかず、後ろから刺されちゃったよね。この檜佐木の一撃は確実に勝敗を決めたけど、でも致命傷にはなってなくて、3人でやっと本当の意味で友情を確かめ合うことができたんだよね。ああ、よかった、これで元に戻れるねって胸をなでおろしてたら、突然、東仙が血を吐いて死んじゃうの。狛村と檜佐木の前で。愛染が処刑したんだよね、何らかの方法で。
そのときの狛村隊長の逆上する顔と声の迫力がすごかった。怒りと悲しみの混ざった迫真の演技。声優さん。もう、この場面のための配役だったんじゃないかな、って思うくらい、ドスの効いた感動の怒声でした。さすが。
一護最後の修業
とにかく愛染は圧倒的すぎ。「鏡花水月」は、相手の五感すべてを操って幻覚を見せるっていうのがもう「向かうところ敵なし」状態なのに、そもそもの霊圧が段違いに高いし、肉体的な戦闘能力も群を抜いてる。アランカルを従える必要あったの? 1人でもなんとかなっちゃったよね? って思うくらい強い。
結局だれも愛染を止めることはできなくて、架空の空座町の死神&バイザード側はほぼ全滅。愛染はギンを伴って、ホンモノの空座町に向かう。完全に闇落ちした一護は、為す術もなく、2人をぼーっと見送ってしまう。そこで、倒れていた一心が起き上がり、愛染たちを追いかけるぞ、と一護にハッパをかける。お約束どおり、完全に戦意喪失していた一護だったんだけど、ここでも「空座町を守る」って言葉に反応して前向きになったんだよね。どんだけご奉仕精神のカタマリなんだよ、って突っ込みたくなるけどね。
で、一心と一緒に空座町に行く途中で、「最後の月牙天衝」の修業をすることになる。
修業でまた、いつもの精神世界に入るんだけど、まず、何と言っても! 卍解状態の斬月がめっちゃ若くておそろしくイケメン ほう。ため息出る。さらに、ホロウのホワイトお兄さんと合体してもイケメン
そして、安定の師匠ポジション
それにしても、「最後の月牙天衝」は、1回きりの秘密兵器で、使うと死神の能力をすべて失うというシロモノらしいよ。だから、斬月は教えたくなかったんだね。だって、使ったらもう一護と会えなくなっちゃうじゃん。斬月ってば、どんだけ一護大好きなのよ。
うん、でも、今回の伝授は戦って勝てばいい、とかいう単純なものじゃなかったからね。一護が斬月の刃を受け入れる必要があったのよ。自分から刺されにいくとか、なかなかできないでしょう? 2000時間費やしただけのことはある、というか2000時間も戦う気力と体力よ。伝授のとき斬月は泣いてたね。寂しかったんだろうね。もう会えなくなるんだもんね。でも。ホントよく気づいたよ、一護。「相手の刃を受け入れる」っていう発想。すごい。肉体だけでなく、メンタルの成長スピードもマジでエグい。
藍染との最終決戦
で。
「最後の月牙天衝」を身につけて現れた一護がかっこよすぎた
微動だにしない堂々たる態度。そして何より、おそろしく鋭くなった目! 目ヂカラがもうハンパない。ザコなら目だけで殺せるレベル。そして「最後の月牙天衝」を発動したら、服装もよりシンプルになってますます強そう。かっこいい。このくらい髪が長いほうが好きだなぁ。
一方の愛染は、それはそれはよく喋る。まあ、もともと「解説」担当なので、その時の状況とか背景なんかをセリフで長々説明する人だったけど、それがもう、だんだん一護に対してマウントとりにいってるとしか思えなくなってくる。しかも、どんどん進化して形態も変わっていくんだけど、どんどんキモくなっていって、「ああ、そろそろ終わりか。一護、勝てるな」というのがわかる。キモくなって饒舌になると退場の合図だからね。先が予想できるので、視聴者としては、精神安定上たいへんヨロシイ。
あと、霊圧を感じる/感じないのエピソードがよかった。愛染が最初に形態を変えたときの霊圧について、夜一や一心が、それまで感じられた愛染の霊圧が全く感じられなくなったことに気づく。愛染の霊圧が上がって、圧倒的な霊圧の差が生じたことで、逆に霊圧を感じられなくなってしまったんだよね。で、愛染と同じレベルの霊圧の人なら彼の霊圧を感じられるんじゃないか、って話になったのよ。その後、愛染とギンが本物の空座町に向かったのを一護が呆然と見送るシーン。一心が一護に2人を追おうというと、「あんなオソロシイ量の霊圧のやつに勝てるはずない」って言うの。それを聞いた一心が、はっとして聞くのよ。「お前はあいつの霊圧がわかるのか?」って。つまり、夜一や一心は愛染と格が違いすぎて霊圧を感じることすらできないけど、霊圧を感じられる一護は、自分たちと違って、愛染と同じレベルにいるってこと! ナイス設定、作者さん!
で、この話には続きがあって、「最後の月牙天衝」を発現した一護を見て、愛染が気づくの。「今まであいつから感じられていた霊圧が、今は全く感じられない」と。「もしかして、あいつの霊圧のほうが、自分より上なのでは……?」と。そうなんですよー、ここで、一護の勝利はほぼ確定ですね。でも、そのあとも、愛染さまったら持ち前の饒舌さで語り続けるんだけどね、負け惜しみというか、現実否定というか。もう、光あふれたころの残虐で美しい愛染さまはどこにもいなくなっちゃった。絶対的存在だった愛染さまの最後があんまり美しくなかったのが残念だったなぁ。っていうか、それが作者の狙いなんでしょうけどね。
愛染側で、散り際が美しかったのは、ウルキオラとギンだけだったね。
一護の最後の攻撃
とうとう「最後の月牙天衝」を使った一護。この技は、1回しかできないヤツだから、これで効かなかったら一巻の終わり……というところ。あたし、ハラハラしながら愛染の様子を見守ってたんだけど、な、なんと、技を受けた愛染さま、立ち上がりましたよ。ががーん。一方の一護は力を使い果たしてがっくり膝をついてる。マジで?
もう、絶体絶命じゃん!!!!ってところで、突然愛染の体からピンク色の光が!
そして横から現れたのは喜助さん。
なんと! 先程戦っていたときに「九十六京火架封滅」を別の鬼道と一緒に打ち込んでおいたんだって 相変わらずオイシイとこ持ってくよね、全く
一護の攻撃で愛染の力が弱まったから、喜助さんの鬼道が発動したってことらしいけど。一連の騒動のもとである宝玉を作ったのも喜助さんだし、最後、愛染を封じたのも喜助さんかよ、と。
ま、とにかく愛染さまは見事封印され、中央四十六室に裁かれてました。宝玉と一体化した愛染を死刑にはできないらしく、1万8800年の投獄刑に処されてました。死なないんだね。また出てくるんですかね。
無事愛染を封じることはできたんだけど、結構ショッキングな事実も判明したんだよね。実は一護がルキアの死神の力をもらったところから、すべての出来事が愛染の監視下にあって、彼の手の上で転がされてたということらしい。一護にしてみたら、絶望的すぎる。自分が必死で切り拓いてきたものが、全部予定されていたものだったとしたら……アイデンティティの危機だよねぇ。一護。勝ったとはいえ、死神の力を失い、アイデンティティも危機的状況で、なんか、えらくつらい勝利だったわ。
でもまあ、なんとか「アランカル篇」無事終了。
そして、この消化不良な感じが、うまいこと次の「死神代行消失篇」へと、いざなってくれるわけね
気を取り直して、次! 行きます!
