第1回定例会・代表質問①豊洲市場問題「入札停止期間中の大成建設に特命随意契約は都民が納得しない | 尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

尾崎あや子オフィシャルブログ「東へ!西へ!尾崎あや子の活動報告」Powered by Ameba

遅くなりましたが、第1回定例都議会・代表質問に日本共産党都議団を代表して、品川区選出・白石たみお都議が質問に立ちました。

最初に取り上げたのは、豊洲市場問題です。 

 はじめに、引き続き都政の重大課題である市場移転問題です。
 知事は施政方針表明で、「移転前に様々な問題点を洗い出し、しかるべき対策を踏まえた上で開場の運びに至った」などと述べました。豊洲新市場の様々な問題点があたかも解決したと言わんばかりの、とんでもない発言です。
 そもそも、土壌汚染問題の解決の見通しはありません。

Q1 地下水調査結果では、発がん物質のベンゼンが、昨年1月発表で環境基準の79倍、3月が100倍、8月120倍、9月160倍と上昇し、最新の11月も110倍とい数値が出ています。猛毒のシアンも全街区で検出されています。

 にもかかわらず、知事が頼みとしている、わずか3人の学者による専門家会議は、地下水汚染の状況に大きな変化はないと言い張っています。多くの都民や市場業者のみなさんから、「とうてい納得できない」「安心できない」という声があがっているのは当然のです。
 知事は「都民の食の安全と安心を守ります」と公約していますが、こんな状況で安全・安心だと言えるのですか。専門家会議と同様、大きな問題ではないと考えているのですか。

Q2 豊洲新市場の土壌汚染対策では、盛り土が地下水で汚染されないよう、地下水の水位を上げないことが必要だとされています。そのため巨額を投じて、地下水を常時くみあげるシステムを設置しましたが、いまだ目標の水位は達成できていません。
 多くのカ所で盛り土が地下水につかっている状態ですが、知事は、豊洲新市場の盛り土は地下水で汚染されていないと、きちんとした根拠をもって明言できるのですか。これも、専門家会議が大丈夫だろうと言っている、という根拠しかないのではありませんか。

Q3 知事は、「追加対策工事の着実な実施により豊洲市場の信頼を高める」と言いましたが、追加対策工事が終われば、地下水から、猛毒のシアンや、環境基準をこえるベンゼンは出なくなるのですか。また地下水は目標水位まで必ず下がるのですか。はっきりした根拠を示してお答え下さい。

Q4 知事は施政方針表明で、豊洲新市場の10月11日開場を、「業界団体の皆様と合意した」と言いましたが、築地で働く労働者、労働組合の合意は得たのですか。

Q5 築地の仲卸業者の中には、豊洲移転について不安や不満を抱えている方が、いまなお多くいること、「仲卸業者の方の納得をしていただいたというような安易な発言はしないでもらいたい」というきびしい声があがっていることを、知事はご存じですか。

Q6 仲卸業者でつくる築地女将さん会が、移転反対をはっきり表明していることについて、知事はどう受け止めているのですか。

Q7 知事は、業者のみなさんに、ていねいに説明すると約束してきました。ところが、築地女将さん会が、昨年8月に知事に提出した公開質問状に、いまだ回答していません。ていねいに説明するというのは偽りだったのですか。直ちに回答すべきですが、いかがですか。

 追加対策工事の契約についても、重大な問題があります。

Q8 7街区の地下ピット床面工事の入札は不調が続き、大成建設と特命随意契約をしました。地方自治法では、自治体における契約は一般競争入札が原則とされ、特命随意契約は、地方自治法施行令で定める場合に限定されています。7街区の床面工事は、なぜ特命随意契約にしたのですか。施行令の、どの事項を適用したのですか。

Q9 大成建設は昨年8月、都内のビル建設現場で、作業中だった作業員3人が転落死する事故を起こしました。東京都は、この事故を受け12月に大成建設を指名停止としています。安全対策が問われる事業者だから、指名停止にしたのではないのですか。

Q10 ところが東京都は、あろうことか自ら指名停止した大成建設と、指名停止の直後に、豊洲新市場追加対策工事の特命随意契約をしたのです。知事、おかしいと思いませんか。

Q11 鹿児島県や大阪府堺市などは、指名停止中の事業者との特命随意契約はしないというルールを定めています。東京都もこうしたルールを定めるべきです。知事いかがですか。

  「築地は守る」という公約が問われる発言について、知事は弁解に努めていますが、とうてい納得できるものではありません。

Q12 著名な築地市場研究者であるハーバード大学のテオドル・ベスター教授は、「築地市場は、完璧な社会的環境が出来上がっている市場であり、だからこそ、これほど長い間、すぐれた市場として継続することができた」と強調し、豊洲市場に移転したら、「日本の文化的遺産が消えてしまうことになりかねません」と述べています。
 知事は第4回定例会で、「脈々と築かれてきた築地ブランドは、東京の大切な宝物であることは言うまでもありません」と答弁しました。知事は、この答弁にもとづいてどう行動し、築地ブランドを守るのですか。築地再開発検討会議の検討次第だという責任逃れは許されません。知事自ら行った議会答弁にどう責任をもつのか、明確な答弁を求めます。

Q13 築地再開発検討会議の中でも、築地市場のアーチの建物について、「歴史的価値のある建物であり残すべきだ」という意見が出されています。
 ユネスコの諮問機関であるイコモスは、築地市場を「日本の20世紀遺産」に選定しました。日本イコモス国内委員会のワーキンググループ長であり、学校法人工学院大学理事長の後藤治教授に話を聞きましたが、「日本と世界にとって、都市計画上、非常に重要な建造物だ」として、保存をつよく訴えていました。後藤教授は、「世界の潮流は、古い建物を壊さず、仕事をしながら再生する。新しい魅力をつくりだすこと」だと強調しています。
 知事は、築地市場のアーチの建物の歴史的価値、そして壊さず大事に使いながら後世に引き継ぐ重要性を、どう認識していますか。

 豊洲市場に移転し、築地市場を壊してしまえば、100年の悔いを残します。移転を中止し、築地市場の現在地での再整備を、知事に改めてきびしく求めるものです。