━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
コーパックインターナショナル③~収支>利益~
常に収支と利益の差異は注目せよ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
本日は、前号の続きとして9月13日に破綻したコーパックインターナ
ショナルついて、ご説明致します。
~~前号要約~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
【コーパックインターナショナル】
業種 ラベル印刷及び同機械製造
従業員数 124名
所在地 東京都代田区神田多町2-11
《破綻情報》
破綻日 2006年9月12日 民事再生法申請
負債総額 99億円
【OX理論で分析】
OX格付 B【17】(2006年3月単独決算)
LLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL
コーパックインターナショナル(分析表1~7)
http://www.ox-info.co.jp/analysis/pdf/kopack.pdf
LLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL
●注目すべき2つの指標
今期の分析結果において、急激に評点が悪化したのが
下記の2つです。
【営業用資産回転率】
2005年 10
2006年 0
【経常収支比率】
2005年 6
2006年 0
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~要約終了~~~
【現金主義とは?】
現金の収入と支出という事実に基づいて、収益を認識。
【発生主義とは?】
現金収支に関わらず、収益や費用の発生の事実に基づいて、
収益を認識。
ほとんどの企業は発生主義に基づいた決算を公表しています。
●経常収支と経常利益は、どっち?
経常収支≒現金主義 : 現金の収支に基づいた経常活動の収支
(ほぼ営業活動におけるキャッシュフローと同義)。
経常利益≒発生主義 : 現金の収支に関係なく、
収入や費用の発生に基づいた利益。
●乖離に注目せよ!
会計基準が大幅に変わらない限り(その可能性は極めて低い)、
発生主義と現金主義の差異は、存在し続けます。
それは経常収支と経常利益の乖離も存在し続けることを
意味します。
経常収支と経常利益の乖離をチェックすることは、粉飾を見破る
手法として"古典"の部類に入りますが、会計基準が変わらない限り
今後も有効な手法であり続けるでしょう。
特に前回申し上げた通り、下記のケースに当てはまる場合は
注意が必要です。
①経常収支比率は100%以下
②経常収支比率と経常利益率が10%以上乖離している
粉飾していたかどうかは不明ですが、9月26日に民事再生法を
申請した健康食品や化粧品製造業の株式会社ルナはこの"法則"
に当てはまります。
【ルナ】
社名 株式会社ルナ
業種 健康食品・化粧品製造
従業員数 70名
所在地 東京都新宿区西新宿5-3-2
《破綻情報》
破綻日 2006年9月26日 民事再生法申請
負債総額 50億円
【OX理論で分析】
OX格付 BB【37】(2005年3月単独決算)
LLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL
ルナ(分析表1~7)
http://www.ox-standard.com/analysis/pdf/runa.pdf
LLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLLL
【11.6%の乖離】
経常収支比率:96.82%
経常利益率 :7.88%
(100-96.82)+7.88=11.6%
多種多様な分析指標や見方があると思いますが、
とりわけ経常収支比率は最重要な指標と言えます。
"話はずれるかも知れませんが、月刊BOSSの連載において最高益
を記録した新日本石油の分析を行いました。
その結果、経常利益3041億円の内、1664億円が在庫評価益に
よるものと判明しています。
つまり、現金を生まない利益が大半を占めています。
一方で営業キャッシュフローは利益と反比例して減額しています。
利益を鵜呑みすることの危険性を表す事例と言えます。”
発行元 オックススタンダード(株) http://www.ox-standard.co.jp/