自閉症児と図書館利用 | 慶大通教課程(73期秋学士入学)での学びとその後

慶大通教課程(73期秋学士入学)での学びとその後

文学部I類(2019.10-2022.3)で学士(図書館・情報学)を取得。その後の学びの記録と育児を中心に書いてみたい。他の取得学位は学士(文学/玉川大)、学士(教養/放送大)、学士(福祉経営学/日福大)、あと学士4つ、修士2つ。

国立国会図書館のオンラインジャーナル『カレントアウェアネス-E』で、米国で公開されたという「自閉症児と家族に奉仕する公共図書館のためのツールキット」が紹介されていた。

 

 

文中にある「その特徴としては、感覚の過敏さや鈍さ、特徴的な行動等が挙げられる。それが理由で、静かに過ごすことを暗黙裏に期待される図書館では、他の利用者や図書館員から注意されることもあり、自閉症の子どもや家族にとって利用の際の心理的障壁になっている場合がある」というのは、私も身に覚えがある。

 

自閉症児・者の特徴的な行動の一つに、独り言を言うことが挙げられる。

これがなかなか、静寂を求められる図書館とは相性が悪い。

休日はなるべく自閉症の次男と行動を共にしているので、図書館へ行くときには随分気を遣ったし、今も気を遣う。

 

もちろん、静寂を求めて図書館に来る利用者は多いので、それを邪魔しないように努めるのは当然だが、慶大通教課程にいると図書館の利用は必須だし、なにより、自閉症児の次男にも図書館の重要性、必要性を伝えたい。

そこで「独り言は声を出さずに言え!クチだけ動かして言え!」と言い聞かせつつ連れていき、興味のありそうな本を見せている。

 

それでも長いこと、滞在は極力短時間にしていたのだが、中学に入ったくらいからか漸く、独り言をそれなりの小声で言うワザが身についてきたようだ。

 

知的障碍児を育てていると、成長がゆっくりすぎて腹が立つことは正直多い。でも昔を振り返ると、ゆっくりでも成長はしているのがわかる気がする。