合併されて裏上場 - ジパングとアキナジスタ - | OX理論が測る企業価値

OX理論が測る企業価値

26年前、資金繰りに特化した財務分析手法が産声をあげた。
それは、【あらかん】から【OX理論(アラーム管理システム)】へと進化を遂げた。
【OX理論】を土台として、企業分析にいそしむALOX社専属ライターのメールマガジン、それに付随するこぼれ話を掲載。

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2013.08.05
【Alox】  『第三の眼 ~看破する力~ 』  http://alox.jp/    vol.2
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◆ 目 次 ◆

【1】  今号の一言   『安倍政権の次の一手』

【2】  本文        『合併されて裏上場 - ジパングとアキナジスタ -』

【3】  編集後記     『生きてるって言ってみろ』


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【1】  安倍政権の次の一手
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参議院選挙は予定調和ともいうべき結果に終わった。

自民党の圧勝は、昨年末の衆議院選挙の流れを汲んでおり、
「崩壊寸前の民主党」や「日本維新の会の舌禍事件」により、
“鉄板”だったと言っても過言ではない。

今年の流行語“当確”のアベノミクスを引っ提げた自民党の勢いは続く。


自公政権は衆参両院の過半数を抑え、思う存分に政策を実行できる権利を得た。
いや、権利というより権力と言った方が正しい。

安倍政権には、多少の反対があろうとも、数の力で押す力がある。

それゆえ、安倍首相は小泉純一郎氏の郵政改革のような自らの信念に
基づく政策を実行へ移すだろう。

「日本国憲法の改正」、次の一手はこれだ。

それでは、本文をお楽しみください。



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【2】  合併されて裏上場 - ジパングとアキナジスタ -━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━



【報道概要】
不適当な合併等に係る上場廃止基準への抵触により、
株式会社ジパング(2684)とアキナジスタ株式会社(2495)は、
2013年8月11日に上場廃止になる予定である。
(ジパングは、フェニックス銘柄指定を受けたことで
上場廃止日が8月11日から9月11日へ延長された。)



---- アラーム管理システム(OX理論)の分析情報 ----

【会社概要】
社  名      株式会社ジパング
市  場      東証ジャスダック
証券コード     2684
業  種      鉱業
従業員数     187人(連結)
所在地       東京都渋谷区広尾1-1-39 恵比寿プライムスクエア
監査法人     フロンティア監査法人(2013年3月期)


【アラーム管理システム(OX理論)】
OX格付      BB 【26】(2012年3月連結決算)

【分析表1・7】
$OX理論が測る企業価値
$OX理論が測る企業価値
http://alox.jp/wp-content/uploads/2013/07/jipangu_201203ren.pdf


【会社概要】
社  名      アキナジスタ株式会社
市  場      札幌アンビシャス
証券コード     2495
業  種      サービス業
従業員数     15人
所在地       東京都千代田区九段南3-8-11 飛栄九段ビル
監査法人     新日本有限責任監査法人(2013年3月期)


【アラーム管理システム(OX理論)】
OX格付      CCC 【9】(2012年3月単独決算)

【分析表1・7】
$OX理論が測る企業価値
$OX理論が測る企業価値
http://alox.jp/wp-content/uploads/2013/07/akinajista_201203tan.pdf


ALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOX
<アラーム管理システム(OX理論)とは>
<OX理論(アラーム管理システム)とは>
http://alox.jp/wp-content/uploads/2013/06/alox_oxanalysis.pdf
ALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOXALOX


両社ともに倒産していないが、財務状態は倒産レベルである。
アラーム分析表の特別コメントには
資金収支が悪く1年以内の破綻の恐れあり」と出力され、
本業におけるキャッシュ創出力がないことを表している。

