感想:リフレ派は増税を肯定し、財政出動を否定しているという事実を認めない人々 | ポルシェ万次郎の政経備忘録

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 拙著『アイドル新党なでしこ!』に関する情報発信ほか、他所ブログでのコメント投稿等々を保存した政経ブログ(備忘録)。ポルシェ万次郎(遠藤万次郎)が運営しています。

3. 彼らは「リフレ派」を改め、「詭弁派経済学」を名乗るのがいいだろう。

>弱気な発言はできるはずがない。藤井参与とは影響力が違うのです。

>山本博一(ひろ) 2015-12-16 05:50:11

リフレ派はレジェンドもヤング(市井派)も、「偽薬効果で市場を騙し、国民のデフレマインドが好転するのに期待しよう。過去にマネタリーベースと物価が相関していなかったとしても、それ自体は別に関係ない。日銀がコミットメントし続けることこそが大事なのだ」みたいな認識ですからね。

それにしても山本氏、三橋氏や藤井氏の主張丸パクリの処女作を出させてもらっていながら、現在の態度は人格を疑うレベルだと思います。

>自身の知的整合性に矛盾が発生したとき、それを誤謬や嘘、盲目で取り繕うか、
>そもそも自身の議論そのものを点検して変換するか……
>どちらが正しい態度なのかを、より深く見つめなおすべきである。



ヤングリフレ派(市井リフレ派)のリーダー格である上念司氏の主張を筆頭とし、人間関係でも繋がれた盲目的信者である経済ブロガーらがそれに追随するという構造、これが既に出来上がっているわけですね。論敵への批判を含め、上念氏が気に入る主張を展開すれば彼のTWやFBで紹介、拡散してもらえるわけで、下々の者がこのスパイラルから自主的な脱却を果たすことは難しいのかもしれません。いずれにせよ、迷惑な話だと思います。

ポルシェ万次郎 2015-12-21 15:53:14



1. いつも秀逸な記事をありがとうございます。

>市井リフレ派

私など、彼らのことを便宜上「ヤングリフレ派」(田中秀臣氏は若くないが)と呼称しています。「日銀によるコミットメント自体が大事(偽薬効果)」ほか、リップサービス的な財出容認論が特徴でしょうか。

原田泰「小泉政権下の金融緩和と緊縮財政の組み合わせという政策が成功したことを再認識すべきだ。(中略)財政政策の効果は小さい。金融政策だけで景気刺激効果があるのだから、財政政策を発動しなければ、財政状況は必ず改善する」(2014-04-02)

竹中平蔵「機動的という言葉には二つの意味があって、短期的には財政出動、中長期的には財政再建という意味が入っているんですよ。第二の矢とは、そういうことなんです」(2014-05-10)

浜田宏一「日本の財政はいいとは思えないので、消費税を上げても大丈夫であれば上げた方がよい。反対ではない。なぜならば、法人税をこのままにしておくことは、日本経済にとって基本的にマイナスになると考えているためだ」(2014-05-12)

上記のように、官邸が浜田や原田や岩田ら「レジェンド」に支配されている以上、安倍政権は最後まで誤りを認められないまま、反緊縮財政への方針転換を決断できないまま、今後も需要(名目GDP)の縮小に合わせて供給(潜在GDP)を毀損して行く運命なのでしょう。

ポルシェ万次郎 2015-12-18 15:42:01



3. Re:Re:いつも秀逸な記事をありがとうございます。

>望月夜さん

>原田や竹中がそのような考えであろうことは知っていたが、
>そこまで具体的に発言していたことは知らなかった。参考になる。

岩田規久男「(成長率は)実質1%ぐらいがせいぜい。政府が目指す2%に上げるのは成長戦略の役目だ。金融政策にないものねだりをしてもらっては困る」(2014-05-26)

同時期、上記のような発言もありましたね。

>これが明らかになった以降も彼らは同じ主張を維持しているかどうか、
>ポルシェさんはご存知だろうか?

