30代女性
【主訴】
首の付け根の痛み
自律神経失調症
【問診】
何年も前から首の後頭部には常に違和感があった。
自分でも触るとゴリゴリがあるのが分かる。日常的に重く可動域の狭さを実感。
数年前に自律神経失調症と診断された。
当時は定期的な鍼治療や漢方薬で大分良くなる。
現在は漢方薬のみを服用。
良くはなっているが完全ではない。
呼吸のし辛さや胃腸の調子の悪さ、気分の落ち込みなどまだまだある。
起床時はスッキリ起きれずベッドから出るのにも時間がかかる。
眠りは浅くない方で寝つきも良い。
梅雨時期は毎年調子が悪くなる
天気にも左右される。
昔と比べると良くはなっているがちょくちょく症状を発症するため、元に戻ってしまうのではないかと心配になりそれがまたストレスである。
運動をすると循環がよくなるおかげか多少体が楽になる。
しかし、運動時も体の悪さを実感する為その際気分が落ち込む。
数年前と比べるとマシにはなっているがきちんと改善したわけではない為今回はしっかりと改善させ症状の無い生活を送りたい。
【視診・触診】
常に体に力が入っているようでうつ伏せの状態でも硬直している。
力の緩め方が分からないとの事。
首から背中の皮膚緊張あり(交感神経緊張状態)
頚部は、後頭部側頚部ともに凝りが強く筋肉同士の境目が触察できにくい。
【治療】
2回目までは首肩を集中的に治療し、3回目以降は腰臀部も加えて行いました。
1回目…治療後の顔の色が顕著に良くなる。鍼を受けてる感覚的に目の奥の方に感じる。
2回目…呼吸が楽になった。
3回目…首肩が良くなってきた事で背中が気になるようになってきた。
4回目…徐々に全身的に楽になってきた♪
6回目…調子がかなり良い。運動しなくても日常的に楽。
7回目…日常的に気になる事がほとんどない。梅雨時期なのに楽。お腹の調子も良い。
治療を重ねる事に可動域が広くなったりコリを気にする時間が短くなっていったりと、初診とは比べものにならないくらい改善していきました。
力を緩められるようになり、治療中も脱力して受けられるようになっていました。
【まとめ】
今回の患者様は、以前まで受けていた経絡治療では変化が途中で止まってしまいましたが、深層部まで狙って外科的に治療ができるトリガーポイント鍼治療を受けてみた所早期に変化が見られました。
これは、経絡的な治療では取りきれない所(人の指が届かない深層部)に最終的な原因があったと考えます。
原因のある深層部に届くTP鍼治療ができるようになったことですぐに変化が見られました。
明らかにトリガーポイントから出る自律神経症状だった為、コリが解れていくたびに様々な症状が着実に良くなっていきました。
患者さん自身が『このままでいいのだろうか?』
と、「?」を真剣に考えてくださったからこそ治療に繋がりました。
治療というものは常に疑いを持ってやらなければなりません。
これは施術者だけでなく患者さん自身にも必要な事です。