ひきつづき、南オーストラリア州ですが、今日は人気赤丸急上昇中のマクラーレンベールです!ここにはボクのお気に入りのワイナリーがたくさんあります。客ズレしてないというか、素朴で親切、陽気なオージーにふれあう機会がたっぷりです、それでは行ってみましょう!

 

■新鮮なオリーブ、アーモンド、ラベンダー、大小50を越えるワイナリーも見逃せない!

  

アデレイドから車で南へ1-2時間、Fleurieu Peninsula(フリューリュー半島)の付け根、セント・ヴィンセント湾から僅か10km内陸に入ったところに位置するマクラーレン・ベールは、バロッサバレーをも凌ぐ勢いで成長しているワインカントリーです。アデレイドから町に入ると、まず、インフォメーションセンターがあり、地元のワインの殆どがここに展示されています。小さなブティックワイナリーでは、そこでしか手に入らない人気のワインが数多くありますそれらが売り切れてしまう前にオーダーしようと、翌年のヴィンテージの予約を入れる熱心なワインフリークも大勢訪れます。Tatachilla, Fox Creek, Chapel Hill, d’Arenberg, Pirramimma, Kangarilla Road, Ingoldby,そしてWoodStock…ボクの個人的なお気に入りはどうでもよいのですが、このエリアのワインったら、ほんとハズレを探すほうが難しいと思います。 

 

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■100%PURE、からだに優しいエキストラ バージン オリーブオイルはぜんぜん違う!

 

マクラーレンベールの牧歌的風景を個性づけているのは、葡萄畑ばかりではありません。ここは温暖な気候なので、ワインのほか、アーモンド、オリーブ、ラベンダーなどの栽培も盛んです。いろいろな作物が育てられているので、季節感が際立ち、海から近いこともあり、芸術家がこのあたりに好んで暮らすようになっています。地元のアーティストたちのギャラリーやショップを見て回るのもよいでしょう。話は前後しますが、ここで特筆すべきは、誰がなんといっても、オリーブオイルなのです。中でもCORIOLE VINEYARDSのエキストラバージンオリーブオイル絶品のお宝モノ。通常オリーブオイルの製法は、オリーブの実を収穫してから一旦乾燥させ、それからオイルを絞りだすそうです(そのほうが効率よくオイルが絞りとれる)が、ここではそうはせず、収穫後1-2日以内の新鮮なうちに遠心分離機にかけて抽出しているのだそうです。厳選されたオリーブを贅沢に使い、フレッシュな香りを閉じ込めるための工夫やこだわりが、1本1本の壜に詰められているのです。このエキストラバージンオリーブオイルにデュカ(Dukkah: ローストしたアーモンドやナッツとクミン、コリアンダーなど数種類のスパイスが入ったやつ)を混ぜて、ターキッシュブレッドをドップリ浸して食べるのが、やたらとワインによく合うんですよ!ほらほら、もうヨダレが・・・

 

(つづく)

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■南オーストラリア州を代表するワインの産地、バロッサバレー

アデレイドから車で北へ約1時間、バロッサバレーには大小60軒以上ものワイナリーがあります。19世紀中頃、ドイツから宗教の自由を求めてこの地へやってきた移民たちが葡萄畑を拓いたのがはじまりです。ワイン産業の発展とともに、現在ではレストラン、ブティック、アンティークショップ、B&Bやホテルにいたるまで、観光関連施設が整備され、カンガルー島と並んで海外からのツーリストに人気の高いスポットとなっています。ここには大手ワインメーカーだけではなく、こだわりや、感謝の気持ちを大切に持ちつづけている家族経営のブティックワイナリーがいくつもあり、ワインの味わいにも増して、地元の人々とのふれあいがまた格別です。

■バロッサバレーでB & Bに宿泊する

B & B(ベッドアンドブレックファースト)というと、文字通り朝食つきのアコモデーションのことですが、ここバロッサバレーには大型ホテルやモーテルは限られており、むしろB&Bタイプの宿泊施設が充実しています。B&Bにはホームステイ風のものから、プライバシーを重視したコテージタイプ(貸し別荘風)や高級ロッジ風のものまで、スタイルも雰囲気も多種多彩です。いずれも、客室数が少なくアットホームなサービスが特徴です。B & Bを上手に使いこなすには、まずは出発前の情報収集が大切です。南オーストラリア州のB & Bの多くをカバーしている、Bed & Breakfast and Farmstay South Australia という非営利団体があります。バロッサバレーをはじめとする主だったS.A.州内のワイナリーのB & Bの情報を手に入れることが出来ます。

