ピアノは変な楽器だな~とよく思います。
鍵盤を指で押すと音が出ます。
「音はあなたの鏡です。心を込めなさい!」
なんて怒られて育ちまして、お陰で鍵盤を丁寧に押します。
この問答無用!言うとおりにしなさい!という昔の怖いピアノの先生(笑)
色々非難がある今日ですが、良い面も多いです。
躾が厳しく良い習慣が身に付き、いつも怒られてるから全く凹まなくなる(笑)
という訳で丁寧に音を出そうと心掛ける日々です。
するとピアノ内部で2アクション位を経ます。(そういう構造らしいです)
自分の手で直接音を出す訳でないのです。
そして、手の届かない遠くでハンマーが下から弦を叩く事で、音が出ます。
(グランドピアノの場合)
きっと歌やヴァイオリンは、自分の音~~~という感覚が持てるのでしょうね。
という訳で、ピアノは特に音に対するイメージをしっかり持たないと、不自然な事をやらかします。
ハンマーが弦を下から叩く事で音がでるのに、自分が鍵盤を押すという正反対の動作
おまけに、音符が多過ぎるし、いくつもの声で歌う訳です。
それらの音、フレーズ一つ一つに意識が必要ですが・・・
「んな事、無理ですっ!」
と、生徒さんに問答無用に言われる今日この頃です(涙)
話は又脱線しますが、子供時代は先生に問答無用と言われ
先生になったら生徒さんに問答無用と言われ
何だか損した気分です(笑)
あ、うちの生徒さんは、皆さん、耳を傾けてくれます。ハイ
話戻りますね。
例えば強い音、フォルテ、が豊かに響き渡る様に欲しい時
お気持ち解りますが、上から「ガツン!」と、やっちゃう方がいます。
すると弦をハンマーが、「ガツン!」と叩く訳です。違いますよね(汗)
豊かな響きでなく、「問答無用」!ガツン、と断ち切られてしまいます。
豊かで柔らかい響きが欲しい時は特に、そっとゆっくり鍵盤を押す事になります。
鍵盤を押すスピードによって、音色が変わります。
鍵盤を押すスピードが速い程、明瞭で固い音になります。
ゆっくり押すと、柔らかく豊かな音になります。
ここで一つ問題があります。
テンポの速さが必要な時、打鍵の速度と音色について考えないと、ただ速いだけになってしまいます。
固いきつい音で何も考えずに猛烈なスピードで弾かれると、「指がよく動くね~」と感心はします。
でも、「いいな~、もっと聴きたいな~」とは思えません。
余韻も何もなく、疲れてしまいます。
音に神経を使うと、やたらに速く弾けなくなるはずなのです。
私は指が高速回転するぞ!という方、気を付けてください。
打鍵だけでなく、打鍵後にも神経を使います。
音の余韻を掌で慈しむ様に
(ショパンのスタッカートによくあります)
速い音符でも、一音一音に余韻があり、真珠の様な音色になる
(モーツァルト必須テクニックです)
消えゆく音が、まるで香りの様に拡がる・・・、
(ドビュッシーやスクリャービンの様な)
この音の余韻の部分に対する演奏者の想いが、聴き手に伝わり共感してもらえた時
「ああ~、いいな~、もっと聴いていたいな~」
と思って頂ける訳です。余韻を共感するのですね。
そこを問答無用!と、た~~~っと弾かれると寂しいです。
一方的に早口でまくし立てられる様なもので、聴き手の心が入る余地がありません。
自分を語るだけでなく、余白、余韻を、聴き手に提供する事が大切です。
注)テンポをあげる時は、細心の注意が必要なのですネ
間違えずに弾くのに精一杯、それどころじゃない!(笑)
はい、大変難しく何年もかかります。
でも、「よく指が動くね~」だけでは寂しいですよね
「あ~、もっと聴きたいな~」という演奏をしてほしいです。
ご自分が曲を選んだ時の事を考えて下さい。
作曲家は作品に、何か余白を残してくれているのです。
そこに共感できたからこそ、その曲を弾きたいと思ったはずです。
ならばご自分の演奏も、聴いてくれる方に、余白を残してあげて下さい。
「この響きが好き!聴いて欲しい!」
そう思って弾いてくれると、それが聴き手に伝わります。
聴き手も一緒に、その響きを味わえた時、「あ~、もっと聴きたいな~」と思えるのです。
初心者の方でも今から、すぐできる事があります。
例えば曲の一番最後とか、気持ちに余裕のある所があるはずです。
例えば曲の最後は、一番解りやすいですね。
まずはそこからスタートしてみましょう。
この曲は、どんな風に終わりたいのか・・・・
音が消えゆく様に終わりたいのか、
きっぱり終わりたいのか
華麗に大きく手をあげて終わりたいのか
イメージがあるはずです。
消えゆく様に終わりたい時に、パッと手を上にあげて終わると、これ、不自然ですね。
ゆっくり、すーっと手が離れるはずです。
同じ消えゆく音でも、拡がって消えるなら、手がふわりと宙に浮くはずです。
平らにす~っと消えるなら、手は上がらず、手前にゆっくり引いて終わるはずです。
心臓を鷲掴みにする様な音で終わりたい時に、手をふわっと広げませんよね。
自分の方にひっかく様に終わるはずです。
曲の最後だけでもいいです。きちんとイメージして、同じ呼吸で動く事が大切です。
やがて上達と共に、イメージが曲の隅々に行き渡る様になります。
イメージに合った呼吸と動きができる様になります。
そこから、無駄な動きを省く事で、速い動きでも出来る様になります。
イメージした呼吸、気持ちで弾く事で、正しい動作が習得できるのです。
自分が求めている音がどうすれば出るのか、常に追い求めて下さい。
その時に、最も美しい音を求める事が大切です。
一流の演奏、芸術に沢山触れる事、良い楽器にどんどん触れる事。
「私はこの程度だから、同じ位の人の演奏を参考にします」
これは絶対にいけません。
やがて、イメージと合った動きを習得し、少しずつ楽に弾ける様になります。
まずは最後をきちんとイメージを持って終わる事、そこからスタートして下さい。
あ~~っ!誰ですか?
音符だけで最後の休符を端折るのは!
弾き終わって、手を膝に置くまでが音楽は続いているのですよ。
自分の音楽性を自分で損なう様な事は絶対にやめましょうね。
そうそう大事な一言
終わり良ければ全てよし!