40代男性
【主訴】
【問診】
約10年前からの症状である。
主に仕事で椅子に座ってデスクワークをしている時に症状が出て
仕事中は尿意と常に残尿感がある為、
何度も席を空ける為、さすがに社内で気まずい。。。
10年も続いている症状なので、半ば諦めていたところもあった。
ただ、最近更に症状がひどくなっており、仕事に集中できない時が増えてきた。
泌尿器科では『前立腺炎』と診断。
色々と薬を処方されて服用しているが改善までは至っていない。
他の治療法を探していたところに国立おざわのホームページに辿り着き、ご相談頂きました。
【視診・触診】
視診
腰部に交感神経緊張でみられる皮膚所見(皮脂、色素沈着)
触診
腰〜臀部、大腿部にかけて圧痛と筋緊張がある。臀部の冷えがみられる。
【治療】
治療ポイント
①腰部多裂筋
②中臀筋
③大臀筋
④腰最長筋
⑤ハムストリング
1回目
特に目立った変化はないが、なんとなく腰から足にかけて循環が良くなった気がする。
2回目
前回後、変化なし。
今回から少し刺激量を上げる。
3回目
術後、2日ほど重怠さが残る。
少し仕事中のトイレの回数が減った気がする。
4回目
以前に比べ、明らかに調子がいい。
仕事も以前に比べ集中できる状況になってきた。
8回目
仕事中のトイレの回数が半分以下になる。
12回目
頻尿および残尿感が消失。
『前立腺炎』と診断され10年間。
長い症状にピリオドが打てた。
現在も定期的に治療は継続している。
【前立腺炎のホント】
前立腺『炎』は、主に若年層(20代から40代の男性)に好発し、
前立腺『炎』の症状は、、、
排尿障害、高熱、頻尿、排尿時の痛み、残尿感、
『前立腺炎』と診断され、今回の様に年単位で長い間苦しんでいる方は少なくありません。
さて、、、
不思議に思いませんか。
『炎症』が果たしてこんなに長く続くのか?炎症が長く続く事自体、オカシイと思わなければなりません。
10年間も前立腺『炎』と診断し続ける医療者側もどうかと思います。
前立腺炎には、、、
①細菌性前立腺炎(細菌感染が原因)
そして、あまり知られてはいませんが、
②非細菌性前立腺炎(細菌感染が関わらない)(実際の炎症ではない)
...があります。
②の非細菌性前立腺炎は西洋医学的には原因が分からない事が多く、
『前立腺炎様疾患』…という方が患者さん側には分かりやすいのではないかと思います。
実は...
②
そして薬、
腰や殿部に形成されたTP(
これはあまり知られていない事です。
他にも大腿部の裏(ハムストリングス)のトリガーポイントによる自律神経症状が原因となることも多いです。
合わせて治療を行う事が大切です。