戦前 国産腕時計 別名『オペラ』クロノメーター表記 | ぽつんとのブログ

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60才を過ぎても "おじいちゃん" に見られない為の「筋トレ」+「食べるダイエット」を継続しながら、「時計三昧」の日々を楽しんでます。

尚工舎(シチズン)のハウスブランド『OPERA(オペラ)』 は、1918(大正7年)から懐中時計を生産していますが、腕時計は1931年(昭和6年)から生産に入り、 1934年(昭和10年)頃にはシチズンが初めて手がけた女性用腕時計(二針+小秒針タイプ)はその後、ハウスブランドの「OPERA」「ERIAN」「NEWTON」「LUCKY」の『別名』も販売されてます。
同時期は輸出品としてもかなりの量が出荷されましたが、日中戦争が激しくなるにつれて輸出への道が断たれて生産も終了しました。
 その後は購入者を欺く為のネームが仇となり、スイス製の不明と間違いられたりして、多くの別名は処分されてしまったようです😆

又、セイコー(精工舎)はムーブメントの仕上げや細部が比較的統一されているのに対し、シチズンはバリエーションが豊富です。(当時の生産体制は複雑でかなり苦労していたと思われます) その中でシチズンF-戦前型のハウスブランドとして販売されたのが『OPERA(オペラ)』になります。
現在、手元の『OPERA(オペラ)』で確認出来るのは、8型の7石、10石ですが、今回は最高石を搭載している8型10石のchronometer(クロノメーター表記)『OPERA(オペラ)』を紹介します。


文字盤は瀬戸引き(ホーロー)インデックスが全アラビア数字になっており、汚れや傷付き強いのですが、ちょっとした衝撃でヒビ割れをする欠点もあります😅


裏蓋のスナップフィット式は防塵性に優れてますが、防水性に関しては劣ります。
又、プラスチックドーム風防もはめ込み式で、雨の日に使用すると隙間から水が入ります😱


裏蓋には、STAINLESS STEELとSTAR(シチズンマーク)の刻印が入ってます。

メーカー:尚工舎(現シチズン)
商品名:OPERA(オペラ)

クロノメーター表記
年式:1930年代製
ムーブメント:手動巻、8型、10石
文字盤:ホーロー(陶製)
インデックス:全アラビア数字
長短針:ブレゲ針

ケース形状:トノー型(樽型)
ケース材質:
STAINLESS STEEL

(ステンレス スチール)
裏蓋形状:スナップフィット式
ラグ幅:16mm

ケースサイズ:縦32.5mm、横26mm、厚み9mm


 当時、同じハウスブランドとして生産されていた『ERIAN(エリアン)』に比べると、今回の10石ムーブメントの方がワンランク上に感じます。


当時のトノー型ケースは構造的に密封性が劣っており、状態の良い実働品は少ないようです😆


当時の『別名』をムーブメント(受け)に刻印しているのは、尚工舎(シチズン)が多く、オリジナルの見極めに役立ってます😃

≪メーカー発表≫ 
F-戦前型(10石) 駆動機械式(手巻)5ビート、ステンレス スチールケース 精度:日差±2分 発売時の価格は6円15銭~7円90銭(当時の卸価格)

時代が古過ぎて、ピントこないかも知れませんが、当時の物価から見ても腕時計は一生物の高級品でした。

【参考資料】

尚工舎(大日本時計会社)

別名一覧表

CITIZEN(シチズン)6~10型、7~15石

OPERA(オペラ)F-戦前型、スモセコ8型、7、10石、クロノメーター表記

CLOVER PRECISION(クローバープレシジョン)F-戦後Ⅱ型、スモセコ10型、16石)

ERIAN(エリアン)Fー戦前型、スモセコ8型、7石

CITIZEN CUT-BALANCE(シチズンカットバランス)

NEWTON(ニュートン)

PEONY(ピオニー)

PRECISION NEW STAR(プレシジョン ニュースター)7石
GOLDSTAR(ゴールドスター)F-戦後型、8型、10型、7、15石

EXTRA PULIMA(エクストラプリマ)8型

CORTEL(コルテル)F-戦後、8、10型7,16石(CHRONOMETER表記はスイス製のようです)

PRECISION Happy(プレシジョンハッピー)スモセコ8型?、15石

SIREN(サイレン)F-戦後、8型、7石、CHRONOMETER表記