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owner1のブログ

ななつがたけ北天文台オーナーの「天文台日記」 (2012.6~2019.6)
観望記録や天体用機材などについて書いています。

天文台HPはこちら   http://www.cc9.ne.jp/~narabu2/
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Hα太陽写真

撮影するには、当然、Hα太陽望遠鏡が必要です。太陽望遠鏡を知らない人からすると、「何でそんなに?!」と思うくらい高価です。その上、とても工業製品と認められないくらい、個体ごとの性能差が大きいです。たとえば、70万円出して太陽望遠鏡鏡筒を1本買っても、それがハズレだったときは、ほぼ何も見えません(・・・何かは見えますが、当たりの個体と較べると、何も見えないに等しい状態です)。
そんなものを買おうとは思いませんよね。でも一度、よく見える太陽望遠鏡を覗いてしまうと、「これ、買う!」と言ってしまいます。それくらいHαの太陽像はすごいのです。

太陽望遠鏡を買おうと思ったとき、どうしたらいいでしょう?
まずはどこかでだれかの、よく見える太陽望遠鏡を覗かせてもらう。どのくらい見えるか覚えたら、よく晴れた(できればシーイングのいい)日に販売店に行き、在庫の鏡筒で実際に太陽を見せてもらう。口径を限定せず、複数あればすべてを見る。よく見えるものと同等なものがあったら、迷わずすぐにそれを買う。見えなければ「また来ます」と言って、店員に白い目で見られながら帰る。しばらくして、在庫が入れ替わった頃、また行く。それを何回か繰り返しても、「もう来るな!」とは言われません。店主も太陽望遠鏡はハズレが多いことを自覚しています。

さらに超高価になりますが、「ダブルスタック」という方法もあります。Hαの干渉フィルターを2枚入れます。コントラストが上がってとてもよく見えます。普通はメーカー純正ダブルスタック一式を買うわけですが、異メーカー混合ダブルスタックという裏技もあります。制約はありますが、こちらの方が安くてよく見えます。ネットで探してください。よくわからなければ、「星見屋」のグッチさんに相談してください。

当たりの太陽望遠鏡を手に入れたら、写真撮影ができます。太陽面全面を写すなら、直焦点に1.4xか、2xのテレコン+カメラボディーで撮影できます。当たり前ですが重要なのが、Hαで太陽を写すのですから、Hαが写るカメラでないとダメです。

イメージ 1
LUNT100THa+2xテレコン+α7s改
ISO1600 1/500秒(プロミネンス) 1/1000秒(光球面)

当たりの太陽望遠鏡であっても、光球面のコントラストは非常に弱く、プロミネンスも淡いです。要するに、カメラの液晶モニタではほとんど見えません。太陽写真の名手が何人かいますが、それぞれに撮影ノウハウがあって、すばらしい写真を撮っています。オーナー1は全くの素人ですが、ノウハウを紹介します。ノウハウの大部分は、どうやってピントを合わせるかです。

オーナー1が太陽撮影に使うカメラは改造α7s。これのHDMI出力をカメラのすぐ近くに置いたHDTVもしくは4Kモニタに出します。その外部モニタのコントラスト調整を最大にしておきます。普通の映像はとても見られないハイコントラストにします。外部モニタに暗幕を被せて、暗幕の中に入って、モニタを見ながらピントを合わせます。この方法なら、ピントが合う一点を見つけられます。
ピントが合ったら、シャッターを押しまくって(もちろんPCやコントローラーから)、数十枚撮ります。これは月の写真でも同じですが、シンチレーションで1コマ1コマ写りがかなり違います。多数撮影した画像の中から、最も良い画像を選びます。下手な鉄砲も数打ちゃ当たる、ですね。

太陽望遠鏡で見た太陽は、光球面は明るく、プロミネンスは暗いです。肉眼で見れば両方見えますが、写真撮影する場合、光球面とプロミネンスの適正シャッタースピードは、2段か3段違います。両方が同時にきれいに写ることはありません(・・・できないことはないですが、画像処理の技が必要です) 光球面とプロミネンスは別々に、それぞれの適正露出で撮影します。最も良い画像を選んで、画像処理で重ねます。どうやって重ねるかにも、多少のノウハウがあります。

