この仕事をしていて不思議に思うのは、やはり100人患者様がいたら100人違う身体をしているという事です。
他の動物は同じような体をしているのになぜ人間だけがこの様に違うのかと不思議に思います。
100人の患者様に頭痛があれば100通りの治療の仕方があるように、症例を診れば診るほどに『この骨格・筋の質・生活リズム』…というのを問診で把握するだけで鍼の刺激量・使用する鍼の決定・治療方針などが100通り生まれます。
東洋医学では人間の体を小さな宇宙(小宇宙)として表現する様に、それだけ人間の体と言うのは不思議であるのだと思います。
横断歩道を渡っている人を見るだけでそれぞれ色々あります。
学生・主婦・サラリーマン・楽しそうな人・つらそうな人、それぞれ色々あるのだろうと思います。
普通に町を歩いている人だって、実は悩みを持っていたりする訳です。
若輩者なので気が付く事も少なかったのですが、100人いたら100通りの体があるように、100人いたら100通りの考えもあるのだという事を最近よく考えます。
過ごしているとすべての物事を自分中心にとらえてしまいがちですが、ふと自分の考えを抜かせば99の考えがそこにあります。
1の考えにとらわれながら生きているとただの頑固者になってきますので、99の考え方に目を向ける事も必要だなぁと最近よく思います。
しかし決定権は100%自分にあるので、どういう自分に人格形成していくかは己にかかっています。
空手道には道場訓というものがあります。
①人格完成に努むる事
②誠の道を守る事
③努力の精神を養う事
④礼儀を重んずる事
⑤血気の勇を戒むる事
昔はこれを道場で毎回詠んでいました。
結局昔はこれをただ読むだけで理解不能でした。
去年の末頃からこの道場訓が自分の頭の中をよぎり、『自分は出来ているのか?』と自問自答します。
まだ自分など最低水準のレベルだろうと思います。
結局満足するレベルには到達しないまま年をとるのでしょうが、いつまでもこれを目指していかなくてはならないと思います。
教育現場では答えが出るものしか学びませんが、それぞれ色々過ごしていると、答えが出ないものの方が多いような気がします。
グレーの部分を白にするのか黒にするのは自分の発想力なのかもしれません。
国立おざわ鍼灸・整骨院
㈱one page

