30代女性
【主訴】
急に手首が痛くて動かない
原因不明の手関節痛と手関節可動域制限
【問診】
数週間前から利き手である右の前腕に違和感が出始める。
ここ数日、更に痛みと強張りの感覚が出始める。
基本的には朝に症状が強く出る。心配になり整形外科に行き検査をしてもらうが『腱鞘炎』と言われて湿布を処方された。
デスクワークなど腕を使っていると徐々に違和感や痛みは軽減する。アドレナリン全開で仕事をしているので、感じないのかもしれない。そして仕事が終わりかけた夕方から、また症状が強くなる。
続く腕の違和感が気になり、
手首をどの方向に動かそうとしても痛みがあり、
これでは仕事はおろか日常生活にも支障をきたす為、
【視診・触診】
視診
手首の伸展及び尺屈での痛み(++) 屈曲(+)
触診
前腕の伸筋群に過緊張と圧痛がみられる。
【治療】
アドレナリン全開でタイピング仕事をしており、上肢帯の使い過ぎが原因と判断。
棘下筋及び、指の伸筋群を中心に治療する事とした。
主な治療部位
①総指伸筋 ②尺側手根伸筋 ③長、短橈側手根伸筋 ④小指伸筋 ⑤棘下筋
【治療結果】
初回
初回術後から前腕の痛みが軽減、可動域も広がる。
2回目
前回施術後、徐々に痛み軽減。
ペインスケール10→3
朝の強張りはまだ残る。
3回目
残り1割。
調子も良く、
その後、数回治療し、疼痛は消失。
腕の症状は寛解したが、首や背中の緊張が強い為、現在も治療を継続している。
【原因不明の『腫れ』】
今回は前腕の症状でしたが、国立おざわには、原因不明の踵の腫れ・原因不明の腕の腫れ・原因不明の足の腫れなどなど、『原因はハッキリしないが腫れてるから何とかしてくれ』…という依頼も多いです。
基礎疾患がある方もいますが、直接『腫れる』という原因にならない基礎疾患の場合はやはり原因不明。
他、西洋医学的には原因不明だけど、我々からすると『局所的な自律神経のバグり』ではないかというものもあります。
例えば、過去に手術痕・骨折が腫れている個所の中枢側にある場合は、時に季節の変わり目に抹消の急な痛み・痺れ・腫れ…が起こることがあります。CRPS(複合性局所疼痛症候群)やカウザルギー、他にはワクチン接種後の免疫異常?自己免疫?による原意不明の疼痛などが国立おざわの臨床データでは豊富にあります。
多くの場合、局所的な自律神経のバグにより、交感神経が緊張することにより起こります。
トリガーポイント治療は副交感神経を強制的に亢進させる効果がある為、交感神経緊張に傾いている症状に対しては非常に効果があります。
『原因不明の腫れ』を繰り返している人は、少しずつ頻度が上がってくると治りにくい辛い症状に繋がることもあります。