架台は電動経緯台がいいです。カメラが不安定な状態で撮影するので、接眼部が回転しない方がいいです。

イメージ 2
オーナー1のツイン太陽望遠鏡を覗く
栃木市のマスコットキャラクター「とち介」くん


・・・つづく



光害カットフィルター

光害ありの我が家で天体写真撮影するには、光害カットフィルターが必須です。光害カットフィルターは干渉フィルターですから、入射角が大きいと干渉膜が厚くなるわけで、特性がまるで変わってしまいます。広角レンズに付けて撮ると、使い物にならない不思議な画像になります。広角レンズでの星夜写真撮影は諦めましょう。撮影は望遠レンズや望遠鏡直焦点に限られます。
光害カットフルターもいろいろありますが、オーナー1はサイトロンの QBP(クアッド バンドパス)フィルターを常用するようになりました。これは SII,Hα,Hβ,OIII とその付近の光のみを通します。強力な光害カットフィルターですが、4つの輝線とその付近しか通さない訳ですから、変な色になりそうですよね。ところが、かなりもっともらしい色になります。それでこれを常用するようになりました。色というのは、当然、「オートストレッチ」で自動色調整した後の色です。(上坂さん いつもお世話になってます)

QBPフィルターとともに使うカメラは、赤外カットフィルター改造したα7s。これはオリジナルの赤外カットフィルターを、素通しのガラス板に交換してあります。赤外側は、受光素子に感度がある限りどこまででも写ります。改造でよくある「Hαまで通す赤外カットフィルター」に交換した場合、SII 輝線は通らないと思います。そのようなカメラにQBPフィルターを付けると、「QBP」ではなく「TBP」になってしまいます。

イメージ 1


光害地でデジカメで撮った場合、RGGB の各受光素子が受けた色ごとの光の上に、光害の光がのってしまうので、RとGとBの強度差が小さくなって、星がみんな白くなります。光害成分が大幅に少なくなるQBPフィルターを付けると、デジイチでも星に色が付きます。(・・・理由は違うかもしれませんが・・・)


QBPフィルターを付けると・・・

このフィルターを通した場合、光害も減りますが星の光も大幅に少なくなります。そのため、露出時間を延ばすか、ISO感度を上げるかになります。TOA130に1.4xテレコンを付けるとFは約11。そんな暗くてもけっこう使えます。この場合、露出時間は最大30秒なので、感度を上げることになります。春の系外銀河は ISO25600。当然、粒子が粗くなるので、コンポジット枚数が増えます。この場合、100枚以上撮ります。撮影枚数が何枚であろうが、ノータッチガイドだし、シャッターはパソコンが押してくれるので、放置しておけばいずれ終わります。ただ100枚も撮ると、画像処理で、現像・位置合わせ・合成に時間がかかりますが、ここもステライメージで自動処理なので、放置しておけばいずれ終わります。

イメージ 2
M97
TOA130+1.4xテレコン+QBPフィルター+α7s(改) f=1400mm
ISO25600 露出15秒 x 147枚
SXP赤道儀でノータッチガイド(ガイド失敗4枚)
対象付近をピクセル等倍でトリミング



・・・つづく



イメージ 1
オーナー1はここしばらく、なかなか天文台に行けない状況でした、そのため天文台から、自宅で使えそうな鏡筒を持ち帰って来ました。何回もそれを繰り返したら、自宅の部屋が鏡筒だらけになりました。数えたら12本ありました。赤道儀はSXPとSWAT350、経緯台は3台あります。SXPと経緯台1台が、ゴミ箱を被せて屋上に出しっぱなしです。それらで観望、写真撮影をしていますが、今回は、自宅屋上での天体写真撮影について、これまでここに書いてきたことをまとめます。




普通の住宅の屋上って、揺れないの?

