ピアノ・・・「音」に対するイメージを持つ事 | 八王子高尾 ピアノ教師 の日記

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
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ピアノは変な楽器だな~とよく思います。


鍵盤を指で押すと音が出ます。

「音はあなたの鏡です。心を込めなさい!」

なんて怒られて育ちまして、お陰で鍵盤を丁寧に押します。


この問答無用!言うとおりにしなさい!という昔の怖いピアノの先生(笑)

色々非難がある今日ですが、良い面も多いです。

躾が厳しく良い習慣が身に付き、いつも怒られてるから全く凹まなくなる(笑)



という訳で丁寧に音を出そうと心掛ける日々です。

するとピアノ内部で2アクション位を経ます。(そういう構造らしいです)

自分の手で直接音を出す訳でないのです。

そして、手の届かない遠くでハンマーが下から弦を叩く事で、音が出ます。
(グランドピアノの場合)

きっと歌やヴァイオリンは、自分の音~~~という感覚が持てるのでしょうね。



という訳で、ピアノは特に音に対するイメージをしっかり持たないと、不自然な事をやらかします。

ハンマーが弦を下から叩く事で音がでるのに、自分が鍵盤を押すという正反対の動作

おまけに、音符が多過ぎるし、いくつもの声で歌う訳です。


それらの音、フレーズ一つ一つに意識が必要ですが・・・

「んな事、無理ですっ!」

と、生徒さんに問答無用に言われる今日この頃です(涙)


話は又脱線しますが、子供時代は先生に問答無用と言われ

先生になったら生徒さんに問答無用と言われ

何だか損した気分です(笑)

あ、うちの生徒さんは、皆さん、耳を傾けてくれます。ハイ




話戻りますね。

例えば強い音、フォルテ、が豊かに響き渡る様に欲しい時

お気持ち解りますが、上から「ガツン!」と、やっちゃう方がいます。

すると弦をハンマーが、「ガツン!」と叩く訳です。違いますよね(汗)

豊かな響きでなく、「問答無用」!ガツン、と断ち切られてしまいます。



豊かで柔らかい響きが欲しい時は特に、そっとゆっくり鍵盤を押す事になります。

鍵盤を押すスピードによって、音色が変わります。

鍵盤を押すスピードが速い程、明瞭で固い音になります。

ゆっくり押すと、柔らかく豊かな音になります。



ここで一つ問題があります。

テンポの速さが必要な時、打鍵の速度と音色について考えないと、ただ速いだけになってしまいます。

固いきつい音で何も考えずに猛烈なスピードで弾かれると、「指がよく動くね~」と感心はします。

でも、「いいな~、もっと聴きたいな~」とは思えません。

余韻も何もなく、疲れてしまいます。


音に神経を使うと、やたらに速く弾けなくなるはずなのです。

私は指が高速回転するぞ!という方、気を付けてください。



打鍵だけでなく、打鍵後にも神経を使います。

音の余韻を掌で慈しむ様に
(ショパンのスタッカートによくあります)

速い音符でも、一音一音に余韻があり、真珠の様な音色になる
(モーツァルト必須テクニックです)

消えゆく音が、まるで香りの様に拡がる・・・、
(ドビュッシーやスクリャービンの様な)

この音の余韻の部分に対する演奏者の想いが、聴き手に伝わり共感してもらえた時

「ああ~、いいな~、もっと聴いていたいな~」

と思って頂ける訳です。余韻を共感するのですね。



そこを問答無用!と、た~~~っと弾かれると寂しいです。

一方的に早口でまくし立てられる様なもので、聴き手の心が入る余地がありません。

自分を語るだけでなく、余白、余韻を、聴き手に提供する事が大切です。


注)テンポをあげる時は、細心の注意が必要なのですネ



間違えずに弾くのに精一杯、それどころじゃない!(笑)

はい、大変難しく何年もかかります。


でも、「よく指が動くね~」だけでは寂しいですよね

「あ~、もっと聴きたいな~」という演奏をしてほしいです。



ご自分が曲を選んだ時の事を考えて下さい。

作曲家は作品に、何か余白を残してくれているのです。

そこに共感できたからこそ、その曲を弾きたいと思ったはずです。


ならばご自分の演奏も、聴いてくれる方に、余白を残してあげて下さい。

「この響きが好き!聴いて欲しい!」

そう思って弾いてくれると、それが聴き手に伝わります。

聴き手も一緒に、その響きを味わえた時、「あ~、もっと聴きたいな~」と思えるのです。



初心者の方でも今から、すぐできる事があります。

例えば曲の一番最後とか、気持ちに余裕のある所があるはずです。

例えば曲の最後は、一番解りやすいですね。

まずはそこからスタートしてみましょう。



この曲は、どんな風に終わりたいのか・・・・

音が消えゆく様に終わりたいのか、

きっぱり終わりたいのか

華麗に大きく手をあげて終わりたいのか

イメージがあるはずです。



消えゆく様に終わりたい時に、パッと手を上にあげて終わると、これ、不自然ですね。

ゆっくり、すーっと手が離れるはずです。

同じ消えゆく音でも、拡がって消えるなら、手がふわりと宙に浮くはずです。

平らにす~っと消えるなら、手は上がらず、手前にゆっくり引いて終わるはずです。

心臓を鷲掴みにする様な音で終わりたい時に、手をふわっと広げませんよね。

自分の方にひっかく様に終わるはずです。


曲の最後だけでもいいです。きちんとイメージして、同じ呼吸で動く事が大切です。

やがて上達と共に、イメージが曲の隅々に行き渡る様になります。

イメージに合った呼吸と動きができる様になります。

そこから、無駄な動きを省く事で、速い動きでも出来る様になります。

イメージした呼吸、気持ちで弾く事で、正しい動作が習得できるのです。



自分が求めている音がどうすれば出るのか、常に追い求めて下さい。

その時に、最も美しい音を求める事が大切です。

一流の演奏、芸術に沢山触れる事、良い楽器にどんどん触れる事。

「私はこの程度だから、同じ位の人の演奏を参考にします」

これは絶対にいけません。

やがて、イメージと合った動きを習得し、少しずつ楽に弾ける様になります。


まずは最後をきちんとイメージを持って終わる事、そこからスタートして下さい。



あ~~っ!誰ですか?

音符だけで最後の休符を端折るのは!

弾き終わって、手を膝に置くまでが音楽は続いているのですよ。

自分の音楽性を自分で損なう様な事は絶対にやめましょうね。


そうそう大事な一言

終わり良ければ全てよし!