みなさんこんにちは。
16日の日経新聞にも掲載されましたが、金融庁が10月15日(火)の金融審議会で新規上場時の
負担軽減の検討を始めました。
記事では、以下2点が取り上げられています。
①新規上場時に提出する「有価証券届出書」に記載する財務諸表を5年分から2年分にする
②内部統制報告書を上場後3年間は出さなくてもいいようにする
このうち②が非常に誤解を招く記載になっておりますので、その点をご紹介します。
金融審議会(第6回)議事次第によると、「内部統制報告書を出さなくてもいいように」ではなく
上場後一定期間は「内部統制報告書の監査を免除とする」ことが検討されています。
審議会では、以下の理由で内部統制報告書の作成自体の必要性を認めています。
・上場会社である以上、経営者が財務報告の適正性を担保するために内部統制の有効性を評価
しその結果を報告することは必要
・米国で新興成長企業に対して講じられた緩和策も、内部統制に係る監査の免除のみであり、
内部統制報告書の提出義務事態は維持されている
その上で、内部統制報告書の監査について、以下の理由で一定期間の免除を検討しています。
・新規上場時には、内部管理体制を含めた厳格な上場審査を受けること
・新規上場企業は、既存の上場企業に比して財務負担能力が相対的に低く、内部統制の監査
報酬負担が重いこと
・米国においても上場促進のため、新興成長企業を対象に内部統制に係る監査を免除する措置
が講じられたこと
この他、当該免除期間の3年の根拠として、内部統制環境とかかわりが深い以下の変数の変化率が
上場後3年間で50%を下回っている(それほど大きな変化がない)ことを挙げています。
・売上高
・従業員数
・役員数
また、市場への影響や社会、経済的影響の大きさを勘案して、大規模な会社(資本金100億円以
上又は負債総額1,000億円以上)については対象外とすることが検討されています。
規制緩和の目的が「新規上場のコストを低減させることで、新規上場を促進すること」で
あり、決して内部統制の有効性を軽んじるものではない点は十分な注意が必要です。
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