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■雉のパテで一躍有名になったマギービアー

マギービアーというと、オーストラリアではかなり有名な食品ブランドです。ご主人がバロッサバレーで1973年にpheasant(雉)の養殖場をはじめました。雉ファームが軌道に乗ると、そこで生産される雉を原料とした食料品を販売するためのショップ兼レストランを経営。ここで奥さんの作る料理が大評判となり、自家製の雉のパテがマギービアーブランドを次第に確立していきます。1991年、食品製造に専念するため、多忙だった15年間に及ぶシェフの看板をおろし、現在そこにはファームショップとランチのみを提供するカフェがあります。マギービアーブランドの食品の中で、雉のパテに次いで、ボクはQUINCE(花梨)のジャムをお薦めします。クラッカーにブルーチーズ、その上に QUINCE(花梨)のジャムをうすく塗ると、ブルーチーズのにおいが苦手な人でも、あらあら不思議。でりゃーうまい!なんていって食べられるようになるんです、これホント。豪州国内のちょっとしたスーパーマーケットで手に入るので、こちらにお越しの際は是非、試してみて下さい。

(つづく)

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■恵まれた自然環境がライフエナジーの源泉

アデレイドから南東へ車でわずか30分、ロフティー山麓に広がるアデレイドヒルズという丘陵地帯は、古くから地元アデレイドの人々がピクニックや避暑に訪れるところです。一旦ワインから話はそれますが、日本にも馴染みの深い、オーストラリアのスキンケアブランドといえばジュリークでしょう。

 

豊かな自然の恵み、力強い生命力をもつ植物からつくられるジュリークの創始者であるクライン博士と園芸家のウルリケ夫人も、このあたりの純粋な水と空気、豊かな土壌の素晴らしさに魅せられて、1983年にドイツから移り住むようになりました。彼らのハーブ農園では、太古から伝わる特殊な暦にしたがい、土作りから害虫よけ、除草にいたるまで、化学薬品に一切頼らないやり方を徹底。究極の有機農法で基礎化粧品の素になる、抗酸化成分を多く含む薬草を育てています。

 

ある人の紹介でボクがここを訪れたのは2001年のことでした。ウルリケ夫人自らハーブガーデンを懇切丁寧に案内してくださり、その優しい人柄と、ピュアなスキンケアを通して世の中に価値提供していくという強い信念に、ただただ頭の下がる思いでした。

 

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■豪州ワインの神様と謳われたブライアン・クローザー氏のレストラン

そのジュリーク発祥の地、アデレイドヒルズにはボクの超お薦めレストランがあります。品質の高いワインを生産することで有名なペタルマ社のチーフワインメーカー・ブライアン・クローサー氏の率いるレストラン、ブリッジウォーターミルがそれです。

 

南オーストラリア州、クレアバレー出身のブライアン・クローザー氏は、カリフォルニアのワイン作りの技術をいち早くオーストラリアに持ち込み、オーストラリアワイン産業に革命を起した方として有名ですが、葡萄品種とテロワールの最適化や、料理とワインの相性の重要性など、早くから彼独自のビジョンを提唱し、オーストラリアワイン業界の発展に貢献してきた人物の1人です。2004年には英国の代表的ワイン雑誌「デカンター」にてマンオブ ザ イヤーを獲得。高品質ワインづくりに長年従事することにより、オーストラリアワインを国際的な水準に押しあげたこと、及びワインメーカー協会会長等の要職を通じて強いリーダーシップを発揮し、オーストラリアワイン業界の発展に貢献したことが評価されたそうです。

 

のどかな田舎町の大きな水車小屋のような風格ある建物の中は、ペタルマ、ブリッジウォーターミルのワインセラーと、自然の光をたっぷり摂りいれた、洒落たレストランになっています。レストランのチーフシェフ、レイ・トゥー・タイ氏は、今オーストラリアで最も評判のシェフの1人です。フレンチと中華を融合したモダン・オーストラリアン・キュイジーヌと、ペタルマのワインの最高のマリアージュを、中島みゆきさんの『地上の星♪』を口ずさみながら是非お楽しみください。(ちょっと違う?ま、いっか!)

