3番線に電車きてますかー? | 019|まる・いち・きゅう

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丸い地球をまわりながら考えていることの記録

複数の路線が乗り入れる駅。
ただでさえ同じホームから出る電車でも行き先が様々で厄介なのに今朝はダイヤが乱れていた。
電光掲示板にも何も表示されておらずアナウンスもぽつりぽつり。

やっと来た電車の次の電車との関係(追い越されるのか、接続がどうなっているか等など)がわからず乗ろうか乗るまいか迷っていると、
白杖を持った私と同じくらいの年頃の女性がエスカレーターを急いであがってきた。
ホームに着くなり、大きな声で
「すみませーん。3番線に電車きてますかー?」
どこからともなくあがる「来てますよ」という声にすかさず
「すみませーん。どこ行きですかー?」

結局私はその電車は見送って行き先の異なる次の電車に乗ったのだが一人で持っていた本も読まずに無心に考えた…。
今の人みたいな人と友達になりたい。

そんなことを思っていると実は先ほどの女性も行き先が私と同じ方向だったようで、
前の電車が違う線に乗り入れる駅でこちらの電車に乗り換えてきた。
私と同じくらいの女の子に案内してもらいながら。

思わず二人の会話に耳を傾けてしまう。
どうやらその女性は就活中。確かにスーツを着ている。
ってことは私と同い年か。

途中で隣に座っていた若夫婦の赤ちゃんがその女性を触る。
「なんだろう?」と女性。
「子どもさんですね、隣に座っている」と一緒に電車に乗ってきた女の子が説明すると
「かわいいー」
そこから夫婦との会話も弾む。
電車の中のそこだけがぽかぽかしているようで羨ましかった。
よくわからないけど無性に私も会話の輪に入れて欲しくなった。
そんな勇気はもちろんなかったけど。

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ほんとに些細な出来事だったけど
彼女の「3番線に電車来てますかー」という声はずどーんと胸につきささった。
彼女の赤ちゃんに対する「かわいいー」という反応は私の胃をきりきりとつついてきた。

誰にでも得意・不得意含めできないことがあるわけでしょう。
それを自分にできる方法で、自然な方法で、一生懸命補っていくっていうのも必要な努力なわけでしょう。
私は最近一体何を努力しているんだろ。
できることでさえ怠ってしまっていないだろうか。
そしてどんどん自分の感情に背いていって、
そしてどんどん自分が自分でつかめなくなっていく。

自分に正直に、自分に一生懸命に。
なり直せるかな。

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