━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━2007.06.08
オックススタンダードメールマガジン 『 S T A N D A R D 』
介護事業は撤退するのでは?-グッドウィル・グループ-
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≪スコアリング≫
「対象の属性や財務情報を元に、採点すること。多くの場合、
自動審査システムに組み込まれ、取引可否から融資限度額まで
自動算出される。」
消費者金融、ビジネスローンでは一昔前から広く使われている
手法である。相当数の母数を確保できなければ、利益を確保する
ことが難しいビジネスモデルにおいて多用されている。
あまり人の判断が入らない点から"デジタル分析"と
言えるかも知れない。
一方、"アナログ分析"と言えるのが、取引先ごとに決算書を
じっくり見て分析することである。決算書から導き出される様々な
指標から、取引先の現状を想像する。この種の想像力は、
審査マンの能力の一つと言えるだろう。
例えば、こんな感じだ。
「売上が下がっているにも関わらず、棚卸資産が急増しているな!?
もしかしたら不良在庫が溜まっているのではないか?」
こんな想像力を取引先の業界、経営者、商慣習を思い起こし
ながら何通りもの仮説を組み立て、その上で最適解を見出す。
これらの想像力を鍛えるには膨大な日数を要する。
審査業務が属人的になりがちなのは、ある意味では
やむを得ないだろう。
ちなみに弊社のALARMは、デジタルでもアナログでも利用する
ことが可能なシステムである。
それでは、OXメルマガ『 S T A N D A R D 』をお楽しみください。
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(1) グッドウィルグループ-介護事業の継続性に疑義あり
【コムスンは廃業の流れ】
人材派遣大手グッドウィル・グループ傘下の介護事業会社「コムスン」は、
厚生労働省の出した通知で、不正に介護事業所の指定を受けたと
して事業所指定の更新が今後5年にわたり受けられなくなった。
グッドウィルは、コムスンの全事業をグループ会社の日本シルバー
サービスに譲渡するという"離れ業"を試みたが、厚生労働省や
国民の納得を得るのは難しい情勢だ。
【グッドウィルグループの苦境】
当然の帰結と言えるが、グッドウィルグループは今回の件により
連結売上高の30%近くを占める介護事業を失う可能性が高くなった。
また、今年の3月には、解体が決まっているみすずから新日本に
監査法人を変更した。人材派遣会社クリスタルの買収に伴って
活用したファンドを連結対象に含めるかどうかで意見が分かれた
ことが原因らしい。
しかし、監査を引き継いだ新日本も減損会計の厳格適用をせまり、
最終的には2007年6月期の連結最終損益が300億円の赤字になると
発表している。
【OX理論で分析】
グッドウィルグループの分析結果は86点(2006年6月)である。
資金繰りに窮することはないだろう。
ちなみにコムスンの分析結果は35点(2006年6月)である。
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グッドウィルグループ(分析表1)
http://www.ox-standard.co.jp/analysis/pdf/goodwill.pdf
コムスン(分析表1)
http://www.ox-standard.co.jp/analysis/pdf/comusun.pdf
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【介護事業は売却か?】
現在入手可能な情報で判断すれば、今後は下記の展開になる
のではないだろうか!?
グッドウィルグループで介護事業を継続するのは難しい
↓
しかし、サービス利用者のためには介護事業を継続しなければならない
↓
そうなると、介護事業は売却するしかない
↓
事業売却の発表
↓
売却先の決定
憶測に過ぎないかもしれないが、様々な状況を勘案すれば当たらずとも
遠からずの結果になると思われる。競合他社や投資ファンドあたりが
すでにグッドウィルに話を持ちかけていても不思議ではない。
発行元 オックススタンダード(株) http://www.ox-standard.co.jp/