BILSTEIN 純正形状ショックアブソーバー | 月桂樹の森

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FULLRANGE 5E-AT

BILSTEIN  純正形状ショックアブソーバー

 

北関東は道が悪いです。本当に。

轍、ひび割れ、段差、穴、そして車速が高い。

私のローレルのショックアブソーバーはKYB NewSR SPECIALに交換してありましたが、

ボディの動き、伝わる路面からの衝撃、不快なんです。そのくせにハンドリングも良くない。

まぁハンドリングはどうでもいいんですが…

いや、もちろんいい所もありますけどねNewSRも。安いし。

 

そしてある日、決心しました。好きなクルマに乗っているのに不快なのはどうしても嫌です。

神奈川に住んでるときはそんなことなかったんですけどね…

BILSTEINの純正形状ショックアブソーバーをエナペタルさんに作ってもらいました。

NewSRの減衰特性をもとに、気に入っているところと不快なところを伝え、チューニングしてもらいました。

ゆったりした乗り心地にしてくださいと。

 

黄色いショックアブソーバーが仕上がりました。

前後とも単筒式、そしてフロントは倒立、純正ほどチューニングに時間は掛けられていませんが、

純正よりはるかにお金のかかった足回りなのも確かです。

 

アッパーマウントやその他周辺部品は日産純正新品を用意、スプリングはそのままです。

組立も慣れた作業です。フロントは難なくすぐに取り付けが終わりました。

 

今回、確かS15シルビアなんかで採用されている、リヤショックアブソーバー上部の補強プレート。

これも取り付けようと思ったのですが、取り付けられませんでしたね。

ピッチは合っているのですが、ボディ側のパネルの合わせと重なってしまい、浮いてしまいます。

せっかく用意しましたが今回は見送り。

 

さらにリヤは取付の際に問題が発生。

アッパーマウントも無意味に新品に交換したのですが、

「セルフロックナット、結構硬いなぁ」なんて思いながらこちらも純正新品のナットを締めていると、

突如「バキッ!」と音がしてトルクが抜け、初めは何事か理解できなかったのですが、

マウント側に圧入されているボルトが外れてしまいました。

最悪なことにセルフロックナットなので、締めるも緩めるもできなくなってしまい、

取り付けも取り外しも困難な状況に陥りました。

 

フランジナットであり簡単にはナットは割れないし、

奥まった場所で切るも叩くも削るも作業性は悪いし、

ボルトはスプリングとアッパーラバーで支えられているだけでグラグラだしで大変苦労しましたが、

ナットブレーカー、タガネ、やすり等々いろんなものを駆使して、何とか取り外しました。

 

無駄に新品にしていたので、取り外せれば元付いていた部品を使用して取り付けられます。

トラブルが解消されれば慣れた作業で、リヤもすぐに取り付けは終了。

作業は自分でやっているのでタダですが、大変時間を取られました。まぁこれも経験か。

しかし、純正供給部品の品質の悪さが、最近目立つ気がするのは私だけじゃないのでは。

供給してくれるだけありがたいような、でも安くない金額払ってますからね。

せめて実用に耐える品質は確保してほしいものです。不良品です。

 

さてもう3、400km乗ってきましたが、第一印象は「硬い」です。

ゴツゴツした衝撃を感じます。ふわふわになりすぎたらどうしよう、なんて思っていたのですが・・・

しかしもう少し注意深く観察してみると、ピークは抑えられているので、

「無理、壊れそう」な突き上げではありません。NewSRよりゴツゴツが多く、小さい。

そしてクルマが動かないですね、フラットです。これは長距離、楽ですね。

硬いですけどクラブSなので、いいと思いました。ふわふわゆったりはメダリストがありますから。

 

車速を上げれば、あのふにゃふにゃだるだるのハンドルはどこへ・・・

まるで別のクルマです。安定性も応答性もグッと上がりました。巡航速度があげられます。

制限速度120km/h時代に対応したといった感じです。これは高速も、楽ですよ。

 

峠道も同じ理由でらくちんです。よく曲がるし、旋回中に大きなうねりを超えるような場面、

メダリストなら底付きして飛ばされてしまいますが、軽くこなしてくれます。NewSRより安定してる。

 

乗り心地をよくしたくてショックアブソーバーを交換したのですが、

どっちかというとハンドリングの向上代が大きかったですね・・・しかし、満足です。めでたしめでたし。

 

※追記

2年ほどこのダンパーに乗りまして、改めて考察します。

上記の感想は疑いもなくその通りだったと思います。

ピークGは低いながらゴツゴツ硬い印象を持つ乗り心地でした。

しかしこの後、前後パフォーマンスダンパーリアクロスバーなどを追加していき、

ゴツゴツ、ブルブルといった振動が改善、気にならなくなっていきました。

するとこのダンパーの、しなやかに足を動かしてフラットに走る、という長所が一段と光りはじめ、

今では大変気に入った乗り心地に仕上がっています。

要は、ダンパーとボディの相性が良くなかった(ボディがダンパーの性能に負けていた)

ということだと思います。

失礼ながら所詮は机上セッティングのダンパー、

現車に合わせてもっとセッティングを詰めていけば、ボディ補強をせずとも、

ある程度は固さの気にならないダンパーに仕上げられたかもしれません。