愛の樹
あなたを、愛してよかった・・・
その言葉を
今思い返せば
姿も、形も、輝きも
何もかも変わってしまったのですね
あなたを失い
悲しみに暮れる日々の中
ふと
閃いた言葉
この悲しみこそが
良かったと思えた証
思い返して笑えることが
愛した証拠
そして何よりも
その歳月こそが
愛が存在した根拠
あぁ、私の背中に聳え
私に柔らかい木漏れ日を届けてくれる
大きな
大きな影は
きっと
愛の樹なのでしょう
眼には見えない、その温もりそのものが
形となり
老いて曲がった背中を摩る
優しい、優しい大樹なのでしょうね・・・
ですから・・・
今この時に想う
あなたへの情熱は
新たに芽吹く命への贈り物
子供たちへ捧げる言葉
あなたを、愛してよかった・・・
小さな手で
私の細い指を握り締める
あなたへ
届けたい言葉
紡がれる言葉
夢はどこへなりとも
幻は、何処からより
消えては
現れてを繰り返す
雪原に立ち
朝陽に身体を燃やし
夕刻に燃ゆる
冷たき大地に
ただただ暗い影をゆらめかす
愛という輝きを持つ言葉に
人々は焦がされ
次々と眠りに就いた
幸せに微笑む者も
苦痛に顔を歪ませるものも
皆同じ
この世界を見て来た者たち
あぁ、愚かであったと知って
諦めたそこに立ちはだかる死の門は
一人一人に
違う顔を見せるようだ
白黒の遺影の中で
無言で見下ろし続ける
見知らぬ血筋
その世界から
こちらを眺めても
きっと
夢幻の中
想像すらも越えているに違いない
あんたは何を思って
先に逝く
あんたは何を願って
先を行く
変わり続ける
未来のありように
何を夢見て
旅立った・・・
by銀翼のキケロ
親の心、子知らず
それを詩ってみました