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大分アントロポゾフィー研究会

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“・・・近代以降は、私たちがアーリマン的な衝動と呼んでいるものがますます強大になっています。このアーリマン的な衝動はすぐ先の未来において、そしてそれよりもさらに先の未来において、一層強大なものになることでしょう。・・・ここ数年来の混乱を観察してみると、「人間は特にアーリマン的な力によって、このような混乱の中に引きずり込まれた」ということが分かるのです。

紀元前三千年紀の初めにルシファーは受肉したのと同じように、またゴルゴタの秘儀の時代にキリストが受肉したのと同じように、私たちが地上に存在したしばらくのちの西暦三千年紀に、アーリマン存在は西洋に受肉することになるでしょう。人間の進化の過程においては、一方の極にルシファーの受肉があり、中央にキリストの受肉があり、もう一方の極にアーリマンの受肉が位置しています。この点を把握することで、私たちはほぼ六千年紀の間に、人類が歴史上の進化を遂げる過程を正しく理解することができるのです。ルシファーとは、人間の中にあらゆる熱狂的な力や、あらゆる誤った神秘主義的な力を呼び起こす能力を備えた存在です。ルシファーが呼び起こすものはすべて、人間に自分自身の限界を超えて上昇させようとし、人間に我を忘れさせるために、いわば生理的に人間の血液を混乱させようとします。一方アーリマンの力は人間を無味乾燥で、散文的で、俗物的な存在にします。アーリマン存在は人間を頑なにし、唯物論という迷信へと導きます。そして人間存在の本質は、ルシファー的な力とアーリマン的な力の間で均衡を保つための努力をするところにあるのです。このような均衡を作り出すことができるように、現代の人間に力を貸してくれるのがキリスト衝動です。ですから、人間の中には常にルシファーとアーリマンという二つの極が存在しています。しかし歴史的に見てみると、紀元前から西暦紀元初めの数世紀に到るまでの発展の流れの中ではルシファー的なものが優勢であったことが、またこれに対してアーリマンは15世紀の半ば以降ますます強大なものとなり、招来西洋において地上で生きる人間の中に現実に受肉することが分かるのです。

このような事柄の特徴は、それが長い時間をかけて準備される、という点にあります。・・・ここで重要なのはただ、「アーリマンが出現するとき、地上の人間はどのような状態にあるか」という点だけなのです。つまりアーリマンがあらかじめ行っておいた準備のために、人類は ー 現在人類は自分たちのことを文明人と呼んでいるわけですが - いとも簡単にアーリマンの信奉者になってしまうのか、それともアーリマンが受肉するとき、人類はアーリマンに抵抗することができるのか、という点だけが重要なのです。現在このような事柄に関して幻影を付け加えても、何の役にも立ちません。現代の人間は真実を避けようとする傾向にあります。このような人々に真実をありのままに伝えようとするのは不可能です。なぜならば、このような人々は真実をあざ笑い、嘲笑し、馬鹿にするからです。・・・人々がこのような事柄を受け容れようとしないということこそ、アーリマン的な力が利用する手段なのです。この力は、アーリマンが人間の姿をとって現れたときに、可能な限り多くの信奉者を地上に集めることを目指しています。人々は、このような重大な真実を無視することによって、アーリマンの受肉を成功させるための最良の手段を提供しているのです。アーリマンによって人類の進化の中に引き起こされるものに対して正しい立場を取るためには、いっさいの偏見を捨ててアーリマンが作用する際に用いる力に精通する以外に手はありません。・・・”(ルドルフ・シュタイナー『悪の秘儀 アーリマンとルシファー』松浦賢訳 イザラ書房 p. 106~109)

 

“アーリマンが利用する手段の一つは、「『特に近代以降支配的なものになった、ある種の思考方法、表象方法が人間にとってどのような意味を持つか』という点を人々に見破られないようにすること」にほかなりません。・・・正しい教育を受けた一人の古代エジプト人を思い浮かべてみてください。この人間は、自分の肉体が単にこの地上に現れている要素の ー これらの要素は動物界、植物界、鉱物界で形をとって現れているわけですが ー 組み合わせだけでできているわけではない、ということを知っていました。この人間は、高みにある星の中に存在する諸力が、人間としての自分自身の本質の中に入り込んで作用することを知っていました。この人間は自分自身を全宇宙の一部分と感じました。この人間は宇宙全体が単に生きているだけではなく、魂を吹き込まれ、霊によって貫かれているのを感じました。そして、この人間の意識の中には、宇宙の霊的な実体や、宇宙の魂的なものや、宇宙の生命の一部が生きていました。こうしたものはすべて、近代以降の人類の歴史が経過するとともに失われてしまいました。現在、人間は地上から星の世界を眺めます。星の世界は恒星、太陽、惑星などに満ちています。しかし人間は、宇宙空間から自分たちを見下ろしているすべてのものを、何を用いて追っていくのでしょうか。人間はそれを数学を用いて追っていくのです。数学以外では、せいぜい力学を付け加える程度です。地球を取り巻く星の世界は霊を抜き取られ、魂を抜き取られ、さらには生命さえも抜き取られています。地球を取り巻くものは、基本的には大いなる機械のようなものであり、それは数学的かつ力学的な法則をの助けを借りることによってのみ理解可能となるのです。・・・”(ルドルフ・シュタイナー『悪の秘儀 アーリマンとルシファー』松浦賢訳 イザラ書房 p. 110,111)