ショパン舟歌 2 | 八王子高尾 ピアノ教師 の日記

八王子高尾 ピアノ教師 の日記

桐朋学園大学ピアノ科卒業後個人でピアノを指導しつつ演奏活動を続けております。八王子市高尾駅より徒歩5分です。
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ショパンの舟歌について、エゴな記事を書いてしまい少し反省しております。
この曲が私にとって特別なのは、ある方のお話を伺ったからです。


ジョイントコンサートでこの曲を演奏した事がありました。
ご年輩のご婦人が終了後お声をかけて下さいました。
ご近所の方で、プログラムにこの曲があって、ふらりと入られたそうです。

50代後半の頃にガンを患い、余命宣告こそなかったものの、治療が大変苦しく死を覚悟されたそうです。
抗ガン剤で嘔吐が止まらず衰弱が進み、気力がなくなってしまうそうです。


「もうすぐ死ぬのかなと思うと、周りがぼや~っと明るくキラキラ輝いてね」
「自分だけ取り残される様で、まだまだ生きられる人がいいな~って」

お見舞いのCDにあったショパンの舟歌に涙が出たそうです。
以来この曲が特別な曲になったそうです。

「時々高らかに弾く方がいると、違う~っ!て苦笑いしちゃいます」


今では再発に怯えつつも15年以上経過し、お元気でいらっしゃるそうです。


このお話を伺って以来、私にとっても舟歌は特別な曲になりました。
長い年月を経て多くの人々に愛されてきた作品は、多くの人の物語を背負っているのでしょう。

 

佐村河内守事件については何とも言えません。


現代のベートーヴェン、震災の少女という物語がなければ、これだけ多くの人々に受け入れられる事はなかったかもしれません。
物語に嘘があったなら、人々を騙すのは問題です。


でも、人々は作品に物語を重ねて感動する権利があると思います。
作者の意図と違って幻想でも良いのです。



誰が作曲したにしろ、例え物語が嘘だったとしても、素晴らしい作品かどうか。



150年経った時、舟歌の様に

人々が物語を重ね、大事に思う作品であるか否か。

答えは歴史が証明してくれる事で、私は知る事ができません。