 


蛇足ですが、ブリッジウォーターミルの直近3年間のコンテストの表彰は以下のとおりです。

2004 The Australian Travel & Tourism Awards, Best Food & Wine Tourism
2004 Gourmet Traveller Best Australian Restaurant Finalist
2004 SA Restaurant & Catering Best Restaurant in a winery
2003 SA Great Regional Awards Best Tourism Winery, Adelaide Hills
2002 SA Restaurant & Catering Restaurant of the year
2002 American Express Hall of Fame

(つづく)

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ボクはワイン業界の人ではないし、どちらかというと飲食関係に疎いので、専門的なことは抜きにしてこのブログのタイトル、PRICELESS ~お金じゃ買えない旅の価値、人はなぜ旅するんでしょう? なりの発想や着眼点から、ボク自身の伝えたいことを表現したいと思います。尚、オーストラリアワインの情報を知りたい方は、オーストラリアワイン事務局さん のサイトにより専門的な情報がでているので、これはかなり参考になると思います。

さて、昨日のブログでオーストラリアはワインツーリズム先進国であるということを説明しました。そこで今日から、各都市の近郊にあるワインカントリーを個別に紹介していきたいと思います。まず最初は、南オーストラリア州の州都アデレイドとその近郊のエリアからぼちぼちはじめようかとおもいます。南オーストラリア州は、全国生産高の50%、輸出向けワインの実に70%を生産している、オーストラリアワインの代表的な産地です。

 

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豊かさ便利さのほどよいバランス。21世紀型の理想都市アデレイド

 

南オーストラリア州の州都・アデレイドは、日本の真南に位置し、夏時間の時差は+1時間30分。四方を緑豊かな公園や川に囲まれた町の中心は、東西南北をテラスという名の大通りが走り、西からの海風がよく通るように、南北よりも東西の通りの方が倍以上も多くつくられています。19世紀に自由の大地を求めて欧州から移民してきた人々が築いた街並みには、今なお当時を偲ばせる、美しいコロニアル様式の建物が残ります。唐人街にはベトナム・中国・韓国・タイ・インドネシア・台湾など多くの店が軒を並べ、独特な雰囲気が楽しめます。現在の人口は105万人、オーストラリアで5番目の都市となっています。

 

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まずは、地図を見て大雑把な位置関係を把握してください。明日からは、アデレイド近郊のワインカントリー・アデレイドヒルズバロッサバレマクラーレン・ベールおまけに(なんていうと失礼ですが)、野生動物の楽園であるばかりか、知られざる健康食材の宝庫・カンガルー島について熱く語っちゃいますよ!

 

(ひっぱりすぎー!)

 

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太陽と大地の恵みいっぱいの豪州ワイン 

たっぷりと降り注ぐ太陽、ミネラルを豊富に含んだ土壌、乾燥したきれいな空気など、オーストラリアはワイン用の葡萄栽培に欠かせない自然条件に恵まれています。世界的に評価が高まり、注目されているオーストラリアワイン。イギリスでの消費量はフランス産を抜きトップになるほどの人気で、国際的なコンクールで表彰されるワインも数多く出ています。

豪州食文化

周囲をぐるりと海に囲まれたオーストラリアは、無公害、無汚染のからだに優しい新鮮な食材の宝庫です。野菜、果物、肉、魚貝類、乳製品やドライフードまで、比較的安価で安全に手に入る恵まれた環境がそこにあります。他方、白豪主義が終焉をむかえた1970年代前半以降、オーストラリアは世界中から多くの移民を受け入れ、多文化国家が形成されています。常識にとらわれない自由でおおらかな国民気質が料理にも素直に反映され、例えて言えば、西洋料理と東洋料理が融合を繰り返し変化していく、そんな食文化がすくすくと育っています。

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ワインツーリズム先進国のオーストラリア

 

オーストラリアでは、年齢や性別に関係なく料理とワインを楽しむ人が多くいて、これはもう国民的なライフスタイルとして定着しています。金曜日の午後ともなると、アルフレスコダイニングでゆっくりと料理とワインとおしゃべりを楽しむ光景を街のいたるところで見かけます。美味しいワインのあるところに美味しい料理あり、といわれますが、このライフスタイルを田舎の村にもってっちゃおう、という試みがワインツーリズムです。

1本の葡萄の苗木から村おこしに発展

 

