ピアノ・・・楽譜に書かれない事 | 八王子高尾 ピアノ教師 の日記

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

非常事態宣言が解除され、人が動き出し、喜ばしいですがまだ心配です。皆様もどうぞお気をつけて下さい。

近況ですがコンサートが2つ流れました。
1つは例年5月、フォルテピアノ「プレイエル」を使ったコンサート

もう1つは7月予定、2台ピアノ
ラフマニノフの組曲2番と、ラヴェル「ラ、ヴァルス」
こちらは7月の録音に向けて練習中です。

レッスンはオンラインも順調です。
技術的な問題の原因が凄く解りやすいので、皆さん技術的に一段飛躍されました(*^^*)
遠くの方とレッスン出来るのも何よりオンラインならではです。
生徒さんの「グランドが弾きたい!」という願いが叶わないのが残念ですが。

又、オンライン楽典講義も回を重ねてます。
理論とピアノ演奏をリンクさせ、自分でどう弾くか考えられる様になってもらえたらと思います。
独学が難しいので案内役させて頂いてます。
「この響きにときめくのは何故?」ラブラブ解ると楽しいですよね

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ちょっとここで基本的なお話

初心者の方で、鍵盤やピアノを弾くことに慣れていない方
その時点でハノンやツェルニーを1音ずつ丁寧に弾く事は良い練習になります。

その時には1音ずつ丁寧に鍵盤の下まで、ゆっくりでいいので確実に指で押していきます。
鍵盤に慣れて必要な動きを覚える段階です。
 

慣れてきたら、少しずつ速度あげます。
その時同じ弾き方で上げていくと、困った問題が起こります。

              例えば又々ツェルニー40番(中級向けですみません)
              

1拍の中に4つある16分音符、楽譜上同じ長さ重さですが、演奏すると当然違います。解りやすい様に重さを書くと

ととと、2ととと、3ととと、4とと

特に数字でない、ととと、は軽く、又小節1番最後の「と」は最も軽いです。
(念の為、重い=大きい音、ではありません)

そんな事は知ってます!
と言われそうですが、知らないと思われる様な演奏によく出会います。

リズムと拍子にきちんと乗って弾くと、ノリノリご機嫌な演奏になります。

んタタタ、ティヤタタ、ティヤタタ、ティヤタッ・・・

口三味線するとこんな感じ(*^^*)

厳禁!

たたたたたたたたたたたたたた

ある程度以上速くする時、「きちんと全部揃えて弾く」でなく、「抜くべきところで抜く」が出来ないと、大変弾きにくくなります。

ゆっくり動きや頭を整理するのは準備体操、音楽になったら生き生きお願いしたいです。
でないと手や身体の使い方が違ってしまいます。
とってもご機嫌な音楽になります。

ハノンも同じ。

まだ指がよく動かせない時、こんがらがる時
1つずつ丁寧に指で押して弾く時期が必要です。
慣れてきてメトロノームを上げてくると、リズムや拍子に乗る必要があります。
ティヤタ、ティヤタ、・・・・

確実に指で1つ1つ押す事を意識していたのと同じ弾き方で速いテンポでは弾けません。

リズム、拍子という要素がないと、ノリノリできず弾きにくいです。


意外とこの点が見過ごされ、頑張って全部ちゃんと弾こうとする方が多いのです。

同じ長さの音符でも、リズムや拍によって重さが違う・・・という暗黙の音楽の原則、それが楽譜に書かれてないからです。

裏拍の最後の「と」、1ととと
小節の最後の「と」1ととと、2ととと、3ととと、4とと

ここできちんと抜かないと、拍子やリズムが死んでしまいます。

 

、の弾き方間違ってしまうのです。

抜かないでテンポを上げようとすると大変弾きにくいです。
頑張って無理しても決して良い演奏に結びつきません。

 

こんな風に楽譜に書かれていない音楽の暗黙の原則、他にも色々あります。

例えば2音間にスラーがあれば、アクセントは最初の音で後の音が軽い
ティヤッ、ティヤッ、ティヤッ・・・と大変軽やかで躍動感あるリズムです。
タタ、タタ、タタ、タタ・・・と同じ音価で弾かれると残念になりまね。

ショパンエチュードop.10-3より

 

又スラーでブレスが明確に示されてるのに、最後の音をがっつりきちんと弾き込んで、息が吸えない演奏も多いです。

「スラーどう書いてあります?」(*^^*)と質問する事があります。
 

100万ドルの笑顔で質問してますが・・

質問されるという事は、今の演奏ではわからん!むかっ
質問されない様にお願いします~(*^^*)

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ほとんどの音楽は誰かの真似をして、一緒歌って弾いて踊る、
伝承で伝わったものが多いです。
一流ミュージシャンで楽譜が読めない方は多く、伝承、模倣をいう手段で習得されてきた訳です。

クラシック音楽は、元々は教会や王宮、アカデミー等が「記録」という特殊な手段で伝えてきた訳です。
だからこそ私達は数百年前の作品を楽しむ事が出来ます。故に「楽譜」の役割が大変大きいのです。

教会でミサをしたり、宮廷で舞曲を奏したり、コンサートでオーケストラ演奏があったり・・・
(同時に町の人々は、生き生きした音楽を楽しんでいた事でしょう)

楽譜には本来伝承される事が全て記せない、という事を常に忘れない事が大切です。

音楽の原点は、何か伝えようと声を出し(歌)身体を動かし(リズム)一緒に歌い踊る(ハーモニー)事にあります。

楽譜の中には暗黙のルールがあり、それが「きちんと楽譜どおり」なのです。

 

困った事に、常に上から下に押す鍵盤楽器は、音を出す仕組みが歌や踊りの動きと乖離してしまいます。
バッハもショパンも、「鍵盤で歌う」事の困難さと大切さを力説してます。

ピアノを学ぶ方は特に、練習が音楽から離れない様に・・・
音楽から離れた弾き方では結局楽に弾けません。

鼻歌でいいので、弾くのと同じ位、どんどん歌って下さい。

ご機嫌に弾けば、ツェルニーも、実はとっても可愛いですよ(*^^*)