【Alox】 『第三の眼 ~看破する力~』 http://alox.jp/ vol.24
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◆ 目 次 ◆
【1】 今号の一言 『ゆりかご”から降りたイギリス』
【2】 本文 『 アラーム分析ランキング -2015年2月~2016年1月-』
【3】 編集後記 『勝てば官軍』
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『倒産予知のための決算書分析セミナー(大阪開催)』
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開催日時:2016年8月23日(火) 14:00~16:00
会場 :マイドームおおさか
参加費 :無料(事前申し込み制)
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【1】 ゆりかご”から降りたイギリス
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2016年6月23日のEU離脱を問うイギリスの国民投票は、
大方の予想に反して、EU離脱派の勝利となった。
この事件と同等レベルのニュースは、東西冷戦の終わりを告げた
「ベルリンの壁の崩壊」以外に思いつかない。
拡張を続けていたEUの後退を意味するのは間違いない。
イギリスは、EUという“安定”から、
自己責任(否定的に捉えれば自分勝手)の“不安定”な道へ一歩踏み出した。
今、世界はイギリスのみならず、近年稀に見る不安定さだ。
・トランプ氏が共和党のアメリカ大統領候補に指名
・イギリスのEU離脱に紐付いて、スコットランドで独立騒動
・反EU勢力が増大しているイタリア
・20兆円近い不良債権を抱えるイタリアの銀行
・トラックによるテロなどテロリストの標的となっているフランス
・2017年5月のフランス大統領の有力候補として、極右政党のルペン氏
・トルコのクーデター失敗と大統領の強権化
・移民への反感からドイツのファーストフード店で銃乱射
・“犯罪者は射殺する”などの過激な発言を頻発するフィリピンのドゥテルテ大統領
・バングラディッシュの飲食店でテロ
・仲裁裁判所により南シナ海の領有権を否定された中国の孤立化
上記は、全て今の枠組みへの反発に見える。
大きな括りで言えば「冷戦後の体制」への反発や離脱であり、
これほど多数の地域で同時平行的に起きていることを踏まえれば、
30年後には「2016年は冷戦後体制からの転換点だった」と言われるかもしれない。
企業を評価する上では、「世界情勢という括りの中における日本企業」
という視点は必須である。
企業評価の担当者は、個別事案のみならず、常に世界情勢の動向に注意を
払わなければならないのは言うまでもない。
それでは、アロックスメルマガをお楽しみください。
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【2】 アラーム分析ランキング -2015年2月~2016年1月-
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【アラーム分析ランキング】
例年通り、有価証券報告書に記載された財務諸表を
アラーム管理システムにて分析した結果をお送りします。
<アラーム管理システムとは>
2期分以上の財務諸表(BS、PL、脚注)から、企業を100点満点で評価。
40点以下を「資金繰りの破綻リスクが高い」と評価する。
詳細については、下記URLをご参照ください。
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<アラーム管理システムとは>
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【下位56社と100点企業】
コード 会社名 評点 備考
3832 T&Cメディカルサイエンス -19 業態変更で再建中。債務超過。
4798 エル・シー・エーホールディングス -2 内部管理不備で上場廃止基準に抵触
2369 メディビックグループ 2 医療系ベンチャー。赤字の常態化。
2330 フォーサイド 3 事業多角化。赤字の常態化。
3587 グローバルアジアホールディングス 3 内部管理不備で上場廃止基準に抵触
8783 GFA 3 不動産投資業に業態変更。
7824 オプトロム 4 虚偽報告で上場廃止基準に抵触
<100点満点企業>
コード 会社名
4924 シーズ・ホールディングス
4962 互応化学工業
6071 IBJ
7308 ツノダ
7438 コンドーテック
7865 ピープル
9678 カナモト
9680 共成レンテム
9699 西尾レントオール
下位56社と100点企業の全データは、メールマガジン読者に開示しております。
