BILSTEIN 純正形状ショックアブソーバー
北関東は道が悪いです。本当に。
轍、ひび割れ、段差、穴、そして車速が高い。
私のローレルのショックアブソーバーはKYB NewSR SPECIALに交換してありましたが、
ボディの動き、伝わる路面からの衝撃、不快なんです。そのくせにハンドリングも良くない。
まぁハンドリングはどうでもいいんですが…
いや、もちろんいい所もありますけどねNewSRも。安いし。
そしてある日、決心しました。好きなクルマに乗っているのに不快なのはどうしても嫌です。
神奈川に住んでるときはそんなことなかったんですけどね…
BILSTEINの純正形状ショックアブソーバーをエナペタルさんに作ってもらいました。
NewSRの減衰特性をもとに、気に入っているところと不快なところを伝え、チューニングしてもらいました。
ゆったりした乗り心地にしてくださいと。
黄色いショックアブソーバーが仕上がりました。
前後とも単筒式、そしてフロントは倒立、純正ほどチューニングに時間は掛けられていませんが、
純正よりはるかにお金のかかった足回りなのも確かです。
アッパーマウントやその他周辺部品は日産純正新品を用意、スプリングはそのままです。
組立も慣れた作業です。フロントは難なくすぐに取り付けが終わりました。
今回、確かS15シルビアなんかで採用されている、リヤショックアブソーバー上部の補強プレート。
これも取り付けようと思ったのですが、取り付けられませんでしたね。
ピッチは合っているのですが、ボディ側のパネルの合わせと重なってしまい、浮いてしまいます。
せっかく用意しましたが今回は見送り。
さらにリヤは取付の際に問題が発生。
アッパーマウントも無意味に新品に交換したのですが、
「セルフロックナット、結構硬いなぁ」なんて思いながらこちらも純正新品のナットを締めていると、
突如「バキッ!」と音がしてトルクが抜け、初めは何事か理解できなかったのですが、
マウント側に圧入されているボルトが外れてしまいました。
最悪なことにセルフロックナットなので、締めるも緩めるもできなくなってしまい、
取り付けも取り外しも困難な状況に陥りました。
フランジナットであり簡単にはナットは割れないし、
奥まった場所で切るも叩くも削るも作業性は悪いし、
ボルトはスプリングとアッパーラバーで支えられているだけでグラグラだしで大変苦労しましたが、
ナットブレーカー、タガネ、やすり等々いろんなものを駆使して、何とか取り外しました。
無駄に新品にしていたので、取り外せれば元付いていた部品を使用して取り付けられます。
トラブルが解消されれば慣れた作業で、リヤもすぐに取り付けは終了。
作業は自分でやっているのでタダですが、大変時間を取られました。まぁこれも経験か。
しかし、純正供給部品の品質の悪さが、最近目立つ気がするのは私だけじゃないのでは。
供給してくれるだけありがたいような、でも安くない金額払ってますからね。
せめて実用に耐える品質は確保してほしいものです。不良品です。
さてもう3、400km乗ってきましたが、第一印象は「硬い」です。
ゴツゴツした衝撃を感じます。ふわふわになりすぎたらどうしよう、なんて思っていたのですが・・・
しかしもう少し注意深く観察してみると、ピークは抑えられているので、
「無理、壊れそう」な突き上げではありません。NewSRよりゴツゴツが多く、小さい。
そしてクルマが動かないですね、フラットです。これは長距離、楽ですね。
硬いですけどクラブSなので、いいと思いました。ふわふわゆったりはメダリストがありますから。
車速を上げれば、あのふにゃふにゃだるだるのハンドルはどこへ・・・
まるで別のクルマです。安定性も応答性もグッと上がりました。巡航速度があげられます。
制限速度120km/h時代に対応したといった感じです。これは高速も、楽ですよ。
峠道も同じ理由でらくちんです。よく曲がるし、旋回中に大きなうねりを超えるような場面、
メダリストなら底付きして飛ばされてしまいますが、軽くこなしてくれます。NewSRより安定してる。
乗り心地をよくしたくてショックアブソーバーを交換したのですが、
どっちかというとハンドリングの向上代が大きかったですね・・・しかし、満足です。めでたしめでたし。
※追記
2年ほどこのダンパーに乗りまして、改めて考察します。
上記の感想は疑いもなくその通りだったと思います。
ピークGは低いながらゴツゴツ硬い印象を持つ乗り心地でした。
しかしこの後、前後パフォーマンスダンパーやリアクロスバーなどを追加していき、
ゴツゴツ、ブルブルといった振動が改善、気にならなくなっていきました。
するとこのダンパーの、しなやかに足を動かしてフラットに走る、という長所が一段と光りはじめ、
今では大変気に入った乗り心地に仕上がっています。
要は、ダンパーとボディの相性が良くなかった(ボディがダンパーの性能に負けていた)
ということだと思います。
失礼ながら所詮は机上セッティングのダンパー、
現車に合わせてもっとセッティングを詰めていけば、ボディ補強をせずとも、
ある程度は固さの気にならないダンパーに仕上げられたかもしれません。