八王子高尾 ピアノ教師 の日記 -17ページ目

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

最初から期待を裏切って何ですが(笑)

上達の秘訣のメソッドとかの話ではありません。

上達するという事について、という点からのお話です。


基本練習というと、とかく堅苦しい、つまらない、と身構える方が多いです。

中には、私、いやな事はやりません!と公言される方もいて。

いいのです。

いやがる大人の方に、ハノンやツェルニ-を強制する元気は私もありません。


基礎練習はレベル的にあまりに無理な曲は別として、普通の曲でも行っていきます。

只、どうしても好みがあり、偏りがでてしまったり、望ましい順序で出来ない事もあります。

そのあたり、バランス見ながらやっています。


例えば、手の甲をゆすらないで弾きましょう!を覚えて欲しい場合、

ハノン等で10円玉手の甲に乗せて練習しても楽しくないし効果もありません。

それより、実際に曲を弾いてみせて、ゆすると音がバタバタ汚い事を自覚してもらいます。

そうすれば、普通に美しい音を求めて直そうと努力してくれます。


同時に耳も鍛えられるのです。



基礎練習イコ-ル、ハノン、ツェルニ-等々、

という発想はありません。


でもハノンもツェルニ-も結構楽しいですよ。

嫌いな方ほど試して頂きたいのですが、どうしてなかなか(笑)




礎というのはそういう非音楽的な事でなく、きちんと音楽と一体となっているはずです。

例えば基本中の基本

スラ-の最後は丁寧に!

どんな曲でも、いかなる時でも徹底して頂きたい、基本中の基本です。




とにかく徹底して気をつけるって、いちいち面倒臭いなぁ

鍵盤のそばから丁寧に弾けって言われても、つい忘れちゃう

少しずつ楽に出来る様になったかな?

そうする事が少しずつ当たり前になる

無意識にそう弾く様になる



と、これが基礎の積み重ねです。


何分の何拍子だか、きちんと意識して!

面倒臭いなぁ、書いてあるじゃん、(聴いてる人は楽譜見てないよ)

拍の上下ってそれどころじゃないのに

上拍で墜落するたび、うるさいなぁ

墜落したくないのにしちゃうんだもん!何で?

そっか、弾き方違うんだぁ

こういう時はこうやって弾くんだ!



とこうやって習得していく訳です。(*^_^*)


ここで大切なのは、少しでも美しく弾こうという気持ちです。

この位でいいや!と妥協してしまうと、そこで終わりです。



まだまだありますが、こういう基本からはずれると、大体おかしな事になります。

それを徹底して守れば、きちんとした演奏になります。

逆に言えば、上達の秘訣というのはありません。

どんなに複雑になっても、どこまで基本を守れるか!なのです。



今、出来る限り常に美しく弾く、つまり言われた基本を守る

この習慣をつける事が、上達の秘訣でもあります。

少しずつ、具体的に説明していきますね(*^_^*)


又、どんなレベルの人でも、つまり注意すべき事は同じだという事です。

生徒さんに注意している事は、つまり私が常に気をつけるべき事でもあります。

只私はピアノ歴が長いですから。

生徒さんより、無意識に出来る基本が多く、複雑になっても対応できるという事だけです。


という事で、上達のためにまず、その1

少しでも美しく弾こう!という気持ちを常に持ち続けて下さい。

そうすれば、基本的な事が少しずつ、無意識に出来る様になります。


例えハノンでもツェルニ-でも。

もっときれいな音を出したい!生き生きしたリズムで弾きたい!

