30代 女性
【主訴】
ピリピリする帯状疱疹後の神経痛
【問診】
昨年末、仕事と育児に追われてバタバタしていた。
小さい子供もいる為、普段からまとまった睡眠時間は中々取れていなかった。年末はそれに加えて寝つきが悪かったり途中で目が覚めてしまうなど不眠症状が続いていた。
それ以降、倦怠感や頭痛、背中の吹き出物、めまいなど自律神経の症状も多数出てきた。
それらの症状が出始めてから1週間後くらいから左背中に赤い発疹と皮膚の表面にピリピリする痛みが出てきた。
数日経っても一向によくならず病院へ。
帯状疱疹と診断される。
薬を処方してもらい発疹はなくなったが、その後ピリピリとする皮膚の痛みが残存している。
服が擦れるだけで痛みが出るなど日常生活にも支障が出ている。
当院に以前通院しており、ご相談を頂きました。
【視診・触診】
視診では背部全体に吹き出物がみられる。
触診では頚肩から背部に圧痛と過度の筋緊張がみられる。
また、交感神経緊張の状態でみられる皮脂の過剰分泌もある。
【治療】
①僧帽筋 ②頭半棘筋 ③肩甲挙 ④板状筋 ⑤胸部多裂筋 ⑥棘下筋
《治療経過》
1回目
身体の緊張が取れスッキリする。
2回目
前回後、ピリピリした痛みが軽減。
ペインスケール10→8
3回目
8→5
痛みが気にならない時も出てきた。
睡眠も以前より深くなった気がする。
4回目
5→1
調子が良い。
ほとんど痛みはなくなる。
【考察】
帯状疱疹とは水痘・帯状疱疹ウイルスを原因として発症する病気です。
初期段階では皮膚がピリピリする痛みを感じ、徐々に赤みや発心などの皮膚症状が現れます。
出る部位によっては顔面神経麻痺や視力障害などをきたすケースもあります。
最近では比較的若い方にも増えていますが、基本的には加齢に伴って発症率は高くなり、特に50代から増加し高齢になると約3人に1人の割合で発症すると言われてます。
今回のように皮疹が治った後もピリピリ、ヒリヒリする痛みや感覚異常が残存し、長い方だと数年にわたって続くケースもあり、これを帯状疱疹後神経痛と言います。
帯状疱疹はストレスや疲労、病気や加齢など免疫力が低下することで潜んでいたウイルスが活動を再開して発症します。
今回の患者様も年末にかけて多忙で休息もしっかり取れていなかった為に免疫力の低下を招き、発症したと考えられます。
また、元々凝りの症状が酷く、頚部に形成されたトリガーポイントが活性化し自律神経症状も出ていました。
鍼治療を行うことでそれらを調整し適切に処理することで免疫力を高めて早期の改善が見込めます。
コロナ禍においてストレスの増加や運動不足、マスク生活の長期化などにより、免疫力が低下してこれらの症状がどんどん増えています。
早めにご相談ください。