『盲目社会に対するは、獣勇なかるべからず』
先の見えぬ世だからこそ、獣の勇気を持て…の意味があります。
『社会』…と付いているのが福沢諭吉らしい。
人間社会に向けたメッセージを感じます。
獣は、明日どうなるかを考えない
獣は、昨日の失敗を悔やまない。
獣は、今この瞬間を生きている。
現代人はどうしても、過去と今・今と未来を繋げて線にしてしまう。
線にしてしまうと、今この瞬間が輝かない。
過去と未来を前後裁断し、今を生きること。
これを点の哲学といいます。
盲目社会だからこそ、前後裁断の哲学が生きる。
自分自身がそこに在る、随所に主となる。
今、55年間の歴史を持つ、世界一厳しい二泊三日の研修…といわれる通称【山】が始まっています。
今回の【山】には国立おざわの患者さんToshiさんが、私の紹介で入りました。
Toshiさんは自分で自分を生きる会社の経営者。
人間同士の縁に一瞬の遅いも早いもないことを知っているToshiさんは、私の目を観て自ら決断して【山】に入りました。
真剣ほど軽いんです。
だから真剣な人は明るい。
恨み辛み悲しみ嘆き…沢山の幅を経験しているから明るい。
Toshiさんの明るさを観て、感じることが出来ます。
沢山の壁が、立ちはだかります。これは求め続けている人間にしか現れません。
その壁は自分自身と真剣に向き合った分だけ、越えられます。
身体も心も環境も、『万全』の時に戦えるなんて思ってるのはただの自分自身の甘さです。
一所懸命に生きている人間に『万全』なんてあり得ないんです。
万全じゃないと戦えないのか。
ボロボロでもいいじゃないか。
ボロボロで戦う姿も、紛れもない自分自身じゃないか。
私は自分の【山】で、私を4年間【山】に誘い続けてくれたオヤジを観てそれを感じました。
万全でなくとも『いつでもこい』『なんでもこい』、『ことごとくよろしいぞ』…と。
ことごとくよろしい…これを『咸宜(かんぎ)』といいます。
現代社会は盲目社会と言われます。
観えているものしか信じない、感じられない。
それを観せているのは自分自身だということにも気が付かない。
考え方よりも、感じ方の時代です。