50代男性
≪主訴≫
肩から腕にかけての痺れがある。
1ヶ月ほど前から少しずつ違和感を感じ始め、2週間ほど前から仕事終了後などに痺れ症状を感じる様になった。
仕事が終わり皆で食事などをしている時に症状が悪化する事が多く、ビールのジョッキも持てない位の痛みと痺れが起こるようになる。
最近は仕事中にも我慢できない程の痺れとなってしまい、当院を受診されました。
≪視診・触診≫
視診では特に異常は診られませんでした。
触診では頚部・背部・肩甲骨周囲に筋緊張が診られ、全体的に深部の筋肉の触診が難しいほどに身体が浮腫んでいる状態でした。
≪治療≫
様々な筋肉の緊張が診られた為、初めは広範囲に治療する事にしました。

初めは僧帽筋・菱形筋・棘下筋などに対して少し細めの鍼にてアプローチしました。
1回目:あまり症状に変化はない。
3回目:治療後2日間は楽になる日が出るが波がある。
表層の筋緊張が緩和されてきた為、筋硬結が出現してきた棘下筋に対して集中的にアプローチしました。
それと同時にひどい痺れの時に疑うポイントとして頸椎~胸椎直側の多裂筋や回旋筋も同時に治療を行いました。

(①棘下筋)

(②多裂筋&回旋筋)
4回目:大分調子が良い。しかし仕事をし過ぎると痛みと痺れが出る。
5回目~6回目:週二回の治療を週一回の頻度に出来る位に回復する。
7回目:初めの頃の症状を10とすると2位に回復する。
現在継続治療中。。。。
<痛みと痺れのトリガーポイント>
痛みや痺れが出ますと一般的に『骨が原因では?』『神経が原因では?』と思いがちですが、多くの場合は『筋肉に形成されたトリガーポイント』が原因で起こります。
今回のケースの場合は棘下筋と多裂筋・回旋筋に形成されたトリガーポイントが肩から腕にかけての痺れ症状を引き起こしていたものと考えられます。
トリガーポイントは自覚症状が出ている部分に存在する事もありますが、多くの場合は自覚症状から離れた部位に存在します。
つまりの所、「痛い」と言っている部位に鍼を打つのは簡単な事ですが、「痛い」と言っている以外の部位に鍼を打ち、「そこが原因だ」という感覚を出すのは難しい事です。
「それだ、そこが悪い所だ」と思う感覚を「認知覚(認知覚)」と言います。
痛みと痺れの治療では、特に鍼の響きと認知覚を大事に施術する事が求められます。
トリガーポイントは寒冷刺激で活性化する為自覚症状が出る為、これから冬にかけて痛みの痺れの症状が増えてきます。
明日から12月、1年の疲れをしっかり取って新年を迎えたいですね。
国立おざわ鍼灸・整骨院
㈱one page

