債権者説明会にて粉飾の指摘 | OX理論が測る企業価値

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 債権者説明会にて粉飾の指摘~先端情報工学研究所~ 


 売掛金・受取手形の急増には要注意
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 【10月20日債権者説明会の抜粋】
 額に差はあるが、2004年決算から売上高の過大計上が

 見受けられる。計上されるべきではない売上や回収不能な資産が

 計上され、実態が反映されておらず、利益を出せるような状況では

 なかった。



 つまり、下記の2点の疑いがもたれています。
 ①実態とは乖離した売上を計上
 ②回収不能な資産(貸付金・債権)が存在した



 【決算数値の検証】
 ①売上高
 2004年  43億円
 2005年  76億円
 2006年  91億円

 2004年から2006年にかけて2.1倍の増収です。
 Alarmコメントでは「販売拡大に背伸びが見られる」とあります。



 ②販売債権(受取手形+売掛金)
 2004年  24億円
 2005年  29億円
 2006年  52億円

 売上とほぼ同じ2.1倍の伸び率です。



 【Alarmでは販売債権立替期間に注目-分析表2 評価指標1-11】
 2004年  6.57
 2005年  4.66
 2006年  6.97


 この指標は、決算期における販売債権残高を月商で除して

 算出されます。厳密な立替期間の意味合いとは違いますが、

 債権の月当たりの回転数を見ることにより、滞留している債権

 (不良債権)の存在を発見する際に役立ちます。


 当該企業の場合、2006年度の数値は6.97。

 つまり販売してから回収できるまで半年かかるという計算に

 なります。金融機関や建設業以外の企業が回収までに半年も

 かかるケースはほとんどありません。

 売上の粉飾もしくは販売債権の不良化と考えるのが自然でしょう。



~~前号抜粋~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 【会社概要】
 社名         先端情報工学研究所
 業種         非接触型ICタグ開発
 従業員数       52名
 所在地        東京都港区新橋5-11-3



 【破綻情報】
 破綻日        2006年10月17日 民事再生法申請
 負債総額       191億円
 形態         黒字倒産

 

 【OX理論で分析】
 OX格付          BB【25】(2006年3月単独決算)
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 先端情報工学研究所(分析表1~7)
 http://www.ox-standard.com/analysis/pdf/sentan.pdf
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 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~抜粋終了~~~


発行元 オックススタンダード() http://www.ox-standard.co.jp/