興味深いブログ記事を読んだ。
バッティングセンター通いしておられるブロガーのナカニシさんが書かれた、行きつけのセンターでフランス人の男の子に話しかけられた時のことである。
男の子は「change」と言っていたらしいのだが、それが「チーズ」としか聞こえなかった、という出来事が書かれている。
その場に居なかった私には真相はわからないが、推測するに、「チーズ」としか聞こえなかった原因は、男の子の英語がフランス語訛りだったためではないかと思われる。子音の「ch」は英語風に発音できたが、母音の「an」が英語風に直しきれなかったのでは?「an」はフランス語風に発音すると、「オン」みたいになるのだが、それをがんばって「エイ」に寄せたので「チェジュ」に近くなった、ということは考えられる。もしそうなら、日本語話者に「チーズ」と聞こえても何ら不自然ではない。
私のフランス語力はギリギリ3級に受かる程度だが、その程度でもフランス語を学んで良かったことの一つに、フランス語訛りの英語を聞き取れたことがある。もちろん、フランス人でも英米人同様に話す方もあるが、仕事でお世話になったあるフランス人の方の発音には、「h」を発音しないとか、「en」「em」を「オン」みたいに発音するとかいった、フランス語風の特徴があった。また、「identification」の冒頭の「i」を「アイ」ではなく「イ」と発音する、といったように二重母音が単母音になることもあった。
日本語話者の英語は日本語訛りになる。私も話すのは得意ではなく、発音の問題に加えて、三単現の「s」が抜ける、定冠詞の「ザ」と「ジ」の使い分けがおかしくなる、といった文法的問題が生じる。こうした訛りは、もちろん修正していきたいが、訛りを恐れて話をしないよりは、機会があれば積極的に話していったほうがよいと思っている。訛っているのは日本人だけではないのだ。