骨の翼 | 梟霊のブログ

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とことん変り者なため・・・
絡み辛いこと必死
静かに、生暖かく見守ってください

骨の翼




夢を見た
誰よりも高く
誰よりも早く飛ぶ
夢を
見た

世界は広く
世界は大きく
世界は深く
その色彩を目まぐるしく変えていく
僕はそのすべてを
翼に受けて
誰も見たことのない景色を
焼き付けた
無我夢中で
飛び回った
たのし、かったんだ・・・
落とされる恐怖を味わうまでは

僕は、涙する
クルクルと落ちて
どんなに羽ばたいても
世界は不規則に回った
僕は、恐怖する
待ち受けた無数の手のひらが
僕の首を絞めたんだ
息が出来なくて
全身が痛くて
真っ暗になるまで
時間はかからなかった

僕は、どうなった
僕はどうなった?
あやふやな感覚を引き摺って
暗がりを彷徨った
あぁ、空はどこ
海は・・・
森は・・・どこ?


失ったはずの光の世界が
再び戻った時
僕の翼は
見慣れない五本の指となっていた
僕を落とした生き物が微笑みかけ
抱きしめてくる
逃げようと幾らばたつかせても
一歩たりとも
動くことはなかった

鳴き声も奇妙で
美しくもあれば
耳障りでもある
母と呼ぶべき背を追って
父と呼ばれる背に登る
それでも届かないあの故郷
なぜなら
僕にはもう
翼はない
延々と続く小競り合いと戦が絶えない
醜い種族の中にあり
空を見上げる事しかできない
なのに
鉄の塊は
悠々と青空を切り刻む
湧き上がる感情
それが、怒りと嫉妬と憎悪と呼ばれるものであると
知ったのは
もっと後、彼らを知ってからだ

平和の影で人は死ぬ
平等の裏で人は死ぬ
愛という幻で絶望し
慈しむ仮面の下で人は眠る
僕から私となり替わるころ
人々は二種類いるように見えた
自然を愛し真しにそれを実践しようとする者
それを謡いつつ
実は、どうでもいい者だ
壊し壊され狂い始めた風は
悲鳴にも似ている
足音にも似た地響きは
苦しみにもがく姿に似ている
その後に来る
大波も
どこか、理不尽に抗い
同族ですら殺める
人のそのものに
錯覚した

私は想う
美しい言葉で着飾っても
所詮、死んで骨となれば
真実が露わとなる
この世界を
平和、平穏にするためには
実のところ
全て、滅びてしまえば
良いのではないかと
滅びなくして
新しきは生まれない
信仰の為に広げた翼は
いつの世も赤く暗い道を羽ばたいて
悲しみの川を創る
そんな生き物は
きっともう
この星を救えない・・・
だからだろう
今目の前の地面に寝転がる
小さな鳥の
骨の翼が
ひしひしと人々の背に
顕れ始めている






by銀翼のキケロ