彼らの変節の有無までは分かりませんが、私も例の山本博一氏とはコメント欄で議論をし、その後、通告なく書き込みを禁止された経緯があります。そのときに調べた原田泰氏の発言(Voice 2014年6月号)に、山本氏(以下ひろ)が変節する前の発言を織り交ぜた「仮想討論」を、下記に転載させていただきます。

原田「1980年代以降のデータを虚心に見ても、財政政策の効果が小さくなっているのは明らかであり、金融政策だけでも、景気は刺激されるとわかった」(2014-05-10)

ひろ「もし、第二の矢である『機動的な財政出動』がなかった場合、金融機関に積み重なった大量のお金は行き場を失い、原油や穀物などの先物市場、もしくは株式、不動産投機に流れ、資産バブルが発生します。最悪の場合、不況下でのインフレ、つまりスタグフレーションになります。また、低金利の円で資金調達し海外に投資する円キャリートレードが復活する可能性もあります。これを防ぐためにも、政府による財政出動が不可欠です」(2013-07-25)

原田「公共事業は1987年にはGDPを引き上げたと見えないこともないが、その後、伸びが停滞しているにもかかわらずGDPは伸びている。さらに、91年後半から公共事業が増加しているにもかかわらずGDPは増加していない」(2014-05-10)

ポルシェ万次郎 2015-12-19 16:12:27



4. Re:Re:いつも秀逸な記事をありがとうございます。

>望月夜さん

ひろ「実際に物価が下がり始めたのは98年からですが、その前の91年から96年までの5年間は、政府が公共事業を拡大していた時期なのです。政府が公共事業を拡大していた間、物価は上昇し続けたのに、公共事業の削減を始めた97年ごろをピークに、物価は下落に転じたのです。つまり、91年から96年までの公共事業拡大は、バブル崩壊後の日本のデフレ化を防いでいたのです。(中略)経済評論家の中には、財政出動の中でも公共事業は需要創出効果が少ないと言う人がいます。しかし、そのようなことはありません。公共事業の裾野は意外に広いのです。(中略)その人たちが、作業中に弁当を買ったり、夜、仲間と居酒屋で飲んだり、工事現場への通勤用に車を買ったり、自宅の家電製品を買い替えたりと、お金を使って消費を増やせば、公共事業とは関係ない分野にも次々と需要が創出されていきます」(2013-07-25)

原田「マクロ計量モデルによる近年の結果では、1兆円の公共事業をするとほぼ1兆円のGDPが増えるという結果になる。GDPとは民間と政府のすべての支出を足したものだから、政府支出を増やせばそのぶんだけGDPが増えるという結果である。公共事業の額の何倍GDPが増えるかという数字を乗数というが、これは乗数が1ということである。乗数というほどの効果はないことになる。さらに、これは公共事業を拡大するとともに金融政策も発動した結果であり、金融政策を発動しない場合には乗数は1以下になってしまう」(2014-05-10)

ひろ「公共事業の『乗数効果』と『施設効果』を混同しているのではないかと思われます。(中略)仮に消費性向を0.5とすると、乗数効果は2になります。これは投資した金額に対してGDPが2倍増えるということになるのですが、国土強靭化基本法に基づき年20兆円の公共投資を拡大すると最終的に40兆円の経済効果(GDP押し上げ効果)があるということです。(中略)極端な話ですが、穴を掘って埋めるだけでも経済効果はあります」(2013-07-25)

ひろ「乗数の計算は非常に複雑で難しい。よって様々なモデルで差が出てきてしまいます。自分では検証不可能ですので、何とも言えません」(2014-05-15)

べて「ここは第三者の方が適切だと思うので、横から失礼しますね。ひろさんには、何ら矛盾がありませんよ」(2014-05-15)

読者「……」(2014-05-16)