今のご自分に出来る事はもっとあるはずです。

心を込めて素敵に弾いた演奏を、大事な方に聴いて頂くつもりで練習すると楽しいです。


例年、チョコを義理で旦那様に渡している私が言うのも何ですが(^^;)

チョコはともかく、

音楽は愛ですから(*^_^*)

音楽としての間違いを理解して頂く為、よく理屈っぽい説明を致します。

このブログ記事でもそうですね。
例えば拍の上下だの、何拍子だのと、和声だの

時に重箱の隅をつつく様に説明します。
ブログ読んで、「お姑さんの様な先生かと思った」、という方も(笑)
大変大雑把です。(*^_^*)


只、ピアノ歴の長い大人の方の場合、間違いは根拠を示す事が大切だと思います。


今回の問題は、特に昔の厳しい先生の下で習った方
(40代以上?の方)
又は、お若くてもそういう方に習ってきた方。
いわゆる昭和の教育を受けた方、又は受けた先生に習ってきた方。


ピアノと格闘する様に弾いてしまう方が多く、ご自身でも悩んでいらっしゃる方。

そんな方々へのメッセ-ジです。

時代の影響と思われますが、共通している事が多いです。

とてもよく指も動き、手もしっかりしてます。
子供の頃からしっかり練習を継続してきた事がわかります。
昔の厳しい先生の下、続けてきた方達、皆さん、努力家です。

時代の影響で、共通した音楽の間違いがいくつかみられます。

それが原因で、しっかりした手や感性があるのに弾きにい訳です。



最も顕著なのが、ショパンがショパンらしく弾けない
何故か大きな音でガンガン弾いてしまう

そういう方が大変多いです。



もちろん苦手なのはショパンだけ?という訳ではありません。

ただ、モ-ツァルトやベ-ト-ヴェンだと、一応、形になるのです。
正確に弾けていれば、それなりに。

もちろん、そこには音楽として多くの間違いがあります。

それが例えばショパンだと、欠点が露骨に出てしまいます。


そして、ご本人がその違和感に苦しんでいる事を感じます。

自分が望む美しい世界と、今まで言われてきた事が食い違っている訳です。



何故こんな事が起こるのか。

昔の指導法に多かった問題をたまたまこんな所で見つけました。
私が使用した当時のツェルニ-40番の解説です。(抜粋)

第1番
ハ長調の音階は最も基本であり、第一に注意することは各音にムラを生じない事
その為に最初は指を明確に動かし、全部をフォルテで鍵盤の底まで確実に打鍵する事

この場合、フォルテが、その人が最も楽に出せる音量、という解釈なら問題ないのです。
でも恐らく、大きな音で!を要求された方が多いはず。

指を明確に動かし・・・これも、指をきちんと上げる、と要求された方が多いはずです。

これで1音1音明確に弾いた場合、それは音楽として美しくはなりません。


最初の、練習に際して、にこう書かれてあります。

この曲集は大変組織的に組み立てられてて(省略)
前半の無味な音楽性から少しずつ脱し、最後にはかなり・・・



最初はあまり面白くないでしょうが、そうした意図の上からも、
決して途中でやめる事のない様に各自努力して下さい。


私と同世代の方はこういう指導を受けた方が多いでしょう。
もっと若い方でも、その方の先生が、私と同じ様な経験をしてきたでしょう。
なので今でも、継がれている可能性は大きいです。



このツェルニ-40番解説にはつまり・・・・

きちんと各音をしっかり指を上げ、鍵盤の底まできちんとフォルテで弾きなさい!
つまらなくても我慢して、途中でやめない様努力しなさい!