メールマガジンは下記よりお申し込みください。
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【データについて】
<データ件数> 3433社
<データ作成方法>
EDINETから入手した財務情報をアラーム管理システムにて分析して作成
<データ抽出条件>
(1)最新決算年月が2015年2月から2016年1月までのデータ
(2)連続した決算書が3期以上
(3)連結と単独の決算が両方ある場合は、連結を優先
(4)アラームの分析対象外業種(銀行、生損保、証券)は除く
※ 毎年の掲載企業数が違うのは、同率ランクの企業数等の影響で、
キリの良い数字の抽出が難しいためです。
今年は、キリの良い数字ではありませんが、56社とさせて頂きました。
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直近の2016年3月期に関する分析について、有償にてご提供しております。
ご興味がある方は下記URLをご参照の上、お問い合わせください。
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http://alox.jp/contact/
※ ご要望には、柔軟に対応させて頂きます。
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【昨年との比較】
昨年に比べると100点満点企業が減り、40点以下の企業が増えた。
2015年配信 総数:3318社 40点以下:146社 100点:16社
2016年配信 総数:3433社 40点以下:169社 100点:8社
上場企業の財務余力がやや低下傾向にあると言える。
上記はあくまでも昨年度決算のデータ(2016年3月期を含まない)による分析である。
来期以降は、「株価の低迷による保有する資産の下落」、
「円高の影響による利益の下方修正」、「イギリスユーロ離脱の余波」により、
さらに財務に余力のない40点以下の企業が増える可能性が高い。
【下位56社の傾向】
56社中、28社が赤字が常態化※している。
医療系は軒並み赤字だ。
その他、業態変更、事業領域の拡大、内部統制の不備、
別会社の傘下入り、投資先行企業など、点数に見合った企業属性を
具備しており、これはいつも通りの傾向である。
※
3期連続赤字の会社を「赤字の常態化」と定義。
【総括】
今年は、上場企業の倒産が1件も発生していない。
「日本は好景気だから、上場企業の倒産がない」と考える人はいないだろう。
財務余力の低下は、上場企業も非上場企業も同様だ。
つまり、突発的な事象への耐久力が弱くなっているのは間違いない。
世界の政治経済は、近年稀に見る突発事象のマグマが溜まっており、
「上場企業の突然死」に直面する可能性を否定できない。
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【3】 勝てば官軍
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2016年7月31日に投開票された東京都知事選は、自民党を割って出た
小池百合子氏の圧勝でした。
小池氏が、本当に都民のことを考えての出馬かどうかは微妙ですが、
小池氏の見事な戦略と勝負師っぷりが際立った選挙でした。
小池氏には、選挙前まで、自民党から除名処分の話があったが、
今は「撃ち方やめ」となりました。
正に、「勝てば官軍」です。
とはいえ、この官軍に対して、自民党都連は対決姿勢を崩していません。
世論は、圧倒的な大差で勝った小池氏の味方だが、
数を握る自民党都連は一歩も引かないつもりのようです。
小池都知事と「握手もしない、写真撮影にも応じない」という
非常に大人げない対応は、その象徴に見えます。
以前あった名刺折り事件(田中康夫長野県知事の名刺を長野県庁職員が
折った事件)を思わせる出来事でした。
しかし、小池氏は、都知事戦に勝たなかったら、どうなっていたんでしょうか?
自民党を除名され、無所属か“生活の党と山本太郎となかまたち”に所属して、
次回の衆議院選挙を戦う羽目になっていたかもしれません。
おそらく、小池氏は「どうなろうと今よりは良い!」という自民党における処遇
(総裁選で石破氏を支援したことにより冷遇)に不満があったものと思わます。
「勝負すること、仕掛けることの大切さ」を思い出せてくれる都知事選でした。
倒産・粉飾ウォッチャー 塙 大輔
※
毎回そうですが、泡沫候補と呼ばれる人の言動やアピール合戦には、
「なるほど!」と思わせることも多々ありますが、「爆笑必至!」と
いったことも多々あり、ある意味ではバラエティ番組を超える面白さがあります。
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