PFAS汚染について考える「シンポジウム」開催。今後の課題が明らかに | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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日本共産党東京都委員会主催の「PFAS汚染について考えるシンポジウム」が8月24日、府中市内で開催されました。

 

第一部は、多摩地域の血液検査に取り組んでいる京都大学の原田浩二准教授からの報告、国会での取り組みを宮本徹衆議院議員から報告、そして都議会の報告を私・尾崎あや子が行いました。

 

第二部は会場の参加者の質問に答えるシンポジウム。パネリストは、原田浩二京都大学准教授、山添拓参議院議員、斎藤まりこ都議会議員、住民団体の根木山幸夫さんでした。

 

今後の課題などについて深め合い、住民の健康といのちを守る運動として展望の見えるシンポジウムになりました。

 

 

<尾﨑あや子の発言を紹介します>

 

PFAS汚染シンポジウムー都議会での追及を踏まえた報告

 

                                              

 

はじめに

有機フッ素化合物(PFAS)汚染問題については、「安心して飲んでいた水が発がん性物質のPFASが含まれていたなんて、とても不安だ」「宝の水を守りたい」と都民の不安や怒りが広がっています。PFAS汚染問題は、都民の健康と命に係わる重大な問題です。

 

ところが、小池知事は「都民の健康・命を守る」と言いながら、日本共産党都議団の質問に何ひとつ答弁しませんでした。一方で、記者会見で知事は「健康の影響は、現時点であきらかになっていない」と発言し、多摩地域で行った650人の血液検査の結果についての受け止めについても答えず、健康への影響評価などは国がやるべきことだというような態度です。

 

都政の専門紙である「都政新報」(8月1日付け)の主張で、ジャーナリストの諸永裕司さんは、小池知事は汚染源特定を、「自ら取り組むべきだ」と厳しく批判しています。

 

日本共産党都議団は、国会議員団・地方議員団と連携し都民の健康と命を守るため、PFAS汚染の実態をつかみ、汚染源の解明を行うよう取り組んできました。

 

1、 東京の「水道」はどうなっているのか

みなさんの最大の不安は「水道」のことではないでしょうか。そこで、東京都水道局の現状についてお話します。

 

多摩地域の水道水源に利用している井戸は277か所あります。このうち、2019年からPFAS汚染の影響で、40か所が取水停止しています。

 

同時に、水道局は、河川の水とブレンドし、蛇口で国の水質暫定目標値以下(50ng/L以下)なら、井戸でPFASが検出されても、また、それが暫定目標値を超えていても取水停止はしないという対応です。住民のみなさんからは、「井戸でPFASが検出されれば、取水停止すべきだ」と要望が出ています。都のこのような対応を変えさせることが今後の課題です。

 

沖縄県では、活性炭について2年間調査を行い、一番効果のあるものにして現在は、定量下限値は、1リットルあたり1ナノグラム未満になっています。私は、沖縄県の担当者から直接、経過などを伺いました。「住民の不安を解消したい」という担当者の思いが伝わり、東京都とは姿勢が違うと感じました。活性炭の設置についても、沖縄県のように努力させる必要があります。

   

2、 健康影響調査について

都がもう一つ、とても後ろ向きなのは、健康調査です。

 

都独自に調査するよう求めても、国の大規模・広域の調査まかせで、都民の不安に直接寄り添う姿勢が全くありません。水質調査で高濃度だった地域や、希望する都民が血液検査を行えるよう、責任を果たさせる必要があります。

 

3、 都民の世論・運動と連携した日本共産党都議団の質疑で都政を動かしている

国まかせの小池都政のもとでも、都民の世論・運動と連携した日本共産党都議団の論戦で都政を動かしてきました。

 

(1)「今年度中に全都の水質調査を完了する」と検査計画の前倒しが実現

1つは、全都の水質調査です。

 

都内全域の地下水の調査は、通常、4年間で都内を一巡する計画ですが、6月議会の代表質問で、汚染の実態解明のためにどう取り組むのか、厳しく質すと、「今年度中に、都内全域の調査を進めていく」と、大きく調査を前倒しする答弁を行いました。汚染の実態をつかむ上で、重要な成果です。

 

(2)5月1日から「相談窓口」設置

2つ目は東京都に「相談窓口」が設置されたことです。

 

我が党の質問や都民の声に押され、福祉保健局は5月1日から専用電話で「相談窓口」を設置しました。

 