地平線の彼方までつづく荒涼とした大地に1本の葡萄の苗木をうえたところ、都会の人々が週末のショートブレイクを楽しむ行楽地へと発展した村が数多くあります。これといった観光資源がない片田舎の村に、まずは葡萄畑とワイナリーができ、そのセラードアの付近に、ちょっとこじゃれたレストランができる。訪問客はワインを楽しむのだから、車の運転は控えたい。そこで宿泊施設が建設されてより多くの人が集まりだすと、次にブティック、ギャラリー、クラフトショップ、アンティークショップ、ゴルフコースやスパリゾート、乗馬や熱気球などのアクティビティーなどが次々と出現する。週末や連休、スクールホリデー期間には、大変な活況を呈する村が誕生するわけです。オーストラリアでは、ノーザンテリトリーを除く全州でワイン産業が行楽客の集客の牽引役となって、地域経済の活性化や雇用の創出に目覚しく貢献しいるケースが多く見られます。

 

(つづく)

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昨日の続きです。日本のワイン業界、ソムリエ、ワインアドバイザー、商社、酒販小売、飲食、出版関係の方々にいろいろ質問してわかった事実とは、オーストラリアワインを飲んだことのない人、飲んでもいないのに語っちゃう人が多すぎるということでした。業界の専門家に正しく理解されていないものが、広く一般に知られるはずないじゃありませんか。認知されていないからシェアが低い⇔シェアが低いから流通しない⇔流通してないから認知されない、といった構造不況のスパイラルがそこにあるのでした。

 

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さてさて、ではオーストラリアワインの特徴について、みなさん知ってますか?

①ドリンクヤング・・収穫の翌年には飲める、最近のボトルはコルクじゃなくスクリューキャップになっていますよね、ヴィンテージじゃない普通のテーブルワインは、ボトル詰めされ出荷されると同時に飲める(熟成する必要がない)のです。

②無加糖・・・オーストラリアの場合、原料となる葡萄の糖度がとても高いので、アルコール度数を高めるために砂糖を加えることが規則で禁止されているのです。加糖すると、中和剤やその他の薬品を加えなければならず、安定するまでに長い時間がかるそうです。

③産地を越えてブレンドが可能・・・同じ収穫年でも産地によって葡萄の出来不出来がまちまちです。オーストラリアでは、産地ごとにワインを造るのではなく、いろいろな産地のできのよい葡萄をブレンドして醸造しているので、品質が安定しているといわれます。

④醸造技術の水準が高い・・オーストラリアにはマスターオブワインを取得しているワインメーカーが多いですね、伝統とかしきたりにこだわりが少ない分、新しい技術を取り入れる意欲がより高いといわれています。

⑤ラベル表示が明確・・・必ず葡萄の品種、産地、収穫年が表示されているので、とても選びやすいのです。

日本にはイタリア料理、フランス料理、地中海料理、中華料理、エスニック料理ってのはよくあるけれど、オーストラリア料理専門店ってーのは滅多にありません。さて、その日本では今ラム肉は健康にいいだっちゃ!』ということで、ジンギスカンが流行ってるっていうじゃありませんか、この機会に便乗しちゃいましょ!『・・・いやいや、ジンギスカンにはやっぱ、ビールでしょ!』というのは冷静沈着な正論です。が、でも、しかし、日本でも手軽で美味しい豪州ワインが飲みたーい!と思っている人は少なくないはずです。・・・と思っているのは、ボクだけでしょうか?

 

(つづく)

            

オーストラリアというとコアラ、カンガルー、オペラハウス、という定番イメージがあるのですが、オーストラリアの人たちにとって、もっと身近で日々の生活に欠かせないものがあります。さて何でしょう? ヒント。赤や白いやつ。そうです正解です、答はオーストラリアワインです、よくわかりましたね!って今日のタイトル見りゃ誰でもわかるじゃん!!!

 

今日からしばらく、オーストラリアワインと身体にやさしいオーストラリア料理の魅力について語らせていただきます。ボクはソムリエでもワインアドバイザーでも、とりたて食通でもありませんから、専門的なことは抜きにしてこのブログのタイトル、PRICELESS ~お金じゃ買えない旅の価値、人はなぜ旅するんでしょう? なりの発想や着眼点から、ボク自身の伝えたいことを表現したいと思います。(前置き長いって!)

