バッハが少々苦手だった生徒さん。
ショパンのワルツやシューベルトの即興曲レベルは頑張れば弾けます。
真面目に練習もしてきて下さいます。
バッハになると左右の手を合わせる事に精一杯。
最初にいらした時、インヴェンションを持ってうちにいらっしゃいました。
かなり練習しても、何度も停止してしまいます。
ご相談の上、プレ・インヴェンションを練習して頂きました。
「バッハ苦手です~」
「皆さん、そうなんですよ~」
他の曲を聴いていると、バッハが苦手な原因は解ります。
とはいえ、今日注意して来週なおせる事ではありません。
紆余曲折を経て、再びインヴェンションに再挑戦する事になりました。
紆余曲折とは以下の事です。
拍子を正しくとり、拍子に徹底的に合わせて弾く事。
どんなに細かい音符の連続でも、拍に合わせる事、流して弾かない事。
8分音符以下の短い音符は、尻餅つかずに通過する様に弾く事。
スラーをきちんと歌い始め、丁寧に歌い終わる事。
何度も書いてきた事ですネ。
これらは要するに「正しい歌い方」の基本です。
正しい歌い方が理解できたところで、片手インヴェンション。
1番を、まず片手ずつ弾きます。
右手、左手それぞれを正しく、できるだけ美しく歌える様に。
ひたすら私と片手連弾です。
相手の私は徹底的に正しく歌って弾きます。
それを聴いて合わせます。
やがて左手を弾いてる時に、所々一緒に右手を歌える様になりました。
そして5回目位で、両手でとても美しく弾けました。
バッハを弾ける様になる事はもちろんです。
目的はこれだけではないのです。
成果は見事に出てきました。
他に練習されているショパンやシューベルトが、がらりと変わってきました。
リズムが大変安定し、丁寧に歌える様になってきました。
どちらかというと表現がやや乏しい方でした。
真面目だけど魅力に欠ける演奏をされる方でした。
それが、のびのび歌える様になりました。
リズムが細かい所まで安定し、それが身に付いた様です。
ミスをすると止まってしまう悪癖も、いつの間にか、なおってます。
これがバッハに取り組んだ方と、避けた方の大きな違いの1つです。
(まだまだあります)
きちんと演奏できる様になりたいなら、バッハは避けられないのですね。
次回は具体的に1番の例をあげて、正しい歌い方の具体例を説明致します。
音楽性は、素質ではなく正しい練習の積重ねで形成されます。
その事が、ご理解頂けると思います。