生前・・・
僕が何をしていたかなんて
聞いてくる人はいない
何ものであるかさえ
問われない
ただ目の前に広がる暗闇を
恐れもなく
迷うこともなく
ひたすらに歩き続ける
歌詞を忘れたその音を
何となく流しながら
僕は、灯火を掲げて
進む
行き止まりはあるさ
けれどもそこは決まって
始まりでもある
繰り返し
繰り返し押し寄せる並みのような
営みと呼ばれる物を持つ者たちは
生まれた意味
死ぬことの理由
其処までにすべきことを
考えながら
また・・・
一から、歩みだすのだ・・・
転生なんて言葉はない
輪廻なんて言葉はない
誰かの記憶がそこに浮かび
誰かの記憶が闇を飾る
過去と未来は
たった一本の線の
空洞のようなものの中を満たし
行き来しする
生まれゆく人は
僕らの足元に落ちて行く
まるで雪が舞っているように
死にゆく人は
僕らの足元から舞い上がる
あの荘厳な大樹の花吹雪のように
生と死の渦が
この一本の線の中を泳ぎ
光を帯びて
循環する
けれども僕らは
外れてしまった
戻ることも出来ず
蛍のように彷徨って
外れかけた誰かを
元の流れの中に
返してやるのだ
たとへその先が、恨まれる結末であっても
あぁ・・・
僕らは生前何をしていたのだろう
あの輝きのように
他を照らし
皆を導くものであったのだろうか
あぁ・・・
僕らは生前、どこに居たのだろう
あの輝きのように
細々と生き
そして
ひっそりと死んだのだろうか
今となっては思い出せず
星というなの一本の道の上で
ただひたすらに
ひたすらに
蒼き光の渦を
見守っている
byキケロ