とあります。

最も厄介なのは、子供の頃に正しい!と言われ続けた事
それはその人の心の軸となります。



つい、振り下ろして、ガン!と弾いてしまう。
音楽として楽しくなくても、それは基礎練習だから我慢してやるべきである。

こういう考え方に、どこかで支配されています。

そういう方達が、自分の弾き方を直そうと、先生を変えたとします。

「そこ、ガンとひかないで!」と言われ続ける事が多くなります。
これは大変なストレスです。

「もっと音を出して!」は、その人にとって楽です。
「もっと控えて」は、その人にとって大変です。

大体がここで挫折します。
「私、わからない!」


どうして良いか解らなくなってしまう方が多いのです。

そんな方達に対し
「ムキになって弾かないで、もっとこんな風に楽に・・・」
と言うのは簡単です。

でも大体その弾き方は、子供の頃に言われた弾き方と違います。
言う側は気をつけないと、「茶化された」と誤解される事もあります。

各音をもっとしっかりひくべき・・・・
基礎練習を毎日するべき・・・・


そう言われて、真面目に取り組んでいらしたのです。

何かが食い違い、ピアノと格闘する弾き方になってしまった方、多いのです。
皆さん大変真面目で努力家です。


どうにかしたい、と、いらして下さる訳です。
受け入れてもらう説明の仕方を考える必要があります。




そこで音楽としてどうあるべきか?の話になります。

拍子、テンポ
正しい拍子の表現、上下拍、表裏拍、その表現

リズム
音価の正しい取り方、各音符の持つニュアンスの表現


歌い方
フレ-ズのとりかた、呼吸の仕方、終止は和声との関連した表現

和声
緊張する響きや解決し弛緩する響き、
違和感を感じる響き、安定を感じる響き

音の並び方、調性、様々な事がまだまだあります。


視点を変えて、そこから考えてもらうと、音楽の間違いに気づきやすいのです。



ふわりと弾くべきところを、ガン!と弾いてはいけない

ならば、ふわりと弾くにはどうすればのだろうか?

奏法はこの音楽としての表現と密接なのです。

「音楽性はあるけど技術はない」という事はないのです。



ピアノを弾ける、しっかりした手と基礎知識があるのです。
努力できる人でもあるのです。


時に途方に暮れる事もあるかもしれません。
でも、折角ですから、ピアノと格闘はやめて、美しい世界を求めてもらえたらと思います。



練習すべき、でなくて、

練習したい!練習してると幸せ!

少しずつ変わっていきましょう(*^_^*)

くれぐれも、今までの事を否定するのでなく、良い点を考えましょう。

1音1音しっかり弾ける手、簡単に作れません。
今まで努力してきたからこそ、しっかり弾ける手があるのです。。

毎日コツコツ努力するのは大変です。
でも先生がそれをしっかり、身につけさせてくれたのです。

くれぐれもその事に感謝して。


その土台の上に、新しい弾き方を1つ覚える、という気持ちで取り組んで下さい。

今までの常識と違う事を言われると思います。

そんなの、わかんない!
いいのです。すぐに解らなくても。


へぇ-、そんな弾き方あり?なんだぁ!

と気楽に取り組んでみて下さいね(*^_^*)

人が会話をする時を考えてみましょう。

語尾を下げて、落ち着いた会話

「わかりました」
「はい」

これは、自分がわかった、自分が肯定した

自分の事を語っています。


?をつけると問いかけになりますね

「わかりました?」
「はい?」

あなたは、わかりましたか?
あなたは何か仰いましたか?


相手への確認や問いかけになります。

語尾は大事ですね。乱暴に言うと悲しいです。

音楽は会話と同じ、スラーの最後は丁寧にお願いします(^^)


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここではリズムを、解りやすい例にしています。

音楽でも、上方向に、ふわり?と弾く時、「?」のニュアンスが表現されます。

そこを、上から下に、ズン!と弾いてしまうとどうでしょう?

「?」は「!」というニュアンスになります。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

ここでちょっとおさらい(*^_^*)

下拍、

クラシックの場合、1拍目は下でとる拍です。

指揮棒が下に降りた所でとり、上から下、

音の方向は上から下です。


上拍

指揮棒が上がった所でとる拍です。

音の方向は下から上です。



ピアノを弾く時は、私達は常に鍵盤を上から下に押します。

音の方向が、常に上から下になってしまう過ちがよく起こります。  




解りやすい3拍子、ワルツで考えてみましょう。

ズン(下拍)、チャッ(上拍)、チャッ(上拍)、

必死になると、よくやる間違い・・・

ズン、から手を鍵盤から離してしまい、2拍目が上から、ドスン
3拍目のチャッ、で次の、ズンに備えて、下に墜落して居座る

という訳で、上拍が下拍になりやすいです。やれやれ(>_<)


