有機フッ素化合物・PFOS,PFOAの暫定指針値を超えている原因について都庁一丸となり究明を! | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

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都議会・各会計決算特別委員会第3分科会は、10月26日に環境局の質疑が行われました。私・尾崎あや子は、発がん性や発育に影響が懸念されている有機フッ素化合物について質疑しました。

 

<有機フッ素化合物について>

〇尾崎委員 私の方からは、有機フッ素化合物についてお尋ねをしたいと思います。

2020年11月から12月に福祉保健局が実施した、多摩地域の57か所・28市町村の飲料井戸の水質調査で、発がん性や発育への影響が懸念される有機化学物質の値が、10カ所で国の指針値を上回りました。

 小平市の井戸では指針値の4倍、国立市では8倍超が検出され、住民から不安の声が出されました。

 PFOA、PFOSは、1950年代ごろから消火剤やフライパンのフッ素樹脂加工に使用されてきました。都が調査を始めた2018年には、横田基地周辺の立川市内の井戸で、現在の指針値の約27倍を検出。国立市や狛江市、武蔵村山市の井戸でも指針値を上回っていました。2019年の調査では東村山市の井戸で指針値の4倍超、調布市で7倍超が検出されていました。

 また、水道水に関しては、都内すべての給水栓で指針値を下回っていますが、2019年の調査で府中市、国分寺市の浄水場で指針値を上回るPFOS,PFOAが検出され、水源の一部の井戸から取水を停止するなどの対策も行われました。

 PFOS,PFOAに関しては、福祉保健局、水道局、環境局などに係る問題で、都民の健康・安全・安心にとって大変重要な問題です。

そこで、事実確認のため、いくつか質問します。都内のPFOS及びPFOA等の地下水中の濃度状況を把握するため、東京都環境公社が、調査研究の一環として調査を行っていますが、いつからいつまで、何か所でどのような調査を行っていますか。

 

宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 東京都環境公社の東京都環境科学研究所は、PFOS,PFOA等について、平成22年度から25年度にかけて、島しょを除く都内全区市町村の237地点で、地下水中の濃度の調査を行っております。

 

<国の指針値は?>

〇尾崎委員 国の指針値はどうなっていますか。

 

宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 国は、令和2年5月、PFOSとPFOAについて合算して、1リットル当たり50ng(ナノグラム)を地下水の暫定指針値として設定おります。

 

〇尾崎委員 今、ご答弁あったように、日本では、2020年5月にようやく暫定指針値を決めたということです。

 2021年度の調査は、どのように実施されましたか。また、その結果について伺います。国の指針値を超えているのは、何か所なのかも教えてください。

 

宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 都は、PFOS及びPFOAにつきまして、令和3年度から水質汚濁防止法に基づく地下水水質測定計画に位置づけ、概況調査と継続監視調査を実施しております。

 概況調査は、都内の全体的な地下水質の把握、未把握の地下水汚染発見を目的とするもので、令和3年度は62地点測定し、5地点が暫定指針値を超過しておりました。

 また、継続監視調査は、暫定指針値を超えた地点の経年的な推移の把握を目的とするもので、令和3年度は、測定計画以前から調査していた19地点を測定し、全地点で暫定指針値を超過しておりました。

 

〇尾崎委員 今のご答弁で、暫定指針値を超えるところがいくつもあるということがよくわかりました。

アメリカでは有機フッ素化合物の規制を強化する動きがあると報道されていますが、日本では、どのような議論がされているのか伺います。

 

宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 米国の環境保護庁は、本年6月、飲用水に関しまいてPFOS、PFOAの健康観告値を引き下げることを発表しております。

 国は、最新の科学的知見に従い、水道水の水質基準の見直しを行う水質基準逐次改正検討会におきまして、有機フッ素化合物について、今回の米国の動きを含め国内外の知見を収集し、今後検討していくとしております。

 

〇尾崎委員 アメリカは、飲料水に関する健康観告値を引き下げて規制を強め行くということです。日本では、今後検討していくということですが、都として、アメリカなど諸外国の規制強化を参考に、規制を強めて、国民の命を守ることに全力を挙げるよう、国に強く要望することを求めるものです。

 

