人間にとって、例えば幼い日の思い出は、特別な価値をもつと言わねばならない。
そこには、その人間の意志が輝いている。そして、その時、彼は一人ではない。彼にとっての「あなた/Du」がそばにいる。
その「あなた/Du」は、「お母さん」や「お父さん」かもしれない。彼の家族の他のメンバーかもしれない。
人は、そのようないわゆる「あなた/Du」体験を、その人生行路において、多分複数回経験するのだ。
そのような体験においては、「あなた/Du」としての他者に対峙することによって、彼の自我/意志が際立つことになる。
そのような「我 ‐ 汝」体験としての”思い出”に、彼のカルマの相貌が垣間見えることに気づく。