5月1日から7月末までに961件の相談があり、最も多く寄せられているのは、「自分の水道水の数値はどうなっているのか」という相談とのことです。

 

(3)東京都が国に「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」(5月23日)提出

 さらに、3つ目には、都民の不安の声や要望に押され、5月23日に福祉保健局・環境局・産業労働局の連名で「有機フッ素化合物対策の推進に関する緊急要望」(5月23日)を国に提出するに至りました。

 

(4)汚染源の可能性が高い横田基地について

4つ目は、横田基地の問題です。

 

多くの人が東京のPFAS汚染の最大の汚染源であると考えるなか、都議団は東京都が、その実態を明らかにする先頭に立つよう繰り返し求めてきました。この間、大きく動いていますので、詳しく報告します。

 

3月9日の予算特別委員会では、まず、都の過去の不作為を問いただしました。

都は2019年、過去の燃料漏出事故の際にもうけた横田基地周辺の4本のモニタリング井戸、立川市・昭島市・武蔵村山市・福生市の井戸のうち、立川市の井戸で1リットルあたり1340ナノグラム、武蔵村山市の井戸で同じく143ナノグラムという高濃度のPFASを検出しています。先ほどの諸永さんらが調査し、2020年1月6日の朝日新聞で報道されています。ところが都は、私の質問に、これらの井戸のうち立川、武蔵村山を含む3つの井戸の検査をこの時限りでやめてしまったことを認めました。飲用では使われていないというのが理由ですが、本当にそれが理由だったのでしょうか。

 

さらに、横田基地の消火訓練施設から700mの位置に小学校、750mに都立高校があること、沖縄県の例も紹介して、都として土壌調査を行うよう迫りました。答弁では初めて、「国が土壌の測定方法を自治体に示せるよう検討している」という答弁があり、将来の可能性を否定しませんでした。

 

国の対応にも問題がありました。これは「しんぶん赤旗」の取材で初めてわかったことですが、都は2018年から今年6月まで5回、国に横田基地のPFASについて問い合わせたが、まともな回答が得られなかったようです。結果として、2019年の第4回定例会の原田昭都議の代表質問に事実と異なる答弁も行っています。

 

そしてやはり、6月29日の日本共産党の国会でのレクが決定的でした。防衛省は米軍提供の資料に基づき、2010年から2012年、横田基地で泡消火剤の漏出が3件あったことを初めて認めました。

 

そして都は、翌30日の赤旗報道に基づいて国に確認。これがその証拠です。その後、7月5日に、都と横田基地周辺5市1町と連名で国に対する要請を行い、「速やかに情報提供がなされなかったことは極めて遺憾」と異例のコメントを発しました。

 

このように、都民のみなさんの世論と都議団の論戦、国会議員団、区市町村議員団、そして赤旗の連携プレイが、事態を大きく前に動かしました。

 

いよいよ、横田基地への立ち入り調査が必要です。都議団は7月7日、8月8日と繰り返し申し入れを行い、小池知事から立ち入り調査を求めるよう、迫っています。また、環境補足協定を含め、日米地位協定は、基地への立ち入り調査の足かせになっています。3月の定例都議会にはこの地位協定改定を求める意見書の提出を求める陳情が、東京外語大の伊勢崎賢治さんから出され、私は採択を主張し論戦を行いました。結果は不採択でしたが、「意見書案」も準備し、こちらも提出には至りませんでしたが、立憲民主党から賛同を得ることができました。

 

また、都の環境科学研究所のPFASの研究には、横田基地が汚染源であることを示唆する研究結果が複数あります。これについて今後、論戦を進めたいと思います。

 

 

4、来年の都知事選挙の争点に

日本共産党都議団の中に、今年5月から「PFAS対策チーム」が作られ、現在はチームとして調査活動や代表質問づくりに取り組んでいます。7月には都議団の政策ポスター5種類を作製。その中の1つが「PFAS徹底調査を」のポスターです。

 

PFAS汚染対策について、東京都市長会の来年度予算編成に対する「重点要望」に、はじめて盛り込まれました。日本共産党の市議団の論戦の成果であり、都議団も今後の論戦に生かしていきたいと思います。

 

そして、PFAS汚染の問題は多摩地域だけでなく東京全体の問題であり、来年の都知事選挙の争点に押し上げていきたいと思います。

 

都民の健康と命を最優先にする都政を、みなさんと実現するため、日本共産党都議団19人、全力で頑張る決意を表明して報告とします。