難易度の高い曲に挑戦したい!という気持ちはよく解ります。
大好きな曲なら尚更、応援したいです。
少しの背伸びも良い経験になります。
只ピアノという楽器は、大きな落とし穴があります。
背伸びはいいです。無茶は絶対にいけません。
ピアノ演奏には、歌や管楽器、弦楽器に比べ、非音楽的思考が必要です。
音楽と離れた冷静さが他の楽器に比べ多く必要なのです。
そしてその情報量が極端に多いです。
培ってきた指の筋力や全身のピアノ的運動神経、感性、音楽力・・・
地力からあまりに難し過ぎる曲を弾くのは、大変危険です。
積み上げてきた事を大きく損ねてしまいます。
例えば曲には相応しいテンポがあり、許容範囲があります。
正しい拍子で速度を上げる事は大変なストレスです。
打楽器でメロディを弾くピアノでも、出てしまった音に対する意識が必要です。
余韻や長い音の保持、音楽的に聴き手が共感する演奏には、そこまでの配慮が必要です。
実際は、出してしまった音に対しては何も出来ません。
でもその意識がないと音楽の流れから分離し、息が詰まる様な演奏になります。
でも、今弾いている音も多く、次に弾くべき音もとにかく多い。
複雑さや速度に追われると、出してしまった音にまで神経は回せません。
そんな事まで気にしてたら速く弾けないっ!
音楽と技術は別のものではありません。
曲と一体化した呼吸、心の持ち方から離れると、大変弾きにくいです。
メトロノーム速度を上げる練習は、大変危険なのです。
音楽と身体がどんどん分離し、息の詰まる様な演奏になります。
脳は悲鳴を上げ、感覚も鈍り、故障の危険も増えます。
本番の日までに、ある程度のテンポで弾けないかも知れない!
追い詰められ、必死に練習するのは大変つらいです。
その時に地力の許容量を超えると、培ってきた音楽を大きく損ねます。
正しい拍子感、美しく歌う事、美しい音を求める事・・・等々
「ある程度のレベルの曲を必要な速さと正確さで弾ける!」
コンクール等では必須です。
審査は好みでなく公平性が必要だからです。
「上手だけど息が詰まるね~」
という演奏は、圧倒的にピアノに多いです。
けれどピアノ奏者の音楽理解力は大変高く、決して非音楽的ではないのです。
非音楽的演奏者や、その指導者を声高に批判する人達も多いです。
けれど声高に批判する人達
追い詰められて極限まで練習した経験がない人が多いです。
技術的な壁にぶつかり、もがくほど、非音楽的になってしまう危険があります。
損なったものを取り戻す事は大変困難です。
無茶は大変危険です。ご自身の音楽を大事にして下さい。
選曲は先生にきちんと相談なさって下さいね。
努力が、素敵な音楽として実を結びますように。(*^_^*)