ポルシェ万次郎 2015-12-19 16:13:04



5. Re:Re:いつも秀逸な記事をありがとうございます。

>望月夜さん

感想:空論の経済学|ポルシェ万次郎の政経備忘録
http://ameblo.jp/p-manjiro/entry-12077904181.html

上記は他所への投稿の備忘録ですが、山本氏の少し前のエントリー「金融政策の重要性|ひろのひとりごと」(http://ameblo.jp/hirohitorigoto/entry-12077237105.html)に批判を加えた内容となります。下記と併せ、「詐欺のリフレ派」と対峙する際にお役立ていただければ幸いです。

原田「財政・金融両面から景気を刺激しようとするからいけないのであって、財政は何もせず、金融だけで景気を刺激すれば良い。(中略)それでも6割は金融政策が支えていたということは可能で、かつ、公的支出によって、他の需要項目が抑えられてしまっていた可能性がある。(中略)1990年代以降、政府支出の増大で景気刺激策を行ってきたときには、金融緩和をしていなかったので、政府支出の効果はほとんどなかった。(中略)公共事業を抑えておけば円安がさらに進んでもっと輸出が伸びていたはずである。(中略)不要不急の工事をすれば単価が上がって、他の必要な建設工事の妨げになる。第2の矢の財政拡大政策は再考すべきである。(中略)小泉政権下の金融緩和と緊縮財政の組み合わせという政策が成功したことを再認識すべきだ。(中略)財政政策の効果は小さい。金融政策だけで景気刺激効果があるのだから、財政政策を発動しなければ、財政状況は必ず改善する」

公共事業が持つ景気抑制効果 第2の矢の再考を 原田泰 WEDGE Infinity(2014-04-02)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3650

ポルシェ万次郎 2015-12-19 16:22:24




●超漫画批評 Vol.005:「星里もちる/ちゃんと描いてますからっ!」

初期の頃の作品『リビングゲーム』をビッグコミックスピリッツで読み始めて以降、この作者の作品には全て目を通していますが、これが一番面白かったということで紹介させていただきます。

知られていそうであまり知られていない漫画家の生態をベースに描きつつ、家族ドラマという普遍的な題材でもあるため、何でこれがドラマやアニメにならないのかと、連載中の頃より私はずっと不思議に感じていたくらいです。萌えやエロ以外の漫画のヒロインにも、もう少しスポットライトが当たればいいのになと思います。




●超小室批評 Vol.008:「TM NETWORK/DREAM'S OF CHRISTMAS」

1991年にリリースされたシングル「WILD HEAVEN」のB面の曲で、タイトルの通り、クリスマスソングとなります。どうせならみんなが知っているだろう曲を紹介しようと思ったのですが、時期がクリスマス前の今とドンピシャだったので合わせてみました。作曲は木根尚登との共作になります。2003年にはm-floのVERBALとのコラボで、KCO(KEIKO)がカバーしていますね。

この曲のレコーディングの際、ボーカルの宇都宮隆が風邪か何かでフルコーラス録るのが困難となり、急遽、小室と木根、サポートメンバーだった葛城哲哉がボーカル参加した経緯があるようです。普段のコーラスはもちろん、この曲で1番のBメロを歌う小室の粘っこいボーカルが私は好きでして、彼のソロ名義である「OPERA NIGHT」、「I WANT YOU BACK」と共に、曲との相性が良かったのだろうと思っています。

一方、Yoshikiとのユニット・V2名義の「背徳の瞳~eyes of venus~」については相性が悪く、構想にもあったTHE ALFEEの高見沢俊彦だとか、ほかのゲストボーカルだとか、どうにか小室以外の別なボーカルを用意できなかったのだろうかと、曲のクオリティが高かっただけにそこが惜しまれます。




私も上記の言論ポータルサイトに参加し、政経漫画「アイドル新党なでしこ!」を隔週で寄稿しています。