我が家の屋上は、天体観測用の工夫や補強などは何もありません。普通の住宅の屋上です。「揺れないのか?」と言われれば揺れます。
直焦点撮影中に屋上を歩き回ると、ブレて失敗写真になります。ですから、露出中は動かない! これが鉄則。SXP赤道儀でガイドしている最中に、経緯台側で観望していますが、シャッターが開いたら動かない!
カメラは主に SONY α7 を使い、ノリズリダクションONにしています。露出時間は、カメラ側で設定できる範囲内、最長30秒です。一番多いのは20秒露出。その場合1コマごとに,、20秒露出した後20秒のダーク撮影と減算が入ります。次の露出開始まで10秒空けています。この場合、露出終了時から30秒間は動いていいわけで、その間に次に見る天体を導入します。AZMountPro や NEXUS が付いた経緯台なら30秒あれば十分です。見たい天体の導入ができたら、撮影中、イスに座ってじっと観望します。ひとりで「だるまさんが転んだ!」をやっているみたいですね。

写真撮影だけで観望しない場合は、露出をスタートさせたら、さっさと部屋に戻ります。これがガイド失敗しない一番いい方法です。
揺れる屋上の場合、赤道儀の近くに立つと、床がたわんで極軸がズレます。赤道儀の北側・南側に立つと、極軸の傾きが変わります。でも、露出時間が30秒以下なら、その程度の誤差は問題ありません。そもそも、極軸合わせもさほどシビアにする必要がありません。実は、経緯台ガイドでもいいのです。ステライメージでコンポジットする際に、「位置合わせ」で「回転を計算」にチェックを入れるだけで、赤道儀でガイドと同じになります。

イメージ 2
バラ星雲
2019.03.26 20:16~ 
TOA130+0.7xレデューサー+QBPフィルター+α7s(改) f=700mm
ISO10000  15秒露出x86枚
SXP赤道儀でノータッチガイド(ガイド失敗1枚)
トリミング無し  

揺れる屋上で、どのくらいの焦点距離までガイドできる?

私の場合、前記のように、露出時間は最長30秒です。SXP赤道儀はオートガイダーなどは使わず、赤道儀任せのノータッチガイドです。風の強さや天体の位置にもよるようですが、f=700mm ならほとんどガイド失敗はありません。TOA130に2xテレコンを付けて2000mmをガイドしたとき、失敗は50枚撮って5枚程度でした。

イメージ 3
M51
2019.03.26 21:59~ 
TOA130+0.7xレデューサー+QBPフィルター+α7s(改) f=700mm
ISO12800  20秒露出x100枚
SXP赤道儀でノータッチガイド(ガイド失敗0)
写野円1度にトリミング


・・・つづく


3月21日は満月です。春分の日です。お彼岸の中日です。
満月になると濱谷氏を思い出す、というのは、オーナー1とゆすらこぐらいでしょうか。
お彼岸なので、お墓参りに行きたいところですが、都合が付かず、行けません。また後日...

オーナー1の自宅付近は、この日、薄曇りでした。雲を通した満月は美しくないので、この日のお月見はダメだと思っていました。ところが、夜中にふと、外に出てみると、月のあたりだけ雲が切れて、きれいな満月が見えていました。
これは濱谷氏のように満月の写真を撮らなくては! と思い、急遽TOA130を出しました。しかし、撮影を始めて間もなく、月が雲の中に入ってしまいました。かろうじて撮れた写真がこちら。 南側がわずかに欠けた満月。

イメージ 1

APM175mm鏡筒を本来のせるべき経緯台にのせて、自宅で観望しています。
フリーストップ経緯台なので、高倍率はかけられませんが、100倍以下で月などを見ています。
TOA130と較べても、月は遙かによく見えます。こんな大きな鏡筒を自宅の屋上で振り回しているのは贅沢でいいですね。室内から運び出して架台にのせるのはかなりたいへんですが。
AOK AYOdigi経緯台の上下・水平回転とも、クランプをかなりきつく締めた状態で、ちょうどいいテンションで回転します。そのうち、すり減るのではないかと心配です。

イメージ 1
APMの今はなきLZOSレンズの付いた鏡筒は、どれも対物レンズ側が重くて、見た目、変な位置に鏡筒バンドが行きます(TOA130も同じですが)。それを多少たりとも改善するため、接眼部の前に直径3cmのステンレス丸棒を操作用ハンドルとして取り付けています。細く見えるけど、直径3cmですよ。
鏡筒バンドを3組買っておいたのが役に立ちました。

