散らかった部屋
決まった法則なんてない
感情のまま
扉のない空間の中で
揺れ動く
それが僕であると
理解するまで
じっと
隅っこに小さく開いた
隙間の中に蹲り
息を潜めていた
僕は要らない子
僕は出来ない子
僕は不幸な子
僕は
僕は
溢れ出る言葉の限り
僕は僕を否定する
もどかしさという
小さな抵抗すらも馬鹿らしく
諦めたころには
優しい言葉も
思いやりの手の温もりも
届かない
壊れた人形に出来上がっていた
唯一の肉親に向ける視線に宿る
憎しみは深く根付き
黒く燃え上がる
他人向ける笑顔の裏に在る
人に生まれてしまったことへの憤りは
耐え難い灼熱を纏ったまま渦巻いた
生き続ける理由
ただただ、他人を恨み続けたいから
ただただ、死に場所がここには無いから
他人から
【はやく孫の姿をみせてやれ・・・】
親から
【はやく、孫の姿を見せてくれ・・・】
言われるたびに
急かされるたびに
僕の心は軋み声を上げてキリキリと
苦笑いの裏で言い放つ
【誰が孫の笑顔の中で眠らせるかよ。お前は、私の仏を抱いて逝け】
あぁ、なぜ人に生まれてきてしまったのか
あぁ、なぜ人として生きなければならないのか
業だの、輪廻転生だの
くだらない
くだらない
くだらない
くだらない
くだらない
地獄も、天国も
罪も位も
所詮は、人の目線
人の視覚
在るようで
無い
どこまで苛つかせる
いつまで苛立たせる
あぁ、くだらない
散らかった部屋
決まった法則なんてない
感情のまま
扉のない空間の中で
揺れ動く
それが僕であると
理解するまで
じっと
隅っこに小さく開いた
隙間の中に蹲り
息を潜めていた
だが
ある時から
その隙間には
誰もいなくなった
無造作に散らかったまま
音もなく
ぴたりと止まってしまって
虚しい外の光だけが
波打つ
寂しい空間が残されていた
byキケロ