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拍子、リズムを考えるとき、拍の上下を考える事は大切です。

「?」と「!」を取り違える事にもなるのです。

以前例に出したショパンのワルツを考えてみましょう。


IMG_20151107_235035313.jpg 
 
3小節目の3拍目の、>

強調として解釈し、実際にその音を強く、ズン!と、2拍子の様に弾く。

この場合、この序奏はズンズン進んでいく様な強気のニュアンスになります。





この3拍目、>があっても、あくまで3拍目の上拍として弾く。

すると実際に音を上から下にズン!と弾けません。

特にこの音に表情をつけて「?」を表現します。
 
この場合、この音の「?」を聴き手と一緒に味わう様な、ニュアンスになります。

ワルツのリズムが前面に出るので、こちらはエレガントな雰囲気になります。



この様に、拍の方向は表現に大きくかかわります。

その事を踏まえた上で、ご自身でどう弾くか決めて下さい。


さらに以前に書いた例をもう1つ

ワルツの様な3拍子は、大きくとらえると、1小節を1拍とする4拍子です。


1小節目が1拍目、2小節目が2拍目・・・・

そこで8小節目の強調された右手のアクセント

IMG_20151107_235035313.jpg


2段目の2小節目が第8小節目です。

あ、1拍目のアクセントは右手だけです
左手、つられない様に。

ここは小節では1拍目でも、大きくとらえると4拍子の4拍目。




悩みます。え?考えてない?あらあら

ここで、ちょこっと4拍子の4拍目を意識するとどうでしょう。

「?」のニュアンスが出てきます。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

拍の上下を意識しないと、どういう演奏になるか?

ほぼ、全部下拍にきこえます。鍵盤を押すので、上拍の方が弾きにくいのです。

大変怖い事に、共感を得にくい、独りよがりな演奏にきこえます。

語尾が上がるときの、「あなたは?」がありません。

常に、「私が!」と言われてる様なものです。


これは人間の自然な感覚です。

拍の方向をきちんと表現しないと、聴き手との間にコミュニュケーションが成立しません。

上手下手というより、ずぅと聴いていたい演奏と早く終わって欲しい演奏がありますね。

「?」「!」「・・・・」等々のニュアンス、

それをきちんと表現する事が大切です。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今回は表現のほんの一例として、拍子をあげました。

拍の上下が、どんなニュアンスを生むのか。

それは実は表現なのです。


その上で「?」と弾く時と、「!」と弾く時、

それぞれ技術を使い分ける必要があります。。

「?」の時は、呼吸も「え?」身体の使い方も上方向になります。
「!」の時は、その反対ですね。

表現と技術は一体化していますから、ちぐはぐになると弾けません




例は他にも沢山あります。

例えば和音、フレージング等々

それらには表現の上で役割があります。

そしてそれらが組み合わさる事により、多彩な表現が生まれる訳です。



私が!私が!という会話では、コミュニュケーションは成立しません。



音楽はコミュニュケーションかなと思います。


作曲家との対話・・・「あなたの描いた世界はどんな世界?」
私はこう弾きたいです。


楽譜との対話・・・「これはどんな表現を求めてるの?」
私は、こんな風に解釈します。


楽器との対話・・・「こんな音はどう?」
こんな音が欲しいです。


聴き手との対話・・・「こんな風に表現したのですが、どう感じますか?」
これが私が描いた世界です。


機会があれば次は和声の点からも、?や!を検証してみましょうね。


作曲家、作品、楽譜、楽器、聴き手・・・・そして何より演奏者自身

ソロの様でも、実はアンサンブルなのです。

心の通った素敵なアンサンブルを・・・・



音楽は愛ですから(*^_^*)