参議院文教科学委員会の傍聴記録その3 | 長野県諏訪地域のいじめ・いきしぶり・不登校くちこみ情報             〈一般社団法人フォースマイル〉

長野県諏訪地域のいじめ・いきしぶり・不登校くちこみ情報             〈一般社団法人フォースマイル〉

不登校を体験した子どもの親が集まって
「子どもの笑顔を守りたい」
という思いでつながり合い育ち合っています。
長野県諏訪地域の不登校などの親の会や
支援団体等の情報、親のくちこみなどを提供していきます。


12月6日の
参議院文教科学委員会の

傍聴の記録の続きです。


小諸の親の会「はじめのいっぽ」の方
(ながの不登校を考える県民の会メンバー)が


答弁の記録をまとめてくださいました。

傍聴記録その1はこちら

傍聴記録その2はこちら


私たちは、教育機会確保法について、

賛成でも反対でもなく、

学んで、考え合っていきたいと思っています。

この記録も、関わる多くの方に

参考にしていただけたらと思います。


※この発言は参議院インターネット中継の
審議カレンダー12月6日の文教科学委員会で聴けます。




◇◆◇参議院文教科学委員会の傍聴記録◇◆◇

続き
参考人廣木克行さん(神戸大学名誉教授)の発言


◯ 吉良 よし子議員 (共産党)

・不登校の子どもの状態の意味を
理解することが重要だと思うがどうか

・今回の法案をどうみているか



◎ 廣木 克行参考人

廣木と申します。よろしくお願いいたします。
不登校の支援活動の経験をふまえてお答えいたします。

不登校の子どもの支援で最も大切なことは、
不登校になった子どもの心を理解することです。

不登校支援の難しさは、不登校を支援する人の関心が
不登校という当事者の状態に向けられやすく、
心に関心を持つ人が非常に少ないという点にあります。
しかも、心の理解を伴わない支援が、
当事者にとって新たな苦しみの原因になることが、
審議をされた議員のみなさんにも
あまり知られているとは思えません。

不登校の子どもは二重の苦しみを抱えます。
二重というのは、一つは不登校になる前に
競争的で管理的な学校生活や
人間関係のもつれなどを通して抱え込まされた
根源的な苦悩です。

もう一つは、不登校状態に陥った後、
親や親族、あるいは教員などが示す反応に
追いつめられ、行くべき学校に行けないことで
自己否定の感情を深めていく二次的な苦悩です。

重要なのは、この二重の苦悩を抱えた子どもが
陥る精神状態です。
それは「自らの過去と現在と未来の深刻なる切断」
と表現できます。

現在の自分から過去と未来を切断することで、
崩れ落ちそうな現在の自分を守りつつ、
かろうじて生きている状態と表現できます。

この話をすると、不登校を経験した青年たちの多くが
「自分が経験した苦しさの意味がよくわかる」
と言ってくれます。

そして、青年たちが取り戻す時間の順番は、
まずは現在。そして未来。
そのずっと先に過去ということです。

その現在を取り戻すための葛藤状態にある
不登校の子どもに、未来志向を促す学校や
勉強の話をすることは、それだけで
自らを守るために固く閉ざした未来の扉が
無理にこじ開けられることに等しく、
同時にその話を拒絶している自分自身への
絶望感を強めることにつながります。

また、思い出すのも怖い過去の扉をこじ開ける
原因追求の問いかけは、かろうじて維持している
アイデンティティを壊されるような苦痛を
子どもに与えます。

不登校の子どもの家庭内暴力は、
このような働きかけを受けた後に
多く見られる命がけの自己防衛の
反応であることを知っていただきたいと思います。

不登校の子どもが、学習の意志、
つまり未来への関心を示し始めるのは、
安心して自分のままでいられる
家庭などの居場所で安らかな時間を
必要なだけ過ごすことを保障された後に
訪れる安全で安心な現在を実感できた後のことです。

ここで法案についてですが、理解しがたいのは、
不登校対策法でありながら、
現在を取り戻す段階にいる
最も苦しい子どもに対する対応が明示されず、
付帯決議や何々等の「等」の解釈の中で
主に説明されていることです。

そのことに不登校関係者の多くが
深い危惧の念を抱いていることを
議員のみなさんには是非念頭に置いていただき、
最後まで慎重には慎重に審議を
尽くしていただきたいと思っております。




◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇




第7回不登校を考える県民のつどいの

プレイベントとして、小諸で開催した講演会は

廣木 克行先生のお話でした。

長年不登校の子どもや、その親と関わり

寄りそってこられた
廣木先生のお話を思い出します。


前回までの桜井智恵子先生は


諏訪地域のイベントでも講演してくださっています。

不登校の当事者として

子どもや親が今後どうしてくのがいいのか、

教育機会確保法による今後の支援を

自分たちがどう利用していくのか、

親の考え方、受け止め方次第とも思えます。



傍聴記録は次回に続きます。







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