 

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さて、ここからが本題です。

 

日本に帰ると1つ不思議なことがあります。どうして日本ではオーストラリアワインの評価がその価値に対して低いのでしょう?気になってしまい、日本のワインの専門家たちにその謎について迫ったことがあります。

 

①青山の某名門ワインスクールでは、『オーストラリアワインは繊細さに欠けるし、なんかこう、アーティスティックじゃないんですよね、まあ歴史の浅いところだから、しゃーないんでしょうけどね』

②ワイン専門の酒販店店主いはく、『まあーそのー、っていうか中途半端なんだよね、いいのもあるんだろうけど、認知されてないから高いのは売れないし、安いのは南米(チリとかアルゼンチン)に押されちゃうし・・・』。

③新宿の某一流百貨店では、『ウチはおフランスにシャトー買っちゃったざんす、まずそれを売り切らないとね』

④ワインフェアーで客を寄せる有名ホテルのレストランマネージャー、『気品っていうか、優雅さに欠けるのかな、客層のカラーが違ってくるんだよ』

⑤大手食品商社の方、『(日本では)マーケットシェアが小さいし、日本向けの出荷量も充分じゃないんだよな』、、、

 

『ほうほう、いずれも無理のない話ですねえ・・・』、などとは納得いくはずなく、『お前ら、プロならちったー勉強せんかあーい!』小心者のボクにそんなことが言えるはずなく、目で訴えるのがセイイッパイだったのでした。

 

(つづく)

本多勝一さんの書かれたルポルタージュで、『カナダ=エスキモー』という本を読まれた方いらっしゃいますか?その中に、極限の地で生きるエスキモー(イヌイット)たちは、遠方からの来客をもてなすとき、自分の奥さんまで喜んで提供しちゃってた(過去完了形)、という話がでてくるのですが、(もっと高尚な表現が使われていたとおもいますが、手元に資料がないものでゴメンなさい。氷に閉ざされ、外部から隔絶された世界では、劣性遺伝を避ける上でも必要な行為だったそうですが)、ちょっと興味深いですよね。

ヌクンバティ島 のあるこのあたり一帯は、フィジー国内でも最も開発から取り残されているエリアです。海に出て魚や貝をとり、山に行けば芋が掘れるわけで、暖かいところだから着の身着のまま、とても豊かな暮らしを送っているのですが、ボクも一度、奥さんを提供されかけて、お言葉に甘えようかどうか迷った経験が・・・ないっつーの!! そんなもん。


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つい150年くらい前までは、近代文明とは無縁なライフスタイル。村にヨソモノが来る場合は、敵か味方しかないわけで、敵の場合は村を守るため命を賭けて戦い、味方の場合は家族同様にカヴァや食べ物を共有していました。てなわけで(?)要は、フィジーの離島や田舎ではグローバルスタンダードがどうこうじゃなく、昔ながらのやり方で訪問者をもてなし、それが時として期待値を上回る経験だったりするわけなのです。

フィジーに限らず、日本だってどこだって、田舎は大概そーゆーものじゃん!という方、ごもっとも。そうなのです。フィジー自体が田舎なのですが、その中にも都会と田舎があり、田舎の中の都会ほど人の期待を下回る(期待が裏切られる)ことが多いですからねー。でもヌクンバティは絶対に期待を裏切らないと思うのです。

蛇足ですが、『カナダ=エスキモー』の本は、ヌクンバティ島に残してきました。ここには3000冊を優に越える図書があり、そのうち、500冊近くが日本語の図書なんですね。読書の休日にはもってこいのフィジー、こんな離島に、日本語図書が500冊もあるとは、なんとも不思議です、驚きです、助かります。


【誰も知らない秘密の島 inフィジー、ヌクンバティ アイランドリゾート】 シリーズはこれでおしまいです。読んでだいた方、どうもありがとうございます!写真、参考文献でご協力いただいた皆様にも大感謝です。

(おしまい)

いやいや、堅い話がつづいちゃいましたねーーーー!今日はおふざけモードでいきましょか?