<立川駐屯地で基準を超えた>

次に、防衛省では、2019年に策定した「防衛省におけるPFOS処理実行計画」に基づき、全国の基地等におけるPFOS含有消火剤等の処理を進め、2021年度に実施した全国の基地等における泡消火設備専用水槽の水質調査の分析結果を公表しました。

 東京都内にある自衛隊駐屯地で指針値を超えたのは、どこで何カ所あるのか伺います。

 

宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 本年7月、防衛省が公表した防衛施設における泡消火設備専用水槽調査結果によりますと、都内の自衛隊駐屯地で暫定指針値を超えたのは、陸上自衛隊立川駐屯地の専用水槽1か所でございます。

 

〇尾崎委員 立川駐屯地の専用水槽1か所で暫定指針値を超えたことについて、立川市、昭島市、小平市、日野市、国分寺市、国立市、東大和市、武蔵村山市の8市でつくる、立川飛行場周辺自治体連絡会構成市長から要望書が提出されています。市街地に所在する立川駐屯地においてこうした状況は、周辺住民の不安を招くものであり、早急に解消されなければならないと、5点にわたる要望をしています。①今回、水環境中の暫定目標値を超えてPFOS及びPFOAが混入していた泡消火設備専用水槽の水槽水は、適切な方法により速やかに処分すること。②上記処分までの間は、当該水槽水を使用しないこと。合わせて、水槽水が漏出することがないよう管理を徹底すること。③原因究明を速やかに行うとともに、再発防止策を講じること。④泡消火設備を設置及び使用する限りにおいて、継続して定期的に専用水槽の水質調査を行うこと。⑤以上の泡消火設備専用水槽内水槽水の処分等に関する情報は、今後、周辺自治体に速やかに提供するとともに、周辺住民への周知を丁寧に行うこと。です。

 立川駐屯地のように断定指針値を超えた原因が専用水槽であるため、原因は明らかですから、5点については、当然の要望だと思います。

 都としても、防衛省に対し、対策を講じるよう要望していただけるよう強く求めるものです。

 

<立川市、調布市、府中市、狛江市で1リットル中200ナノグラムを超える>

令和3年度の地下水におけるPFOS及びPFOAの継続監視調査結果で、1リットル中200ng(ナノグラム)を超えているのは、立川市で640ナノグラム、調布市は460ナノグラム、府中市は450ナノグラム、狛江市が240ナノグラムと非常に高い地域があります。何が原因で高いのか、分析などは行っているのでしょうか。

 

宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 PFOS等の有機フッ素化合物は、半導体の製造、撥水加工の原料、泡消火剤など、さまざまな用途で使用されてきました。

 そのため、都内では島しょを除く全区市町村におきまして、地下水からPFOSまたはPFOAが検出されており、原因の特定は困難と考えております。

 

〇尾崎委員 原因の特定が困難ということですが、地下水を測定しているだけでは、住民の不安は募るばかりです。

 住民の不安を解消するためには、原因の分析は待ったなしの状況であると思いますが、都は、どのように対応していくのか、改めて伺います。

 

宗野環境改善技術担当部長節電行動推進担当部長兼務 都は、PFOS、PFOAについて、法に基づく測定計画に位置づけ、都内全区市町村の全体的な状況把握と未把握の地下水汚染発見のための概況調査を行うとともに、継続監視調査により、暫定指針値を超過した地点の経年的推移を把握しております。

 調査結果について、都のホームページで公表するとともに、井戸所有者や区市町村、関係機関に的確に情報提供しております。

 

<多摩地域で血液検査の提供はじまる>

〇尾崎委員 調査を継続して行うことは重要です。しかし、調査結果を公表するだけでは都民の不安は解消されません。

 水道水の汚染が指摘されている府中市と国分寺市の住民を対象にNPO法人が実施した血液検査を2020年10月に公表しました。その結果で、発がん性や発育への影響が懸念される有害化学物質の血中濃度の平均値が府中市で全国平均の2倍超、国分寺市で1.5倍だったことが明らかになりました。

 多摩地域では、血液検査に協力してくださる方々を、募集しています。「血液検査を提供するので、何が原因なのか、明らかにしてほしい」との要望も出ています。

 関係する福祉保健局、水道局、横田基地を所管とする都市整備局との連携を強め、都庁一丸となり、有機フッ素化合物のPFOS,PFOAが暫定指針値をなぜ超えているのか、原因についても明らかにすることを強く求め質問を終わります。