もう少し生き生きと弾けるのになぁ~・・・といつも思う生徒さん。
一応きちんと弾けてますが、「何か違う、弾きにくい」
と自覚していらっしゃいます。
私が時々弾いてみると「先生は生き生き弾きますよね~、いいなぁ~」
弾けているのに、何か魅力がなく、弾きにくそうである。
細かい点を挙げると確かに色々問題があります。
ちょっと別の視点からレッスンしてみました。
ハノン、40番半音階
ピアノで出せる最も狭い音程(音の幅)は半音です。
鍵盤ですぐ、お隣の音です。
これを4分の3拍子、16分音符で、だぁ~っと弾いていく訳です。
「弾いてみて」
「た、た、た、た、・・・・」(一応弾けてますが、違うのです)
楽譜の通りに順番に音を弾いている。それだけでは生命力が生まれません。
大事なのは、半音階って何?
ピアノでの半音階は、全部の音を隙間なく埋めていく訳です。
ねちねちと、隙間をのり状の物で埋め込んでもいい。
点描画の様に細かい所を隙間なく打ち続けてもいい。
半音階なら半音階の特徴、半音階が表現する「何か」がある訳です。
隙間がない。
弾く人も、狭い範囲を指をチョコチョコ動かす事になります。
ただ体操のように指を動かしても、そこには生命がありません。
どう弾くかイメージすると、その様に指が動くのです。
隙間を塗りつぶす様に弾く。
指の動きが最小限になり鍵盤にはりつく様に弾きます。
隙間を打って埋め尽くす。
指は上下に敏捷に打つ様に動きます。
音楽には間違いはあるけれど、正解はない。とよく言います。
半音階に、隙間があるのが間違いです。
ベトベトとのりで埋めても、ダダダと機関銃の様に埋めてもどちらでも良いです。
それは自由です。
スカスカ、パカパカと弾くのが間違いなのです。
又、一番狭い音の幅でぶつかり合う音、半音は一緒に鳴らすと不快な音です、
ド、♯ド
この音を一緒に鳴らされれば不快です。
トリルで長々弾かれたら、落ち着かないはずです。
つまり、半音は不安を煽る音程です。
でん、と腰を据えて、落ち着き払って弾く、これも間違いです。
(そう弾かれるとドツキたくなります・・失礼)
もう一つ、一オクターブの中の音を全て弾くのが半音階です。
普通の音階と違って、調性感覚がありません。
長調と短調の区別もありません。
調性感覚は、落ち着きと安定につながります。
何調だか解らないまま、延々と続く音階は不安を感じさせます。
不安を感じながら、心拍数が上がる様な感じをイメージして弾く事。
「でん!」と安定を感じさせない事。
隙間という存在を許さず、埋め尽くす様に弾く事。
それを守れば、自然に生き生きと半音階が弾けます。
もちろん最初はゆっくり練習します。
その時からイメージを持って下さい。
又どんなに慣れても拍子は必ず正しくとり続けます。
拍子をとっている事を表面に出すか出さないか。なのです。
最初から正しいイメージを持ち続ける事が大切です。
リズム、音階、和音、
楽譜に書いてあるだけでなく、様々な特色を持っています。
それらを読み取る事が大切です。
そこから生まれる表現は多彩です。
そしてその特色と分離した弾き方は間違いで弾きにくいのです。
弾きにくい=何かが間違っていると考えてよいです。
間違った弾き方で練習しても意味がありません。
ハノンは効率良い教材です。きちんとイメージを持って練習する事が大切です。
多くのハノン、ツェルニー批判は、その事を忘れた練習から生まれているのです。