『脊柱管狭窄症は鍼治療で治るんですか?』
…とよく聞かれるのですが、自分は、良くなる・もしくは今の症状よりは少なくとも軽快しますよ。。。と答えます。
良くならないとあきらめている人が多いですが、治療を継続すればよくなる可能性が高くなります。
ただでさえ行動範囲が狭くなりがちな高齢者の方が、行動範囲を広げられる様な手助けを出来ますように最善を尽くします。
ただし時間がかかるケースがあります。
70代男性
【主訴】
脊柱管狭窄症。
歩けない。50M歩くとしんどい。足が痺れる。
腰も痛い。
【脊柱管狭窄症とは】
その名の通り脊柱管という脊髄を通す管が狭くなってしまう病気です。
脊柱管が狭くなると脊髄が圧迫され、最悪の場合尿道直腸障害(尿や便がもれる)という症状になります。
特徴としては間欠性跛行といいまして、何メートルか歩いては前かがみで休み、また何メートルか歩いてはまたやすみと繰り返す歩行様式を呈します。
手術を勧められるケースが多いですが、手術をしないもしくはしたくない・・・という患者様が当院でよく治療を受けられています。
【治療】
腰部多裂筋・最長筋・大殿筋・中殿筋のトリガーポイント療法
【ペインスケール】
正直この疾患に関しては、回復傾向が遅い高齢者がなりえる疾患であり、早くて3ヶ月~6か月。遅くて2年~5年程度治療にかかるケースが多い疾患です。
毎週1回の治療を続けてもらいました。
1か月目:毎週1回の治療を中心に行い、筋肉の緊張をほぐす。
3ヶ月目:50M歩けるレベルだった歩行が、100Mに回復する。
1年目:200M程度は歩ける。痛みもほぼない。後は歩行の距離が気になる。旅行に行きたい。
1年6か月:休日に買い物に楽しく行ける様になる。しかし長距離の旅行は怖いのでまだいけない。しかし大分初めに比べると良くなる。
2年後:歩行に関してはほぼ良い。痛みもなくなり、痺れも無くなる。
2年6か月後:奥さんと遠出が出来るようになる。
【脊柱管狭窄症についての鍼灸治療】
脊柱管狭窄症というのは完治には手術…と言われていますが、手術して完治するかと言われると100%ではありません。正直脊柱管狭窄症には脊柱管狭窄症以外の症状が関わっているケースが多いからです。
脊柱管狭窄の患者様はもともと高齢者が多く、回復傾向が遅い患者様が多いです。
その中で焦って治療すると患者様自身も手術をしなくてはならないのか…と思ってしまいます。
しかし根気よく治療をする事によって症状の改善が認められる事が多いです。
膀胱直腸障害が出ている場合は早期に手術が必要ですが、近年高齢社会になり、『脊柱管狭窄症ですね』と簡単に診断されることによる早期治療の遅延により、回復が遅れるケースが多いように僕は思います。
お話を聞くと本当に脊柱管狭窄症による痛みなのでしょうか?…と疑問に思う症例が多いのです。
本当に今、患者様を苦しめている症状は、脊柱管狭窄症から全て出ているのでしょうか?
薬物療法に頼った結果、リハビリや筋肉に対する治療が遅れて悪影響を及ぼすような傾向があるように思います。
脊柱管狭窄症と診断された高齢者の中にも、骨格筋の治療や下肢循環血流量の上昇により症状が改善されるケースがあります。
脊柱管狭窄症と診断されるレベルの症状の場合、手技療法やマッサージ治療ではなかなか改善が得られ無いケースが多いように見受けられます。
深部の筋緊張を緩和させるだけで症状の改善につながっていくケースも多いですからぜひご相談下さい。
国立おざわ鍼灸・整骨院
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