ピアノ・・・テクニックの壁の恐ろしさ | 八王子高尾 ピアノ教師 の日記

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
皆様と音楽やピアノについて、交流ができれば幸いです。ピアノについてのご質問等も是非お寄せ下さい。
oyuki42koba☆yahoo.co.jp ☆を@にかえて下さい。

難易度の高い曲に挑戦したい!という気持ちはよく解ります。

大好きな曲なら尚更、応援したいです。

少しの背伸びも良い経験になります。


只ピアノという楽器は、大きな落とし穴があります。

背伸びはいいです。無茶は絶対にいけません。



ピアノ演奏には、歌や管楽器、弦楽器に比べ、非音楽的思考が必要です。

音楽と離れた冷静さが他の楽器に比べ多く必要なのです。

そしてその情報量が極端に多いです。



培ってきた指の筋力や全身のピアノ的運動神経、感性、音楽力・・・

地力からあまりに難し過ぎる曲を弾くのは、大変危険です。

積み上げてきた事を大きく損ねてしまいます。



例えば曲には相応しいテンポがあり、許容範囲があります。

正しい拍子で速度を上げる事は大変なストレスです。



打楽器でメロディを弾くピアノでも、出てしまった音に対する意識が必要です。

余韻や長い音の保持、音楽的に聴き手が共感する演奏には、そこまでの配慮が必要です。



実際は、出してしまった音に対しては何も出来ません。

でもその意識がないと音楽の流れから分離し、息が詰まる様な演奏になります。

でも、今弾いている音も多く、次に弾くべき音もとにかく多い。

複雑さや速度に追われると、出してしまった音にまで神経は回せません。

そんな事まで気にしてたら速く弾けないっ!



音楽と技術は別のものではありません。

曲と一体化した呼吸、心の持ち方から離れると、大変弾きにくいです。

メトロノーム速度を上げる練習は、大変危険なのです。


音楽と身体がどんどん分離し、息の詰まる様な演奏になります。

脳は悲鳴を上げ、感覚も鈍り、故障の危険も増えます。



本番の日までに、ある程度のテンポで弾けないかも知れない!

追い詰められ、必死に練習するのは大変つらいです。

その時に地力の許容量を超えると、培ってきた音楽を大きく損ねます。

正しい拍子感、美しく歌う事、美しい音を求める事・・・等々



「ある程度のレベルの曲を必要な速さと正確さで弾ける!」

コンクール等では必須です。

審査は好みでなく公平性が必要だからです。


「上手だけど息が詰まるね~」

という演奏は、圧倒的にピアノに多いです。

けれどピアノ奏者の音楽理解力は大変高く、決して非音楽的ではないのです。



非音楽的演奏者や、その指導者を声高に批判する人達も多いです。

けれど声高に批判する人達

追い詰められて極限まで練習した経験がない人が多いです。

技術的な壁にぶつかり、もがくほど、非音楽的になってしまう危険があります。

損なったものを取り戻す事は大変困難です。



無茶は大変危険です。ご自身の音楽を大事にして下さい。

選曲は先生にきちんと相談なさって下さいね。


努力が、素敵な音楽として実を結びますように。(*^_^*)