まず、もう少し、上拍、下拍、について考えてみましょう。
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復習
1拍目は下で取る拍、指揮棒が下に降りた瞬間に下で取る拍
音の方向は、上から下
2拍子なら1拍目が下拍、2拍目が上拍
ズン、チャッ
3拍子なら1拍目が下拍、2、3拍目は上拍
ズン、チャッ、チャッ
上拍は指揮棒を下さず、上でとる拍です。
上拍の墜落は厳禁です。
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ズン、チャッ、チャッ・・・3拍子を見てみましょう。
有名なショパンの「華麗なる円舞曲」op18
https://www.youtube.com/watch?v=SUtP79EYkIw
冒頭のファンファーレ、華やかでドキドキしますね。
(どこかでとちりそうだと、ドキドキしない様に)
最初の2小節、ここは問題ありませんね。
タァ~ン、タタ、 タァ~ン、タタ
問題は3、4、小節目、3拍子を解りにくくしてます。
タン、タタ、タン、 タタ、タン、タタ
で、更にこの4分音符、タン、に > があります。
つい、>を見ると、アクセント、強く弾かねば!と、思ってしまいます。
で、この>記号のところで、ズン!と下に思い切り弾いてしまう。
すると、ここが2拍子に聴こえます。
もちろん、意図的にこういうリズムで、3拍子感を解りにくくしている訳です。
(ショパンのワルツの、ビミョーにお洒落なところです)
でも、2拍子に弾いてほしければ、2拍子で書きます。
3拍子に書かれているなら、3拍子で弾かねばなりません。
誤解される事が多いのですが・・・
>、アクセントだから、強調する=音量を大きくする、ではありません。
その音を強く意識する、表現、と考えて下さい。
このファンファーレ、あくまで3拍子です。
>記号を誤解して読まない事、拍子を大きく損ないます。
>が書かれていても、2拍目、3拍目は、上拍です。
上から下にズン!と弾いてはいけません。ここは、チャッ、です。
2拍子3小節の様な、でもあくまで3拍子で2小節、
拍子の原則を守り、>を表現すると、とても粋でお洒落なリズムです。
拍子の原則を忘れると、大変無粋で残念な演奏になります。
素敵に弾いて下さいね(*^_^*)
話、もう少し続きます。
音楽は4小節1まとまり、が大変多いです。
その為、ワルツの様な3拍子は、小節単位では3拍子
で、グループ単位では、1小節1拍の4拍子
1、と、と、2、と、と、3、と、と、4、と、と、
となります。
もう一度楽譜見てみましょう。次の4小節を見てみましょう。

8小節目、(2段目の2小節目)の右手の2分音符、大変強調されてますね
右手、fzに更に縦のアクセント記号がついてます。
もちろん小節単位では、ここは1拍目の下拍でしっかり下でとります。
が、1小節1拍で考えると、ここは4拍子の4拍目、上拍になります。
つまり、ここは・・・・・
3拍子の1拍目らしく弾きつつ、4拍子の4拍目らしく弾かなくてはならない!
一体、どう弾けというのだ?!

大変難しいですよね(*^_^*)
で、その8小節目の左手の3拍目に、これまた、>、こんな記号がついてますね。
ここで、>だから強くと、左手の3拍目でドスン!と墜落したら・・・・・
あまりに残念!(>_<)
こんな風に、拍子をきちんととる・・・実はとんでもなく大変です。
もちろん、リズムは理屈ではありません。
優れた演奏をまねて、感覚で覚えろ!というのが正しいのかも知れません。
けれど、基礎理論を知った上で、楽譜のスラーやアクセントを読み取ると、もっと色々見えてきます。
理論は歴史の上に、必要があって成立してきたのです。
バロックの頃の指揮のとり方、
舞踊の動き(動きに反する弾き方は大変弾きにくいです)
様々な事と関わって、その上に成り立っているのです。
その原則の上に、「ショパンはどう弾いて欲しかったのか?」
楽譜は作曲家の手紙だとよく言います。
手紙は古いので、この際メールでもラインでもいいです。
何を言いたかったのか?恋して、読み取る努力をしてみて下さい。
「好きだよ、今手が離せないから、あとでね」
本当?手が離せないって誰か一緒?
好きならアレコレ、考えますよね?余計なことまで(笑)
音楽は愛ですから。・・・・うふふ(*^_^*)
最後に、ウィキペディアにあった自筆譜画像です。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8F%AF%E9%BA%97%E3%81%AA%E3%82%8B%E5%A4%A7%E5%86%86%E8%88%9E%E6%9B%B2_(%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%91%E3%83%B3)#/media/File:Chopin_-_Grande_valse_brillante_op18_-_MS_p1_-_Die_Musik_vol7-3_Nov_1907.jpg