 

ヌクンバティには客室が7つで、最大ゲスト数は14名まで。それに対してゲストをお世話するスタッフは総勢40名。常駐のスタッフをのぞき、ナグム村、ナセア村、ニウルア村、ラヴィラヴィ村という4つの集落から毎朝、夜明けとともに島に出勤してきます。

 

なにしろ、ストーンエイジな彼らのライフスタイル。彼らの村の1つに最近やっと発電機が導入されましたが、2つの村には未だにガスや水道、道路が敷かれていません。これらの村で生まれた人の多くは、一生のうちに何度かランバサの町へいくことがあるくらいで、そもそもバヌアレブ島を出る人など滅多にいません。

 

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つまり、ヌクンバティアイランドリゾートのスタッフは、首都スバやナンディーなどの都会を見たことがありませんし、ましてや、海の向こうの世界・ホスピタリティーインダストリーだのホテル業界だの、かけらも知らないのです。ナンディーや世界各地の有名リゾートエリアにある、5つ星クラスのホテルのサービスが何なのか、一流と呼ばれるサービススタンダードなどに触れる機会がありません。

 

ところがです!ホテル業界の方やホテルジャンキーからの誤解を恐れずに書いちゃうと、彼らのサービスは、アウトスタンディングな激・感動モノ超一流と謳われる名門ホテルなんかを、遙かに超えていちゃったりするのです。『ヌクンバティに滞在すると、他所が物足りないってーか足許にも及ばない、もー鼻くそじゃん、などと言う人がよくいます。

 

そんなヌクンバティ島で、インターネットを駆使して世界中のハイソなゲストたちと日々メールやチャットしてる受付嬢も、家に帰ればストーンエイジな生活に戻るわけで、それって、1日のうちに数千年の時差ないかぃなどと余計な気を回してしまうボクでした。

(つづく)

ヌクンバティ島のビーチはまるで湖のように静かで穏やかです。なぜかというと、沖合いのグレートシーリーフが波やうねりをかき消してくれるためです。(リーフエッジではシークレットサーフスポットが幾つもあるのですが。)そのグレートシーリーフが生命に満ち溢れた豊かな海であることを、マングローブとの関係で以前にご説明しました が、今日はその続きを少々書きたいと思います。

対岸のバヌアレブ島には標高1000m級の山々が連なる豊かな森が広がり、そこに降る雨水は豊富なミネラルを含んだ火山性土壌で濾過され、川になり、海にそそぎ、マングローブ林や珊瑚礁を形成します。植物・動物性プランクトンがその栄養分で育てられ、それを小魚が食べて成魚となって行くのです。つまり、森と海が密接につながっている、素顔の地球のメカニズムを理解するための、とてもシンプルなショーケースがヌクンバティなのです。

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で、くどいようですが、ヌクンバティアイランドリゾート のサステイナブル(持続可能)な工夫について、もう少し掘り下げて考えてみました。

バヌアレブ島の北岸は開発から最も取り残されたエリアです。リゾートのダイニングに並ぶ食材のうち、野菜、フルーツやハーブの多くは有機農法の自家菜園で育てられています。また、このリゾートの沖合いに浮かぶ、K島の漁民が昔ながらの漁法でとった魚、貝、エビやカニなどの新鮮なシーフードがゲストの胃袋を満たします。

さて、K島の漁民は水揚げと引き換えにCASHを得て、漁村の維持に必要な物資を買います。漁獲高が多いときやゲストの数が少ないとき、つまり、食材があまったときには、ヌクンバティ島のスタッフがそれらを引き取り、それぞれの村に持ち帰るのだそうです。つまり、ヌクンバティはこのあたりの漁村や農村の交易場、さらには郵便局、貨物の集配所、コンビニの機能を果たし、干ばつの際には飲料水の給水施設となるのです。

 

リゾート施設の随所に見られるマヒマヒというフィジーの伝統建築様式や、ハネムーンブレに併設された藁葺き屋根、付近の村の子供たちが披露してくれるメケ、バナナの葉で肉や魚を包んで砂に埋めて蒸し焼きにするロボ料理なども、ゲストに喜んでもらうと同時に、地元の人々が先祖伝来の文化を継承するために大変重要な意味をもっているのだそうです。ほったらかしにしておけば、固有の自然や文化なんかどんどん色褪せて劣化しちゃいますからね。

 

ヌクンバティの最大の魅力は、そういったバランスをきちんとわきまえて、ゲストを魅きつける核心の部分を大切に守り抜き、そしてゲストには、けっして我慢を押し付けないマネージメントですね。この島にちょっとずつ何かを持ち寄る、地元の村人や自然の恩恵に心の底から謝謝です。

参考文献: 『地球元気村2004年秋号Vol.34』フィジーエコ旅報告(森と海はつながっている)