イメージ 3
アームの上端近くに付いている四角いものが、アームに沿って上下に移動します。もちろんクランプ付き。
バランスウエイトもこれに付いています。余っている1つは、NEXUS用のiPad mini を取り付けるために使います。

イメージ 2

接眼部は、BINOとして使うときのEMSをそのまま付けていますが、ここに双眼装置を付けて両目で見たいと思いました。昭和機械に行って、接続リングを作ってもらおうと思います。

この日は強風が吹き荒れましたが、久しぶりに夜空は、冬の関東の透明度になりました。
こんな日に長焦点レンズのガイド撮影は無理なので、短めに。・・・といっても、撮影対象は銀河しかないので、間を取って700mmにしました。
当然、大きい銀河しか対象になりません。M101,M106など。
両方撮りましたが、M101を先に撮ったら、外気順応が足らず、初めのコマはジャスピンだったのに、最後は完全にピンボケ!  TOA130は、完全に外気順応させないと、ピントが大幅にズレます。鏡筒の伸び縮みの他、レンズの曲率も変わるようです。
QBPフィルターは、意外にも色がきれいに出てくれるので、光害有りの自宅撮影では常用フィルターになりました。
イメージ 2
M106付近
2019.3.13  23:58~
TOA130+0.7xレデューサー+QBPフィルター+SONYα7s(改)
ISO16000 25秒露出x98コマ 総露出時間 約41分
SXP赤道儀でノータッチガイド
長辺のみトリミングして正方形に

イメージ 1
M101
M106とほぼ同一条件


13日、月がヒアデス星団の中を通過しました。
画面全体がヒアデス星団です。

イメージ 1
2019.3.13 19:01
TV76+0.8xレデューサー+SONYα7R
ISO1600 2秒露出

ななつがたけ北天文台は、冬は(この地の冬というのは4月前半まで)完全にシーズンオフです。
毎日雪で、機材はほぼ使うことがありません。
もったいないので、TOA130は自宅に持ち帰って、SXP赤道儀にのせて使っています。
APM175BINOも、冬は組み立てられることなく眠っています。175mm鏡筒の1本はドーム内の赤道儀に同架されていますが、もう1本は完全に遊んでいます。これももったいないので、自宅に持ち帰ってきました。これを乗せるためのNEXUS2付きのフリーストップ経緯台は作りましたが、その前に無茶なことをやってみました。

イメージ 1

iOptron AZマウントPro にのせてみました。
鏡筒25kg、バランスウエイト+付加物15kg、合計40kg !
最初の自動アライメントは問題なくできました(ここの動作はゆっくりですから)。しかし、自動導入の高速移動のとき、あまりにモーメントが大きいので、動き始めのときモーターのトルクが付いていかず、脱調しながら回り始めます。動き始めてしまえばスムーズに回りますが、初めの脱調のため、自動導入の位置がずれます。脱調せずに自動導入できるときもあります。一旦目的の天体が入れば、その後は眼視で使う限り、スムーズにガイドしてくれます。

でも、こんなことをしちゃダメ! 架台が壊れます。
やってみてわかったのは、この架台、ギアのあそびが非常に大きい。小さいモーターで重い鏡筒を高速回転させるためには、そうせざるを得ないので仕方ありませんね。

最近、何もない太陽が続いていますが、今日はフレアも発生して比較的賑やかでした。これは写真を撮っておかないと・・・ と思って、久しぶりに太陽の写真を撮ってみました。プロミネンスと光球面を別に撮って合成しました。

イメージ 1
2019.3.8 13:20
LUNT100THa+2xテレコン+α7s改
ISO1600 1/500秒(プロミネンス) 1/1000秒(光球面)

そして夕方、月齢1の細い月が見えました。空の透明度がよかったので、月も撮影してみました。

イメージ 2
2019.3.8 18:05
TOA130+1.4xテレコン+α7R
ISO3200 1/20秒

イメージ 3
2019.3.8 18:20
TOA130+1.4xテレコン+α7R
ISO3200 1秒

Yahoo!ブログ がサービス終了だそうですね。
大勢の仲間たちがここを利用していたので、私もYahooにしたのですが残念です。
皆様はどこに引っ越すのでしょう?
私はAmebaが順当なのかな? と思って、そちらに引っ越そうと思っていますが、どうなのでしょう。