朝、優しさの中に
顔を埋めていた
すこし
肌寒い
でも・・・
あなたとなら
大丈夫だった
泣いて
泣いて
泣き続けている
そんな私になってしまったのは
あなたが
何も言わずに
何処かへ行ってしまったから
呼んで
呼んで
呼び続けている
こんな私になってしまったのは
あなたが
何も言わずに
抱きしめ続けてくれていたから
叫んでも帰らない
探しても見つからない
笑い続けることができた
この頬は
今
しっとりと濡れている
春の終わりの時雨時
私の涙の代わりに
頬を伝い
顎の先で
一粒光っては
落ちて行った
硝子越しに覗き込む
ペットショップ子猫たち
無邪気に首を傾げたり
肉球を押し付けて
私の人差し指を追いかける
けれども
ひとりぽつんと
過ぎてゆく時間を感じてしまう度に
空っぽの部屋に戻るのが嫌で
当てもなく
彷徨って
そのまま消えてしまいたくなってしまう
好きすぎて
愛おしすぎて
無くなることを考えていなかったから
きっと
神様が、残酷なまでに
しかりつけているんだ
そう思う事で気を紛らわしていた
夕時、部屋の隅に
蹲っていた
少し冷たい掌を
お腹の下に隠して
薄暗い空間の
二つのマグカップを
見つめている
ひんやりとして静か
しんみりとして静か
久しぶりに流れ出した
温かな涙
それは、きっと
ぼんやりと映った
あなたとの一時が
しくしくと
しとしとと
音もなく
わたしのこころのなかに
降り出したから
かもしれない・・・
byキケロ