30代女性
【主訴】
1週間前の起床時から急に首に痛みが出てきた。
左右ともに痛みがあり、特に右を向こうとすると右側に張りと痛みが出る。
首の側頚部が気になる。
寝違えとは違う感覚(過去に経験あり)
放って置けば治るだろうと放置していたが中々治らず、日常生活に支障が出ている。
元々肩こりは慢性的にある。
【視診・触診】
頸肩部の浮腫が目視でも分かる程で、特に僧帽筋、頭半棘筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋に診られました。
加えて、頭半棘筋、肩甲挙筋(特に右側)に硬結が診られ、全体的に右側に偏っていました。
【治療】
頸部の浮腫と硬結が顕著に見られたので、浮腫みの除去から徐々に硬結を解していく治療を行いました。
治療部位…僧帽筋、頭半棘筋、肩甲挙筋、頭板状筋、胸鎖乳突筋。
(頭半棘筋、肩甲挙筋、胸鎖乳突筋をメインに、頚肩を全体的に細かく狙いました。)
1回目…治療直後、頚肩周りの軽さを実感できる。
2回目…10→4。だいぶ楽になる。
3回目…4→2ほとんど気にならないくらいになる。ふとした時に痛い。
4回目…2→0。症状が改善。
現在は主訴である首の痛みは改善され、全身のメンテナンスをメインに治療継続をしております。
初診時は首だけの症状でしたが、首が良くなった事で腰などの別の部位が気になり出しました。
脳は1番辛い所へ優先的に症状を出します。そこが改善されると2番目に辛い所が明確になり新たに症状を出します。
【まとめ】
気づかないうちにTPが溜まり少しずつ潜在し続けた結果急に活性化して症状を発症していました。
本人曰く、「肩こりは感じていたものの慢性的だったために諦めて放置してしまい…」とのことでした。
頸肩コリは、実はとても怖いものでコリ過ぎると鈍感な身体になり(筋浮腫になると自覚症状に鈍麻になる)コリ感や痛み等を感じなくなってしまいます。
コリに気づけなくなるため治ったものと脳が勘違いしてしまいます。
勘違いしたまま徐々にコリが蓄積され続け身体が限界に達した所でやっと症状として発症します。発症した時にはかなり酷くなっている事が多いです。
酷くなりすぎたお身体でも、鍼治療での改善は大いに診られます。頚肩コリは放置せず、我慢しすぎない内に治療すべきです。