上場廃止によって、株式発行や売却による現金収入が激減するのは間違いなく、
資金繰りが今以上に厳しくなるのは必定である。


---- 終了 ----



【不適当な合併とは】
東証によると、「上場会社が非上場会社と合併等を行う場合で、
上場会社が実質的な存続会社とは認められないケース」を不適当な合併という。

いわゆる”裏口上場”の防止を目的として、設けられた上場廃止基準である。

つまり、ジパングとアキナジスタは、証券取引所から
「裏口上場と認定された会社」なのである。



【The 裏口上場】
裏口上場と言われても、実態をイメージできる人は少ない。
それゆえ、「The 裏口上場」というべき事例として、ジパングを取り上げる。
こんなに分かり易い裏口上場は、他にない。



【ジパングの場合-(1)変身】
Wikipediaに記載された表現を借用させて頂くと、
初代ジパング、2代目ジパング、3代目ジパングといった具合に、
一時的にジパングはなくなるが、ジパングを合併する会社が商号変更で、
“ジパング”になる。

つまり、「存続会社が合併された会社の社名へ変身」する。

“こっそりと上場した状態になること”が、
裏口上場の利点であることを踏まえると、
わざわざ商号変更で裏口上場を果たした会社の名前へ戻すことのメリットは、
分からない。
(金採掘業を継続するために、ジパングという社名である必要が
あったのかもしれない。)



【ジパングの場合-(2)大量の新株発行】
ジパングは、合併されるという形態を取りながら、
存続会社から発行済株式数の40倍もの株式を得て、乗っ取った。

上記の内容を2008年10月のアスリンク、
2010年1月のプライムとの合併時に実行している。

つまり、存続会社の大量の株式をジパングの株主へ割り当てることに
よって、存続会社はアスリンクやプライムだが、支配しているのは
ジパングという構図になる。



【ジパングの場合-(3)存続会社の事業を売却】
ジパングは乗っ取った後、存続会社の事業を売却している。

アスリンク(リラクゼーション施設業)もプライム(テレビショッピング企画・販売)も
ジパングを合併した存続会社にも関わらず、合併後には他社へ売却された。

その結果、存続会社に残っているのは“合併されたジパング”である。


ちなみ、2代目ジパングから登場するオーナー兼社長を務める松藤民輔は、
多数の金融や投資に関する本を出版している“先生”である。

ぜひとも、証券取引所の上場廃止基準(特に裏口上場)について、
どのような見解をお持ちなのか、レクチャーを受けてみたい。



【総括】
詐欺とは、他者をあざむくことであり、これによって財産上の利益を
得ることは犯罪である。

裏口上場の会社は、上場審査を受けずに実質的な上場を
果たしており、市場や株主を欺いている。

合併時に割当てられた株式によって、巨額の利益を得ており、犯罪である。
(上場廃止が起訴免除として扱われるならば、極めて寛大な措置だ。)

詐欺を行った会社は、信用失墜により、その大半が倒産する。
ジパング、アキナジスタが単独で存続できたら奇跡であり、怪奇現象である。


<参照資料:東証用語集 不適当な合併等>
http://www.tse.or.jp/glossary/gloss_h/hu_futekitougappei.html



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【3】  編集後記   『生きてるって言ってみろ』
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久しぶりに、頭を“ガツン”とさせる表現者に出会った。

友川カズキ

とにかく、強烈な個性だ。

最初、歌を耳にした時に、「何だ、こりゃ?」と思ったが、
Youtubeで映像とともに歌を聞くと“魂”を揺さぶられた。

『生きてるって言ってみろ』と3回繰り返される歌詞に、
「自分は生きてるって言えるのだろうか?」と自問する。

私個人の考えとしては、
「嫌なことも、悲しいことも、辛いことも、耐え難いことも、
楽しいことも、嬉しいことも、全ては自分次第であり、
自分がやってきたことの結果と捉え、
決して外的要因(他人、会社、世間)へ責任を押し付けることはしないこと」が、
「生きてる!」と言える人だと思っています。

ご興味があれば、下記のリンクを自宅でご参照ください。



<友川カズキ_動画>
『生きてるって言ってみろ』
http://www.youtube.com/watch?v=6njISdzp7J8

『一切合財世も末だ』
http://www.youtube.com/watch?v=a1xry5szUKk

『トドを殺すな』
http://www.youtube.com/watch?v=4nRo7N-Abw8


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