30代女性
【主訴】
目の乾燥と痛みで開けていられない。
ずっと目を細めている。
不眠と食欲不振
【問診】
年末、仕事がかなり忙しく週に2〜
また早朝に出勤するというハードな状態だった。
以前から眼精疲労やドライアイに悩まされており、
眼科で診てもらい、
目薬を処方してもらい、当初よりは乾燥や充血は軽減。しかし依然症状は残っている状態。
同時期から食欲不振、眠れない…という症状が出てきている。
おざわのブログで同じ様な症例を見つけ、『これだ!』…とご相談があり縁となりました。
【視診・触診】
視診
頚部の過緊張がみられる。
触診
頭半棘筋の停止部に圧痛。
【治療】
頚部浮腫及びトリガーポイント形成による交感神経緊張症状と判断。
下記の筋肉のトリガーポイントに対し治療を行う事とした。
主な治療部位
①頭半棘筋
②僧帽筋
③胸鎖乳突筋
④肩甲挙筋
⑤大後頭直筋
⑥上頭斜筋
⑦側頭筋
【治療経過】
初回施術後
目がスッキリしていつもより開いている感覚がある。
2回目
前回治療後、ぐっすり眠れた。
目の乾燥も以前より軽減。
3回目
目の充血が以前より低下し、食欲も出てきた。
4回目
長時間仕事をしても以前に比べて目の症状も出なくなってきた。
8回目
目の症状・消化器系の症状・不眠症状は消失。
現在も定期的に10日に1回程度、治療を継続している。
【交感神経緊張症状とは何か?】
現代人は頚部環境が悪く、いわゆる『頚部浮腫』という状態になっています。
いわゆる『首が浮腫んでいる』という状態です。
首は細かい筋肉が折り重なっており、その一つ一つにトリガーポイントが形成されると硬結を包み込むようにプロテオグリカンなどのコラーゲン組織がトリガーを包みます。
トリガーを包むと、グニグニ・ブヨブヨ…とした環境になり『浮腫んでる』という表現をします。(和食のジュンサイの様なイメージ)
これが出来ると副交感神経が押さえつけられて、交感神経が強くなってしまいます。
なので『交感神経緊張症状』と呼びます。
交感神経が緊張することによる症状は下記のものがあります(多いです)
【症状一覧】
- 1 頭が痛い・頭が重い
- 2 首が痛い・首が凝る
- 3 肩が張る・肩が凝る
- 4 最近風邪を引きやすくなった
- 5 めまいやフラつきが出る事が多い
- 6 振り向いた時や歩いている時にフワフワ、フラフラする事がある
- 7 吐き気がある事が多い
- 8 寝つきが悪い・途中で起きてしまう・眠りが浅い
- 9 血圧が安定しない
- 10 温度差が苦手
- 11 急に汗をかいてしまう事がある・多汗症
- 12 動悸がする事がある
- 13 目がぼやけたり見えにくい事が増えた
- 14 目が開けていられない・目が疲れる
- 15 夜の車のライトなどが眩しい・目の奥が痛い・視力検査などでライトが光るものは視力が落ちている
- 16 ドライアイが長く続いている
- 17 唾液の分泌異常がある
- 18 最近微熱が続く事が多い
- 19 お腹の膨満感・胃腸の調子が悪い
- 20 全身倦怠感が朝から続く
- 21 身体がだるい・疲れやすい
- 22 やる気が出ない事が多くなった
- 23 天候に自覚症状が左右される事が多い
- 24 気分の落ち込みが出る事がある
- 25 最近集中力が続かない
- 26 ふと、急に不安感が出る事がある
- 27 イライラする事が多くなった
- 28 仕事に対する根気が無くなってきた
- 29 手足の冷え・痺れ・のぼせるなどの症状がある
- 30 胸の痛み・圧迫感などが出る事がある
不定愁訴=あくまでも自覚症状が主体であるもの。診断名がついているが最近の造語であること。
【他、診断名(症状が増加しているに事により作られた病名)に因んだ不定愁訴症状一覧】
- 31 脚がむずむずする・動かさずにはいられない(むずむず足症候群と診断されている)
- 32 指先がチリチリ痺れる
- 33 足裏が熱い・寝ている時も熱くて布団から出したい
- 34 陰部痛・痒みがある
- 35 肛門の痛み・違和感がある
- 36 狭い所や圧迫感がある所で尿意を催す。(緊張性膀胱と診断されている)
- 37 お腹にガスが溜まりやすい。(IBSと診断されている)
- 38 下痢と便秘を繰り返す
- 39 呼吸が浅い・空気が入っていかない
- 40 呼吸により脈のリズムが変わる
- 41 からっ咳が出てしまう(咳喘息と診断されている)
- 42 舌がピリピリする。痛い。(舌痛症と診断されている)
- 43 鼻詰まり・気候によって鼻が詰まる。(慢性副鼻腔炎と診断されている)
- 44 ニキビが良く出来る・背中に湿疹が出来やすい(毛嚢炎と言われている)
- 45 手汗・足汗が出る。(手掌足蹠多汗症と診断されている)
- 46 耳なりや耳の詰まり感、閉塞感が出る。(耳管狭窄症・開放症と診断されている)
- 47 虫歯が無いのに歯が痛い
- 48 季節の変わり目や温度変化で蕁麻疹が出る(季節性蕁麻疹・寒冷蕁麻疹と診断されている)
- 49 春や秋、季節の変わり目に手先足先の皮が剥がれる(汗疱・掌蹠膿疱症と診断されている)
- 50 寝起きのたちくらみ・倦怠感や動悸・頭痛を繰り返す(起立性調節障害・ODと診断されている)
- 51 瞼(まぶた)がピクピクする(眼瞼痙攣・眼瞼ミオキミアと診断されている)
- 52 膀胱炎を繰り返す(その都度無菌性膀胱炎と診断される)
- 53 のどがイガイガする。何か詰まっている感じがする。(咽喉頭異常感と言われている)
- 54 急に手が腫れたり足が腫れたりする(CRPS・複合性局所疼痛症候群と言われている)
これらがいわゆる『交感神経が緊張し過ぎた結果起こる症状群』です。
多いですね。実はまだまだあります。
自律神経…というのは現代人を悩ませている症状のほとんどが交感神経緊張によるものです。
先日『歴代最高の5月病注意報』という記事を載せましたが、想像を超えていました。連日相談の電話やメールがあります。
トリガーポイント治療はトリガーを鍼で刺激することにより『強制的に副交感神経機能を上げる』という作用があります。
交感神経緊張に傾いた身体にメスを入れる事が出来る治療法です。